8月の都市銀行の債券売越額は7月の倍
短期債を除いたベースで4月、5月、6月、7月と売り越しとなっていた都市銀行は、8月も1兆9183億円の売り越しとなっていた。7月の売り越し額は9240億円の売り越しと1兆円は割り込んでいたものの、8月はまさにメガバンクの「倍返し」となった格好に。
国債の投資家別売買高を確認すると、中期債を2兆5924億円売り越していた。長期債は9760億円の買い越し、超長期債は1564億円の売り越しに。
4月からの都市銀行の動きをみると、長期債は買い越しの月が多いが、超長期債と中期債は売り越しが続いており、特に中期債の売り越しが目立つ。8月の中期債の売り越しの規模は2012年4月以来の大きさに。
ちなみに、6月の都銀の売買高は3兆5165億円と2004年4月以降では最低となっていたが、7月は7兆2864億円と6月の約2倍程度に回復し、8月は9兆6934億円と10兆円近くまで回復していた。
ほかの投資家の売買状況を確認すると、買い越しの最大手は7月に続き信託銀行となり、7444億円の買い越し。信託銀行は超長期債を2808億円、中期債を6408億円それぞれ買い越しとなっていたが、長期債は2636億円の売り越し。
続いて生損保が7044億円の買い越しに。超長期債を5072億円の買い越し、長期債は614億円の売り越し、中期債は1600億円の買い越しに。
農林系金融機関は6427億円の買い越し。超長期債を2663億円買い越し、長期債を1726億円売り越し、中期債を4721億円買い越し。
外国人は1767億円の買い越し。超長期債を825億円買い越し、長期債を3534億円売り越し、中期債を4453億円買い越し。
8月も目立ったのは都銀の売りであり、売り越し額は1.9兆円規模となり、4月の2.8兆円規模には及ばないものの、5月から7月までの1兆円規模の売り越しから売り越し額を再び大きく増やしていた。 それに対してほかの投資家がその売り越し分を買い支えていた格好に。
参考までに国債の投資家別売買高(一覧)を基に、投資家全体の売買高の状況を確認してみたところ、7月は国債合計(短期債除く)で126兆9632億円とデータの残る2004年4月以降での最低は2009年5月の120兆3842億円となっていた。このように7月はかなり低い水準となっていたが、8月は140兆円1549億円とやや回復していた。
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