「趣味の切手収集と国立公園」
新聞報道などによると、日光国立公園から尾瀬地域を分離し「尾瀬国立公園」として独立させるそうである。新たな国立公園の誕生は、釧路湿原国立公園以来20年ぶりで、全国29番目だとか。
しかし、今の子供たちは国立公園と聞いて、ピンとくるのであろうか。むしろ、世界遺産の方が注目度も高く、29もの国立公園があることは余程地理が好きな子供ぐらいしか知らないのではなかろうか。
とは言っても、私の年代は国立公園を勉強で覚えたわけではない。これは心当たりのある方も多いと思うが切手の収集という趣味から得た知識であった。昭和40 年代あたりに小学生であった世代の多くが記念切手を集めることに夢中になっていたはずである。私の部屋には当時集めた切手が今だに残っており、家人のものを含めて数冊のストックブックがある。
小学生の趣味だけに、「月に雁」といったに高額な既発の切手は買うことはできず、もっぱら新発の切手を発売日に郵便局に親に並んで買ってもらっていた。さらに友達との交換などを通じてそこそこの枚数は揃えていた。その中の定番のひとつが「国立公園シリーズ」であった。戦前に発行されたものなどはさすがに手が出なかったものの、戦後に発行されたものはそこそこ持っていたと思う。
日本の国宝といったものも切手から覚えたが、今の子供たちにそういった日本の風景、芸術などを楽しみながら覚える機会といったものはあるのだろうか。授業での社会科の地理は嫌いでも、富士箱根という切手の値段はすぐに出てくる子供がたくさんいた。値段はさておき、その図柄による風景や国立公園の場所といった知識は持っていた。「見返り美人」という絵などは切手収集の基礎中の基礎であり、当時の子供たちが一番良く知っていた日本の絵画であったと思う。少なくともそういった知識は切手を集めていない限りは知らなかったと思う。
最近は任天堂のゲーム機のDSで学習ソフトも増えてきているが、ゲーム感覚で遊んで覚えられる機会があると、子供たちにとって雑学かもしれないが知識がより深まってくると思う。現在はインターネットで何でも調べられる時代でもあるが、「偶然何かを知る機会」というのは、自分の好きなジャンルばかり見ていては得られないものである。そういった機会がない限りは、インターネット情報もただの倉庫でしかなくなってしまう。
ということでインターネットで調べた現在の国立公園は、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺、十和田八幡平、陸中海岸、磐梯朝日、日光、上信越高原、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、中部山岳、白山、南アルプス、伊勢志摩、吉野熊野、山陰海岸、瀬戸内海、大山隠岐、足摺宇和海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島屋久、西表。