7月も都銀は国債を売り越し。異次元緩和後の国債売買高は減少傾向
短期債を除いたベースで4月、5月、6月と1兆円を超える売り越しとなっていた都市銀行は、7月も9240億円の売り越しとなり、1兆円を超えることはなかったが1兆円近く売り越しとなっていた。国債の投資家別売買高を確認すると、中期債を1兆4402億円売り越していた。長期債は6613億円の買い越し、超長期債は1087億円の売り越しに。
4月からの都市銀行の動きをみると、長期債は買い越しの月もあるが、超長期債と中期債は売り越しが続いており、特に中期債の売り越しが目立つ。ちなみに、6月の都銀の売買高は3兆5165億円と2004年4月以降では最低となっていたが、7月は7兆2864億円と6月の約2倍程度に回復していた。
ほかの投資家の売買状況を確認すると、買い越しの最大手は6月に続き信託銀行となり、1兆612億円の買い越し。超長期債を1236億円、長期債を3192億円、中期債を4185億円それぞれ買い越しとなっていた。
続いて外国人が6472億円の買い越し。超長期債を969億円買い越し、長期債を2177億円売り越し、中期債を7656億円買い越し。
生損保は6279億円の買い越し。超長期債を6543億円の買い越し、長期債は2523億円のこちらは売り越し、中期債は1006億円の買い越しに。
地銀は2578億円の買い越し、農林系金融機関は2601億円の買い越し、投資信託は3582億円の買い越しに。
7月も目立ったのは都銀の売りであり、売り越し額は1兆円を割り込んだが、日銀の異次元緩和以降の国債の売り越しが進み、その資金は主に日銀の当座預金に滞留している格好となっているようである。
参考までに国債の投資家別売買高(一覧)を基に、投資家全体の売買高の状況を確認してみたところ、7月は国債合計(短期債除く)で、126兆9632億円となっていた。データの残る2004年4月以降での最低は2009年5月の120兆3842億円となっており、7月はかなり低い水準となっている。異次元緩和が決定された4月が約199兆円、5月が約171兆円、6月が約146兆円となっており、次第に売買高が減少している。日銀の巨額の国債買入が影響しているとみられるが、今後はこの全体の売買高についてもチェックしておきたい。
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