「プライマリーバランスの黒字化よりもTXの黒字化が速いか」
明日24日で、つくばエクスプレス(TX)が開通して2周年を迎える。開通当日から利用しているが、車窓からの風景もだいぶ変わってきている。そして、また乗降者数も日々増加しているように感じる。23日付け日経新聞(地方版)に、TXを運営している首都圏都市鉄道の高橋社長とのインタビュー記事が掲載された。
この記事によると、2006年度の乗客数は1日あたり19.5万人と開業当初から3割増加し、2007年4月以降は1日23万人程度で推移しているようである。割引を利用しない定期以外の乗客が引き続き4割を占めているという。
当初、黒字化には約30年かかると予想していたようだが、前期に予想収益が267億円となり、これにより最終赤字は37億円に止まった。単純計算だと営業収益があと50億円あれば黒字になるという。乗客増がこのまま進み、減価償却も変化がないという楽観的な仮定をすれば、営業収益を毎期10 億円増やせば5年後に黒字化する可能性もあるとか。とりあえず営業収益が300億円を達成すれば黒字化が見えてくるそうである。TXの黒字化は、国のプライマリーバランスの黒字化と良い勝負となりそうである。
TXの魅力そのスピードなどもあるが、事故などの少なさといった信頼性も大きな魅力となっている。新幹線と同様に高架やトンネルを利用して踏み切りがなく、安全性もかなり配慮されているため、死亡事故などはこれまで聞いたことはない。
反面、平行して走る常磐線は歴史も古い分、何かと運行がストップすることが多く、人身事故なども多い。TXは、新しい路線ということもあるが、めったなことでは運行が遅れない。これまで2年間、通勤で乗っていても、遅れたことはほとんどなかった。いつぞや、震度3程度の地震があって一時的に駅にストップした際など、最終的に2分程度の遅れでの到着であったにも関わらず、運転手(車掌はいない)が、申し訳なさそうに、たいへんご迷惑をおかけしました、と車内放送をしていたぐらいである。
今後も特に安全面をさらに強化して、早期の黒字化とともに、それとは矛盾してしまうことなれど、できれば混雑解消なども早めに手を打っていただきたい。通勤ラッシュ時間帯はすでにかなりの混みようともなっている。