「負の連鎖を断ち切れ」
米サブプライム問題は、一部ヘッジファンドの破綻や欧米金融機関の資金繰りの問題に発展し、さらにヘッジファンドなどがリスクリダクションの動きを加速させ、欧米やアジアの株式市場を直撃している。日経平均は7月9日の高値18261.98円から本日までで3000円近く下落した。また、円キャリートレードの巻き戻しになどにより、ドル円は直近のドルの高値6月22日につけた124円17銭からわずか2か月余りで12円もの円高進行となった。長期金利も低下し、6月13日につけた1.985%から本日1.575%をつけ約0.4%もの利回り低下となっている。日銀の追加利上げ観測の後退から、5年債利回りも6月13日の1.605%から本日1.095%をつけ約0.5%の利回り低下となった。
すでにサブプライムの問題というよりも、世界的なリスク回避の動きが主導となっており、急激な円高もあり、東京株式市場などまさに売りが売りを呼ぶ展開ともなっている。懸念されていた円キャリートレードの巻き返しが、引き起こされている。このままでは実態経済への影響も懸念されるが、現在のところ日本の金融当局などには動きはない。しかし、市場の動揺を抑えるには市場参加者への不安を緩和させるため、金融当局が不安解消への期待に働きかける必要もあろう。金融当局の危機対応があらためて求められる。