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日銀の政策委員からも国債市場の機能低下を危惧する声が。日銀はコミットメントよりも副作用を注視すべき

 日銀は6月14、15日に開催された金融政策決定会合における主な意見を公表した。このなかから「金融政策運営に関する意見」をみていきたい。

 「現在の金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが適当である。」

 との毎度の意見はさておき、

 「物価の伸び悩みの理由は、単純な需要不足とは考え難いことから、短期間で需要を無理に押し上げるような政策は適当ではない。現在の緩和的な金融環境を粘り強く維持していくことが 重要であり、そのためには、経済・金融環境に深刻な歪みが生じることがないよう注意しながら、持続性に十分配慮した政策運営がなされるべきである。」

 「短期間で需要を無理に押し上げるような政策」とはサプライズも意識した異次元緩和そのものを指しているようにもみえなくもないが、さらなる追加緩和については反対のようである。そして、注目すべきワードは「深刻な歪み」と「持続性」となる。いまの政策が持続不可能なほど深刻な歪みが生じるリスクを意識し始めたか。

 「金融機関では、保有有価証券の評価損益の悪化に加え、低収益店舗の減損リスクも生じてきている。金融政策の継続にあたっては、その効果と副作用の二つの時間軸を意識し、副作用が顕在化する前から対応を検討しておくことが必要となる。」

 こちらでは経済・金融環境に深刻な歪みとされるものが具体的に示されている。この危惧は時間の経過とともに強まっていく。

 「低金利が銀行経営の悪化を通じて金融仲介機能を低下させ、却って金融緩和効果を削ぐという議論がある。こうした金融仲介機能の中核は、預金を集めて返済可能性を考慮しながら貸し出すことであるが、国内銀行の平均預貸率は7割以下であり、残りは債券運用である。この点を考慮すれば、銀行の金融仲介機能にはそもそも改善の余地があるのではないか。」

 例によって「という議論がある」という発言をする方の意見であるが、これは金融政策決定会合という場の金融政策運営に関して発言すべき意見であるのであろうか。

 「足もとの国債市場では、米国金利等の動きに対する感応度が低下しているほか、新発債の業者間取引が不成立となる日もみられる。本来の市場機能をできるだけ維持する観点から市場調節を運営していくことが重要である。」

 日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和の副作用の指摘であるが、どの委員による意見なのであろうか。佐藤委員と木内委員が任期を迎えたあとは、債券市場関係者は政策委員にはいない。これは債券村の住人はリフレ派の意見を理解していないためかどうかはしらないが、このようななかにあって、債券市場動向を気にしてくれる委員がいるのは心強い。日銀の国債買入について何らかの修正が入るかもしれないという期待をしても良いのであろうか。

 「ETFなどリスク性資産の買入れは、「物価安定の目標」を実現するための政策パッケージの一要素として行っているが、政策効果と考え得る副作用についてあらゆる角度から検討を続けるべきである。」

 こちらも副作用に関する指摘であり、ターゲットは国債ではなくETFなどリスク性資産の買入に関するものである。この環境下で日銀が株価を買い支える必要性はない。事前に市場にしっかり織り込ませるかたちで、ETFなどの買入は早めに停止すべきと個人的には思っている。

 「他の先進国では、2%程度の物価上昇が当然とされ、そのもとで3~4%程度の名目成長が達成されてきた。2%の「物価安定の目標」は、国際社会に対して日本が他国並みの名目成長を実現するという決意の表れである。」

 何を言っているのかわからない。

 「予想物価上昇率がなかなか上がらない現状を考えると、場合によっては、民間主体の期待形成に働きかけるべく、2%に向けたコミュニケーションと広い意味でのコミットメントを改善する工夫を講じることが望ましい。」

 広い意味でのコミットメントの改善とは具体的などのようなものなのかの説明がほしい。

 「足もとの物価上昇率が高まっていないため、予想物価上昇率も伸びにくくなっている。予想物価上昇率に働きかける追加的なコミットメントが必要である。」

 予想物価上昇率に働きかける追加的なコミットメントって何だろうか。

 「共同声明で謳われた政府・日本銀行のコミットメントに揺らぎがないと理解されることが大切である。」

 コミットメントと言う用語が乱発されており、どうやら日銀の金融政策は精神論に走りつつあるようにも思われるのだが。それよりも現実の副作用に目を向けたほうが良いと思う。


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by nihonkokusai | 2018-06-26 09:43 | Comments(0)
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