「宗次郎」
宗次郎さんといえば、日本、いや世界を代表するオカリナ奏者である。CDもたくさん出されているが、ほとんど聞いたことはなかった。それでも子ども達に実際の生の演奏を聞かせることで多少なり情操教育の一環になるのではないかとの親の勝手な思惑も働いた。
コンサートの前に、弥生時代の遺跡を復元した舞台で、奈良時代の舞を復元したものを見せてもらった。当時の貴族達はこんな感じでゆうげを楽しんでいたのかと、ややタイムスリップしたような気分もしたが、とにかくメリハリの利いた踊りは見事なものであった。まさに日本舞踊の元祖。
さて、肝心の宗次郎さんのコンサートは「無料」とはいえ本格的なものであった。これまでも東大寺などでの野外コンサートを数多く行ってきているそうで、ライトの演出など見事であった。バックにいる演奏者もキーボード、バイオリン、ギター、パーカッションだけではあったもののベテラン揃いであり、音響設備もしっかりしていたこともあり、聞き応えのあるコンサートとなった。1時間半の予定がしっかりアンコールもあって2時間近いものとなった。子ども達はさいすがに途中からやや飽きてしまったようにも見えたが、大人はしっかり楽しんだ。
オカリナの響きはどこか懐かしさを感じさせるものである。宗次郎さん御本人が作曲したものは哀愁といったものを感じさせるものが多かった反面、リズム感の伴うものもあり、こちらは南米あたりをイメージさせた。
曲目の中には「大黄河」などオリジナルのほかに、「コンドルは飛んで行く」「もののけ姫」などポピュラーなものも組み入れられていた。最後のアンコールの曲は「天空のオリオン」。やはり生の演奏はすばらしい。特に野外ということもあり、次第に夕闇迫る中でのオカリナの響きは格別なものであった。これはぜひ家でも聞きたいと、帰りを急いだ関係で現地でCDは買えなかったが、帰宅してからアマゾンでしっかり注文した。