「2011年度のプライマリーバランスの黒字化に黄信号」
国の借金の増加を防ぐには、まずはプライマリーバランスの均衡化が必要となる。内閣府は6日に2011年度までの日本経済の成長率や物価の動向などを試算し、この日開催された経済財政諮問会議に報告した。
今年1月に同会議が決めた中期方針では、増税なしでも2011年度のプライマリーバランス(国・地方の基礎的財政収支)の+0.2%(1兆4000億円)程度の黒字化が可能としていた。いわゆる「新成長経済シナリオ」である。
しかし、今回2006年度の税収が見積もりより1兆4000億円程度下振れする見通しとなったことや、消費者物価や賃金の伸び悩みなどから、2011年度の名目成長率を1月時点の試算値3.9%から3.7%に下方修正された。この結果、2011年度の黒字幅は収支均衡ぎりぎりのプラス0.01%(400億円程度)まで低下する見通しとなった。これと連動し、2008年度の名目成長率の見通しも、1月の試算値2.8%から2.6%に引き下げられている。
このシナリオの前提となっているのが、2007年度から2011年度の5年間で総額14兆3000億円の歳出を削減すること。
この数字は、政府の計画である11兆4000億円~14兆3000億円の上限でもあり、政府が最大限の削減努力をしなければならない。
本日の日経新聞では来年度予算に関して公共事業3%減を政府は確認したそうである。しかし、参院選の結果を踏まえ、歳出増への声も強まる中、これまで通りの歳出削減といったものが可能かどうか、借金時計とともに国民も目を光らせている。