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今後の物価動向とそれによる影響

 2013年4月4日の金融政策決定会合で日銀は、量的・質的金融緩和の導入を決めた。日銀が掲げた消費者物価指数(除く生鮮食料品、コアCPI)の2%という物価目標に対して、2年程度の期間を念頭に置いて、早期に実現するとした。

 1月31日に発表された昨年12月のコアCPIの前年同月比はプラス1.3%となった。昨年4月のコアCPIはマイナス0.4%、そして5月のコアCPIは0%であったが、このゼロを基準にみれば、単純計算ではすでに65%程度の達成度となっている。

 日銀は2015年度までの見通し期間の後半にかけて、「物価安定の目標」である2%程度に達する可能性が高いとしているが、数値の上ではいまのところこのシナリオに沿った物価の上昇となっている。

 この物価上昇の大きな背景になっているのは、円安である。12月の物価上昇の要因として、円安に伴って原油や液化天然ガスなど原燃料の輸入価格が上昇したことで、ガス・灯油価格やガソリン価格が上昇している。外国パック旅行やハンドパック(輸入品)の価格の上昇も円安の影響を受けている。

 円安に伴う原材料費の上昇を、そのまま価格にオンできるような環境になっていることも、確かにこの物価上昇の背景にある。年末年始の海外旅行者数は過去最高となったようだが、パック旅行の価格が上がっても海外に行く人が多いこと自体、景気の回復が物価を支えている。

 ただし、その円安の要因が剥がれるとここからの物価の上昇は厳しくなる。今年に入り為替や株式市場の様相が大きく変化した。日本株を中心に世界の株式市場は調整局面入りし、円安トレンドも変化し、ドル円は105円台から100円台に下落した。昨年の円安の動きの背景が、ポストグローバルリスクとすればその動きもある程度一巡した。

 為替市場については、昨年のような円安を見込むことは難しくなり、今年は落ち着く水準を探る展開も予想される。日米の金融政策の方向性の違いが円安を促進させた面もあったが、すでにFRBはテーパリングを開始しており、日銀の追加緩和もある程度想定して動いてきており、これらをあらためて材料視して円が急落するのも考えづらい。

 日銀の物価目標については、円安のフォローがなくなればこれからが正念場となる。しかし、今後は4月以降の消費増税の影響分が加味される。消費者は消費増税を除いた物価の行方などは見ていない。実感として物価が2%を超えて上がることがあれば、物価上昇による悪影響のほうを意識してくる可能性もある。それにもかかわらず、物価をさらに上げようとする日銀に対して、消費者はどのような視線を向けてくるのか。さらに日銀の国債買入でおとなしくなっている国債市場も、この物価上昇を完全に無視して良いものなのか。このあたりも今後の注目材料となりそうである。

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by nihonkokusai | 2014-02-08 12:55 | 景気物価動向 | Comments(0)
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