「日本のコール市場と米FF市場」
日本のコール市場に該当する米国の市場が、フェデラル・ファンド市場と呼ばれる市場です。米国の金融政策が変更された際など、フェデラル・ファンド・レートの誘導目標値が何%となったとニュースで報じられるかと思います。
日本銀行の金融政策の誘導目標値は、2006年3月の量的緩和政策の解除後は、無担保コール翌日物の金利に戻されています。米国も日本のコールレートに該当するフェデラル・ファンド・レートを操作することによって金融政策を行っているのです。
米国の銀行はニューヨーク連銀などの地区連銀に口座を開いています。これは日本銀行の当座預金に該当し、米国の銀行もこの連銀の口座を使って銀行間の資金決済などを行っているのです。
そして米国の銀行は預金量に応じた一定比率の支払い準備預金を保有するように法律で定められています。銀行がフェデラル・リザーブ・バンク(連邦準備銀行)に預けているファンド(資金)をやり取りする市場が、フェデラル・ファンド市場というわけです。
これは日本における準備預金制度と同様のものです。そして、日本銀行の当座預金にも利息はつきませんが、米国でも連邦準備銀行に預けている準備預金にも原則として利息がつきません。このため、必要以上に準備預金に置いてしまうとその資金を有効に運用することができません。このため、こういった資金を日本ではコール市場、米国ではフェデラル・ファンド市場などで運用しているわけです。
日米ともに金融政策の誘導目標の金利は、このように銀行間での資金をやり取りする市場における金利となっています。ちなみにECBにおける政策金利は主要リファイナンス・オペレートと呼ばれるものとなっています。主要リファイナンス・オペレートとは、ユーロシステム(ECB及びユーロ圏内の中央銀行)が定期的に行う公開市場操作の変動金利入札において金融機関が入札可能な下限金利となっており、これを操作することでECBの金融政策スタンスを反映させる仕組みになっています。
短期金融市場全体でみて、その全体の市場残高に占める割合は、米国のフェデラル・ファンド市場が3.6%、日本のコール市場は12.7% (それぞれ2006年9月末、日銀資料より)しかありません。これに対して米国でのレポ・債券貸借市場のシェアは41.1%、日本におけるレポ・債券現先のシェアは42.0%と、レポの規模がたいへん大きくなっています。
わずかなシェアしかない米国のフェデラル・ファンドの金利や、日本のコールの金利がそれぞれFRBや日銀の金融政策の目標となっているのは、銀行間で直接取引きしている市場であり、その金利そのものが金融調節による影響を受けやすいためというのがひとつの理由です。
by nihonkokusai
| 2007-06-18 14:45
| 日銀


