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「新型バイバック」

 財務省で19日開催された国債市場特別参加者会合(第8回)において、新たな目的の、国債整理基金による既発国債の買入(買入消却等)、いわゆるバイバックについての説明があった。(国債市場特別参加者会合(第8回)議事要旨より)

 その内容は次の通り。
・新しいバイバックについては、2006年1月を目途に開始する。
・主たる目的は、今年度、個人向け国債の発行額が当初予定よりも上振れしていること等を踏まえ、年度内の「ネット発行額の調整」とする。実際の買入れについては、必ずしも17年度中に全てを実施するわけではなく、買入額の一部については18年度に繰り越して実施することも考えている。
・2つ以上の目的をあわせ持つことも問題ないので、ネット発行額の調整という主たる目的の下、例えば償還期限の平準化という別の目的についても副次的に加味して、2006年度、2007年度、2008年度に償還を迎える期近物を対象とすることなども考えられる。
・その他の目的のバイバックについても市場環境等に応じ随時実施することはあり得る。
・物価連動債、15年変動利付債等、日銀のシステムでは対応できないものや、日銀が買い入れの対象としていないものについても、国債整理基金のバイバックの対象とできる。
・対象総額、一回あたりのロット、実施頻度等の詳細については、今後市場関係者の意見を踏まえつつ検討していく。現行のバイバックは月500億円で実施しており、これまでの市場関係者の意見を踏まえれば、だいたい1000億円を中心に、2000億円程度までの規模という印象を持っているが、いずれにせよ詳細については、今後市場関係者の意見を踏まえ検討する。

 それでは年度内の「ネット発行額の調整」をバイバックを使ってどのように行うのであろうか。その仕組みはこういったものとなる。個人向け国債が当初予算で想定した金額を実際の販売額が上回った際には、その上回った額は借換債の前倒し発行といったかたちにこれまでは振り変わっていた。ちなみに今年度の個人向け国債の発行予定額は3兆6000億円となっているが、4月発行の11回が2兆3374億円、10月発行の12回が1兆6423億円とすでに目標を上回っており、残り2回分の発行を考慮すると3兆円以上が前倒し発行分に振り変る可能性がある。しかし、バイバックによって借換債を買い入れ、その分新たに国債を発行しなければ、借換債の前倒し発行分の中でバイバックした分の減額ができるのである。参考までに、個人向け国債は通常は借換債として発行されており、また今年度の借換債の前倒し発行枠は30兆円である。
by nihonkokusai | 2005-10-20 11:10 | 国債
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