過度な懸念は必要ないが、適度な警戒も必要な債券市場
昨日16日に20年国債の入札が実施された。利率は2.2%、回号は125回と発表された。地震とその後の原発事故などにより、一部には入札延期の要望もあったと言われているが、むしろ入札を延期してしまうほうが影響も大きかったはずである。
しかし、超長期債の購入層のひとつである生保については、今回の震災による保険料支払いなどが想定されるため、積極的には購入しにくい面もある。また、外資系金融機関は在日外国人の帰国も相次いでいるため、こちらも積極的に応札しにくい面もあろう。
さらに銀行は昨日のように手元資金を厚めに確保する動きにより、超長期債に手が出しにくい上、決算期末も絡んで動きづらい。さらに、業者である証券会社も決算期末も絡んで、あまりリスクが取れる状況にない。
このため今回の20年国債の入札については投資家がどの程度、札を入れてくるかどうかにより、その行方が左右されるものとみられた。結局、20年国債の入札は最低落札価格100円72銭、平均落札価格100円97銭となり、比較的無難な結果となった。テールは22銭と前回の14銭よりは伸びたものの、応札倍率は4.13倍と前回の2.64倍を上回った。どうやら一部の投資家が大量に購入したのではとの観測も出ていた。
震災の影響による今後の日本経済への影響などを考えると、本来であれば国債主体に買いが入るはずではあるが、目先はある意味、リスク回避の動きが日本国債にも及んでいる格好となっている。そこに期末要因も加わり、債券相場そのものが不安定な展開となっている。日本の債券市場には、過度な懸念は必要ないと思われるものの、適度な警戒も必要な状況が続いていることは確かである。
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