日銀の株が上がる
昨日の日銀の金融政策決定会合は、いつもより終了時間が遅かった。
2月14日に大きなバレンタイン・プレゼントをしたことで、
そのバレンタイン効果を見定めるであろうと、今回の追加緩和期待はさほどなかったかに思えた。
しかし、前回もインフレ目標設定はさておき、追加緩和までの予想は少ないところに追加があった。
このため、今回もやや疑心暗鬼になったのか、我慢しきれずに
円売りや債券先物買いを入れた投機筋があった模様である。
ドル円は82円半ばあたりまで上昇したが、
決定会合の結果は、現状維持で、すぐさまドル円は売られ82円割れに。
ところが、ここからドル円は切り返してきた。
しかも、日銀総裁の会見内容が伝わると、ドル円は82円80銭近辺に上昇したのである。
バーナンキ議長の発言で、ドルが大きく動くことはあるものの、
日銀総裁の会見内容を好感して、円がこれほど売られるというのはあまり見たことがない。
ちなみに白川総裁は、会見でデフレ脱却に向けて強い姿勢を示したようである。
2月14日に日銀はどのように変わったのか、それを一言で示せば「能動的」になったことである。
実質的なインフレ目標を設定したということは、デフレ脱却に向けて日銀が前のめりになったということである。
日銀総裁のコメントにも能動的という表現が用いられているように、日銀はアグレッシブな対応に変化している。
これが現在の円安・株高の促進剤となっていることは、今回の動きを見ても確かであろう。
つまり市場参加者からみて、まさに日銀の株は上がったと思われる。
これは言葉の上だけではなく、実際の日銀の株価も2月以降、上昇しているのである。
まさに日銀の株は上がっている。
その日銀は今後、どのような対応を示すのかも興味深い。
昨日の会合では、宮尾委員が動きを見せているが、このあたりも注意深く見ておく必要がありそうである。
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