「冬の個人向け国債」
10年変動タイプの募集期間は平成17年12月9日(金)~29日(木)。発行日は平成18年1月16日となる。本来ならば15日発行なのだが1月15日は日曜日となるため、一日ずれる。利払い日は毎年1月15日及び7月15日(年2回)となることで、初回の利子に際しては1日分の調整額が必要とされるので注意したい。償還期限は平成28年1月15日。利率は変動。初期利子は1日に実施された10年国債入札における基準金利が1.48%であったことから、ここから0.80%差し引かれた0.68%となる。
5年固定利付タイプについては、募集期間、発行日は変動タイプと同じとなる。償還期限は平成23年1月15日。利率は固定であり、適用利率の算式は8日に実施される5年国債入札結果から導きだされた基準金利から 0.05%引かれたものとなる。
変動タイプの中途解約については1年経過後であるが、固定タイプは発行から2年経過後に可能となり、利子4回分が解約時の手数料相当となる点にも注意したい。
証券会社など販売する金融機関に支払われる募集手数料は変動・固定ともに100円額面につき50銭となる。
日銀の量的緩和解除観測の強まりや株高といった状況下にあるものの、現在のところ中長期金利は比較的低位安定していると言ってよい。このため、個人向け国債の利率は預貯金金利に比べればかなり高いものの、変動タイプの初期利子は0.68%と前回、前々回よりは高いが8回の0.74%より下回る。
しかし、今回から固定タイプが加わる。8日の5年国債の入札結果次第ではあるが、このままでは変動の初期利子と比較すると固定の利率の方が上回る可能性が高い。しかも利率が固定されることでより預貯金に近い性格を持ち、さらに期間も半分となり、個人にとっても受け入れやすい商品性を持っている。
すでに実績を積み重ねている変動タイプと今回の固定タイプ、販売額はどちらが多くなるのか興味深い。日銀は来春にかけての量的緩和解除に向けての姿勢を強めている反面、政府などの意向も反映してか、その後の利上げについては慎重な態度を取っている。債券市場においてもかなり量的緩和解除は織り込みつつあり、視線は利上げ時期を追っている。このため、利上げ観測が強まらなければ中長期金利の上昇も限定的ともいえる。ただし、数年先の金利まではプロでも読みきれないため、固定を選択するか変動にするのかの選択は個人の先行きの金利感にも委ねられる。
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