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「日銀の資金吸収」


 13日の欧米の中央銀行は、前週末に続く3度目の資金供給を実施したが、14日に日銀は反対に資金吸収オペを実施した。

 これは15日の積み最終日を控えていたものの、欧米の危機対応の供給オペに呼応して10日と13日に資金供給をしたことの影響とみられる。

 サブプライム問題に端を発する信用収縮懸念などで、日本の金融機関が資金を必要とする状況にあったわけではなく、あくまで市場の動揺を抑えることが、日銀の資金供給の目的であったと推測される。

 日銀は10日、1兆円の即日供給オペを実施したが、「金利上昇を抑えるためのオペで、海外の中央銀行と協調したわけではない」との幹部の発言があったが、短期金融市場にさほど動揺があったわけではない。

 日銀は13日にも、6000億円の即日資金供給オペを2営業日連続で実施した。今回の期日は週末をまたいでの20日となり、ターム物と呼ばれる長いオペを実施した。これは足元だけではなく先行きの資金需給まで意識したものとみられ、市場参加者に安心感を与えるといった目的もあったとみられる。

 しかし、現実にはさほど資金は必要なく、大手銀行などは積み最終日に向けて淡々と積んでいたところに、この資金供給が行なわれたことで、結果として積み急ぐ結果となった。このため、大手銀行は積み最終日に向けて取り手ではなく出し手ともなっていた。

 また、外銀なども欧米での大量の資金供給が行なわれていたこともあり、必要な資金を得るために、円を取ってドルやユーロに変えるといったことも必要はなくなっており、資金の取り手が限られてしまった。

 このため、14日の短期金融市場では朝から無担保コール翌日物のレートが低下し、0.4%近辺で取引が開始されるなど、資金余剰感が強まっていた。日銀は14日の朝に6000億円の即日「吸収オペ」を通知した。ただし、この金額ではまだ余剰感も残るとみられ、現実にオペ後も無担保コール翌日物レートでは0.2%台での取引があり、その後さらにレートは低下し0.1%も割り込んだ。

 12時50分の定例金融調節において、当日2本目の吸収オペとなる即日に始まる1兆円の手形売りオペを日銀は通知した。

 しかし、これによってのレート低下も限定的となり、積み最終日となる15日までは無担保コール翌日物金利は上昇しにくい状況となった。ただし、これはあくまで積み最終日という要因も大きく、16日からは再び無担保コールレートは0.5%台か。ただし、23日の決定会合での追加利上げの可能性も払拭していないこともあって、やや高めでのレート推移となるとも見込まれている。
by nihonkokusai | 2007-08-14 14:08 | 日銀
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