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「法人企業統計を受けて利上げ先送り観測の修正も」


 4日に発表された2006年4~6月期の法人企業統計では、設備投資の増加傾向とともに堅調な収益状況が確認された。全産業の設備投資額は前年同期に比べ 16.6%の増加と1990年以来の伸び率となった。このうち製造業は前年同期比14.1%増、非製造業は同17.9%増となった。GDPを推計する基礎となるソフトウエアを除いた設備投資額は同18.4%増となり、季節調整して前期と比べると 5.7%の増加となっている。

 全産業における売上高は前年比+8.6%、経常利益が前年比+10.1%、人件費は年比+3.5%と1~3月期の同+2.0%を上回る伸びとなった。経常利益の伸び率が大きかったことが寄与したことで、労働分配率は1~3月期の64.6%から63.6%へ3四半期ぶりに大きく低下している。また、損益分岐点売上高比率も79.6%と1989年1~3月期以来の80%割れとなり、収益性もさらに改善した。

 設備投資に関しては日銀も、その好調さが継続しているということを繰り返している。たとえば7月26日の神戸市における講演の中で須田審議委員は「内需に目を転じますと設備投資が引き続き増加しております。設備投資の背景にある企業収益も高水準で推移しているほか、先に公表されました6月短観でみた企業の業況感も、総じて小幅の改善がみられ、引き続き良好な状況が続いています。」と発言している。

 8月末からの長期金利の大幅な低下のきっかけは、8月25日に発表された7月全国消費者物価指数(除く新鮮)であった。欧米の長期金利低下や好需給を背景に7月全国消費者物価指数を見て年内の日銀追加利上げ観測が後退したとの見方からショートカバーを誘ったものとみられる。この7月全国消費者物価指において2005年の新基準で+0.2%と発表され予想された+0.5%を下回った。2000年基準から2005年基準に伴う修正値が市場予想の0.2%程度から実際には0.4%程度あったが、これはある程度携帯電話の通信料分で説明が可能とみられる。いずれにしてもこれはあくまで技術的なものであり、これが日銀の金融政策に大きな影響を与えることは考えづらい。

 また、8月31日に発表された7月鉱工業生産速報が前月比-0.9%と予想の0.5%近辺を大きく下回り、これも長期金利の低下を加速させたが、この鉱工業も一時的なものとの見方が強いため、むしろ法人企業統計の内容といったものを重視すべきであり、この意味でも日銀のスタンスには全くこれまでと変化はないと見ており、利上げ先送り観測の修正も入ってくるものと思われる。
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by nihonkokusai | 2006-09-08 09:17 | 景気物価動向 | Comments(0)
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