メガバンクの国債売買益は過去最高水準
報道によると、大手銀行グループの3月期の決算が出そろい、いわゆるメガバンクと呼ばれる三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの最終利益はそれぞれ増益となり、特に国債などの売買で上げた利益は、三菱UFJが約2650億円、みずほが約1550億円、三井住友がおよそ1520億円で、3社合わせて約5720億円となり過去最高の水準となったそうである(NHKのサイトより)。
さらにこの3つのグループが保有している国債の残高は、三菱UFJが約48兆円、みずほが34兆円、三井住友が約28兆円と、総額で約110兆円に上り過去最高となったそうである。
昨年度の金融市場を振り返ると、欧州の信用不安の高まりにより、リスクオフの動きが強まり、円高圧力が強まった。安全資産として米国債やドイツ国債とともに、日本国債にも買いが入り、日本の長期金利は1%を割り込んだ。米国債なども買われていたものの、円高進行もあり、メガバンクなど日本の銀行は外債投資よりも、国債を主体とした債券投資に資金を振り向けたものとみられる。
銀行の貸し出しは回復していたが、預金の伸びには追いつかず、その分国債等に資金が回る構図に変化はなかった。債券相場は高値圏で比較的安定した展開が続いていたことも手伝い、メガバンク等は中期ゾーン主体に積極的な売買を行っていたようである。
利回りの低下により利子収入、つまりインカムゲインは、その投資の中心が中短期債であったこともあり限定的ではあったが、利回りの低下とともに、ロールダウン効果等によりキャピタルゲインを稼ぐ構図が継続していた。
また、日銀は基金による資産買入を引き上げた上に、2012年2月には実質的なインフレ目標政策を導入し、時間軸がより強化されたことなども、巨額の国債を保有していたメガバンクにとり、収益を確保する絶好の環境となっていたとみられる。
ただし、それぞれのメガバンクトップは、「国債の保有がここまで大きくなるとリスクは常に考えなければならない」(三菱UFJの永易克典社長)、「ギリシャ問題が突然、引き金になるかもしれないため、日々、市場から送られるサインを見逃さないことがリスク管理のうえでは極めて大事だ」(みずほの佐藤康博社長)、「急な混乱が起きるとは想定していないが、償還までの期間が2年弱の短い国債を持つようコントロールしている」(三井住友の宮田孝一社長)と、それぞれ、巨額の国債を保有していることによるリスクも意識した発言をしている(NHKのサイトより)。
もちろん日本国債のリスクばかり意識して先に動いてしまうと、あまりにポートフォリオが巨額すぎる分、池の中で鯨が暴れるような事態にもなりかねない。
三井住友の宮田孝一社長は「とにかく大事なのは、財政健全化の道筋が示されることだ」と述べたそうだが、このあたりは巨額の日本国債を保有する銀行業界としても、積極的に政府に向けて意見を発していくことも重要ではなかろうかと思う。
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さらにこの3つのグループが保有している国債の残高は、三菱UFJが約48兆円、みずほが34兆円、三井住友が約28兆円と、総額で約110兆円に上り過去最高となったそうである。
昨年度の金融市場を振り返ると、欧州の信用不安の高まりにより、リスクオフの動きが強まり、円高圧力が強まった。安全資産として米国債やドイツ国債とともに、日本国債にも買いが入り、日本の長期金利は1%を割り込んだ。米国債なども買われていたものの、円高進行もあり、メガバンクなど日本の銀行は外債投資よりも、国債を主体とした債券投資に資金を振り向けたものとみられる。
銀行の貸し出しは回復していたが、預金の伸びには追いつかず、その分国債等に資金が回る構図に変化はなかった。債券相場は高値圏で比較的安定した展開が続いていたことも手伝い、メガバンク等は中期ゾーン主体に積極的な売買を行っていたようである。
利回りの低下により利子収入、つまりインカムゲインは、その投資の中心が中短期債であったこともあり限定的ではあったが、利回りの低下とともに、ロールダウン効果等によりキャピタルゲインを稼ぐ構図が継続していた。
また、日銀は基金による資産買入を引き上げた上に、2012年2月には実質的なインフレ目標政策を導入し、時間軸がより強化されたことなども、巨額の国債を保有していたメガバンクにとり、収益を確保する絶好の環境となっていたとみられる。
ただし、それぞれのメガバンクトップは、「国債の保有がここまで大きくなるとリスクは常に考えなければならない」(三菱UFJの永易克典社長)、「ギリシャ問題が突然、引き金になるかもしれないため、日々、市場から送られるサインを見逃さないことがリスク管理のうえでは極めて大事だ」(みずほの佐藤康博社長)、「急な混乱が起きるとは想定していないが、償還までの期間が2年弱の短い国債を持つようコントロールしている」(三井住友の宮田孝一社長)と、それぞれ、巨額の国債を保有していることによるリスクも意識した発言をしている(NHKのサイトより)。
もちろん日本国債のリスクばかり意識して先に動いてしまうと、あまりにポートフォリオが巨額すぎる分、池の中で鯨が暴れるような事態にもなりかねない。
三井住友の宮田孝一社長は「とにかく大事なのは、財政健全化の道筋が示されることだ」と述べたそうだが、このあたりは巨額の日本国債を保有する銀行業界としても、積極的に政府に向けて意見を発していくことも重要ではなかろうかと思う。
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by nihonkokusai
| 2012-05-17 09:31
| 債券市場


