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景気に対する悲観論は後退か

 2月1日に発表された1月の米ISM製造業景気指数は、60.8と前月の58.5から上昇し、2004年5月以来の高水準となった。

 このISM製造業景気指数は、米供給管理協会が製造業約350社の購買担当役員にアンケート調査を実施し、1か月前と比較して、「良い」「同じ」「悪い」の三者択一の回答を元に、季節調整を加えた景気動向指数を作成したもので、景気転換の先行指標として重視されている(拙著「ネットで調べる経済指標」より)。

 内訳となる雇用指数や価格指数についても重視されているが、雇用指数は米国経済指標で最も注目されている指標のひとつである雇用統計の動向などをこの数字からも連想されるためであり、また価格指数は物価動向も見る上で参考にされる。

 その雇用指数については前月の58.9から61.7に、価格指数についても72.5から81.5に上昇している。これらはFRBの金融政策のスタンスを見極める意味でも注目されている指標のひとつでもあり、FRBの景気認識に影響を与える可能性がある。

 また、マークイットが1日に発表した1月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は57.3となり、速報値の56.9から上方改訂された。

 このように欧米については製造業を主体に景気が予想以上に回復を見せている兆しがある。日銀の白川総裁は1月26日の記者会見で、「海外経済は、新興国・資源国が高成長を続けているほか、一時期強まった米国経済の先行きに対する悲観的な見方も後退しており、海外経済の成長率が再び高まりつつあります」と述べている。これにより、輸出は、先行き再び緩やかに増加していくというのが日銀の判断である。

 2月14日に2010年10~12月期の日本の国内総生産(GDP)の実質成長率が発表されるが、平均で0.5%のマイナス、年率換算で2.0%程度のマイナスとなり、5四半期ぶりのマイナス成長となることが予想されている。このマイナス要因のひとつに、半導体など情報関連財の在庫調整局面入りを背景とした輸出の伸び悩みが指摘されているが、「情報関連財の在庫調整についても、世界的にIT関連需要が堅調に推移するもとで、着実に進捗していくことが見込まれます」と白川総裁は会見でコメントしている。

 また、エコカー補助金の終了に伴う自動車の駆け込み需要の反動減の影響についても、白川総裁は「自動車の販売動向、生産指数の動き、企業からのヒアリング情報などを踏まえると、徐々に薄まっていく方向にあるとみられます」としている。

 このように、どうやら10~12月期の景気の落ち込みは一時的なものとなりそうで、14日に発表されるGDPに対し、市場は過去の数値としてあまり反応しない可能性が高い。

 エジプトの政情不安にともなう原油高、さらに円高などが景気回復の足かせとなる懸念もあり、不透明感が強いことは確かである。しかし、日本の景気は欧米の景気回復とともに1月以降は回復を示す可能性が強まりつつあり、悲観論が徐々に後退しているように思われる。


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by nihonkokusai | 2011-02-03 08:47 | 景気物価動向 | Comments(0)
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