本日の10年国債入札は無難予想
10年国債が増額されるのは、2009年12月に2.1兆円から2.2兆円に増額されて以来である。10年国債が増発されて初めての入札日となった12月1日に、実はあることが起こり、債券市場はなかなか波乱含みの相場展開となっていたのである。
2009年12月1日、この日は10年国債入札日でありながら、日銀は14時から臨時で金融政策決定会合を開催すると突然発表し、後場寄り付きから相場は急伸したのである。10年国債入札も無難な結果とはなったが、日銀の臨時の決定会合といったニュースが出たことで、業者もやや水準を見極めづらく、なかなかたいへんな入札になっていたと思われる。
この日、日銀は国債や社債、CPを担保に0.1%の固定金利で3か月程度の期間で10兆円規模の資金供給資金を供給する新たなオペを導入することを決めたが、市場ではさらに踏み込んだ政策を期待していただけに、失望売りから夕方のイブニングセッションでは、今度は大きく下落するなど、2009年12月1日はなかなか波乱含みの展開となっていた。
さすがに今日は、日銀が臨時の会合を開くようなことはないとみられ、10年国債入札はそれほど波乱なく行われるものと予想される。日銀による2月の追加緩和などの影響もあり、国債需給はタイトになっている。
また、日銀による追加緩和の思惑も燻り続けると思われる。4月2日に発表された日銀短観で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はマイナス4と昨年12月の前回調査から横ばいとなり、事前予想を下回った。大企業・非製造業はプラス5と1ポイント改善したが、全般に予想ほど良くないとの印象となった。特に2月の日銀による追加緩和等で、円高調整の流れが強まった上、復興需要なども徐々に影響するとみられていたが、その期待はやや削がれた格好となった。
これにより日銀が追加緩和を行ってくるかどうかは、今後の景気物価動向次第ではあるが、「次第に横ばい圏内の動きを脱し、緩やかな回復経路に復していく」との日銀の見通しどおりになるかどうかは、この短観の数値を見る限り、微妙なようにも思われる。このため4月は9日~10日と27日の2回開催される金融政策決定会合での追加緩和への思惑が強まる可能性もある。
いずれにしても、国債の需給には大きな変化はないと見られる上に、今後の景気の見通しについてもやや不透明である。日銀による追加緩和期待も燻る。消費増税の行方など、気になる材料はありながら、4月3日の10年国債の入札については、無難なものになると予想される。
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