日本の財政悪化をあらためて確認
一般会計歳出に占める主要経費の割合の推移を見ると社会保障関係費の伸びが突出しており、2009年度が16.6%、2010年度が19.7%、2011年度が31.1%となっている。また、長期金利が低位安定していることである程度抑えられている国債費についても、20.7%、24.0%、23.3%と高い割合を示している。
新規財源債を今年度以下に抑えたものの、44.3兆円規模の発行は2009年度、2010年度に次ぐ過去3番目の大きさとなっている。そして、国債発行額が税収を上回るという異常事態も3年目となる。
また、事業仕分けなどに取り組んでいるものの歳出削減については、聖域と化している社会保障費に手を付けない限り大幅な削減は望めないことも明白である。また、社会保障費に関してはその増加額は本来、消費税増税で補填するはずであったが、増税は先送りされた結果、歳出だけが伸びてしまう状況となっている。
国債費については、そのもとになる国債残高が年々膨らんでいる以上、今後も歳出に占める割合が大きくなるとともに、同じ金利上昇幅に対してその費用は拡大する傾向にある。つまり、今後もし長期金利が大きく上昇するようなことになれば、当然ながら歳出に占める国債費の割合が大きく増加することになる。
そして公債残高のGDP比は180%台となっているが、OECDによる債務残高の国際比較によると2011年は日本が204.2%、米国が98.5%、英国が88.6%、ドイツが81.3%となっている。欧米諸国も増加しているが、その大きさについては日本が突出していることに変わりはない。
もちろん日本の債務悪化については今に始まったことではない。しかし、新規国債の発行額の推移を見ると1998年に大きく増加しそのステージは2008年あたりまで続いていたが、ここ3年の増加は新たな規模でのステージを形成してきている。これはリーマン・ショックなど金融危機による影響が大きいことは確かであるが、債務規模の膨らみ方がその分大きくなっている。
すでに個人の金融資産については増加は頭打ちとなっている。また、企業の金融資産は増加しているとは言え、これらで賄える国債の量にも自ずと限度はある。それに対して今後も毎年40兆円から50兆円もの新規国債を発行し続けられること自体が奇跡に近い。もちろん、日銀のオペなどで吸収される分も含めれば市中への負担はその分限られようが、それでも減るのではなく増える状態にあることで、危機的なレベルに向けて増加してきていることに間違いはない。
これに対して、何をすべきかは明白であるがそれができていないのが実情である、事業仕分けも重要であろうが、それ以上に社会保障費の増加を抑える必要がある。また、本来約束されていたはずの消費税増税により、少しでもその増加分を補うことも必要であろう。さらに財政政策に頼ることなく税収増を図る施策も求められる。これもまた非常に難しいものではあるが、1997年の財政危機以降の韓国の経済回復など、ひとつの事例として参考になるのではなかろうか。また、歳出削減については最近の英国の動向など良い事例となるのではなかろうか。いずれにしてもそれをしなければならないのは政府である。
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