「サブプライム」
米国のサブプライム市場とは、信用力の比較的低い消費者層への融資市場で、1990年代に入り米国で急速に発展した市場である。ちなみに「prime」とは辞書を引くと、「信用リスクの小さい消費者。一般に高所得者をいう」とあり、これに対して「subprime」とは「信用リスクの大きい消費者。一般に中低所得者をいう」とある。
プライムとサププライムの違いには明確な定義はないが、サププライムは伝統的な金融機関から融資を受けることが比較的難しい階層ともいえる。低所得者層だけではなく、クレジットカードの延滞履歴があるなど信用リスクが高い顧客層も含んでいるとされる。一般的に平均世帯収入の下位50%に含まれる階層とも理解されている。米国で住宅ローンを借りる人の15%程度がサブプライムローンを利用するとされ、住宅ローン全体の約1割を占める。
このサブプライム層に向けた住宅ローン市場において、返済遅延の急増などにより、不動産融資専門会社の経営不安や金融機関の収益悪化懸念が高まったことをきっかけに13日の米国株式市場は急落した。
全米抵当貸付銀行協会が発表した住宅ローン不履行率が大幅に上昇していたことで、住宅ローンの不良債権問題に対する懸念が一段と高まり、下げ幅を拡大させる展開となった。
サブプライム住宅ローンのアクレディテッド・ホーム・レンダーズ(本社San Diego)は大幅に下落した。同社は昨年末に202億円を超えるの資金を保有していたが、その後追加担保の返済に追われ、資金が枯渇しつつある事を同社広報が認めた上、事業継続には新たな資金が必要とし身売りを含めた対応を検討していることを明らかにした。また、同業で実質破綻状態にあるとされるニュー・センチュリー・フィナンシャルはNY証券取引所が上場廃止を決定した。