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「TB・FB市場」


 オープンマーケットの中でもTB・FB市場は規模も大きく短期金融市場における中核的な商品ともなっています。TB(Treasury Bill)とは割引短期国庫債券のことで国債の償還・借換えに対応する目的で発行されている短期の債券です。また、FB(Financing Bills)とは政府短期証券のことで、政府が国庫や特別会計などの一時的な資金不足を補うために発行されている短期の融通債です。

 償還期間は、TBについては3か月と6か月及び1年ですが、3か月物は2000年4月以降発行されていません。FBは原則として13週間となっていますが、2か月程度の発行も行っています。さらに今後、財務省は6か月物のFBを発行することも検討しているようです。

 TB・FBともに割引形式で発行される債券で、機関投資家限定の商品となっています。このため個人や個人に類似する法人への譲渡はできません。 FBが最初に発行されたのが1886年7月で、当初は利付債であったものが1902年3月に割引形式となりました。最初の発行から70年もの間は日銀がほぼ全額引き受けていました。1981年に日銀は新たな余剰資金の吸収手段としてFB売りオペを導入したことによって、次第に流動性が高まってきました。

TBは1970年代後半から国債の大量発行が続き、その大量の国債償還・借換えに対応するために1986年に借換債としてTBが発行されました。 1999年4月にFBの発行方式が定率公募残額日銀引受方式から原則公募入札方式に改められたのですが、この際に発行根拠法の違いから大蔵省証券、食糧証券および外国為替資金証券と3種類に分かれていたものが統合され「政府短期証券」の名称に一本化されました。

 公募入札方式への移行に伴いTB・FBの償還差益に関しては発行時の源泉徴収は免除され、外国法人についても原則非課税とされました。さらに2000年4 月にはFBは完全公募入札に移行し、この際に期間2か月程度のFBが発行されることとなり、またFBに財政融資資金証券が追加されて大蔵省証券、食糧証券および外国為替資金証券とともに4つの証券が一体で発行されることとなりました。

 FB・TBともに日銀のオペレーションにも使われています。FBを使ったオペは1955年からFBの売却というかたちで始まっています。 1981年にはFBを短資会社の窓口経由で市中に売却するというかたちのFBオペが実施されました。1990年に日銀はTBを対象として現先方式の買いオペを実施しましたが、あまり機能せず、1999年に改めて「短期国債の条件付売買基本要領」が制定され実施されました。これにより、売買対象がFB及び TBとなり、FBの公募入札方式の移行にあわせ、短国現先売買オペが日銀の金融調節の中核となりました。急速に縮小傾向にあった手形市場とは対照的に、短期国債市場は拡大してきました。

 しかし、2001年3月の日銀による量的緩和政策の導入によって短国買現先オペは急速に減少しました。これに変わって1999年に導入された短期国債のアウトライトオペのうち短国買い入りオペが拡大しました。
by nihonkokusai | 2006-09-08 09:19 | 債券市場
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