「ベルギーの国債発行に注意も」
ベルギーでは6月の選挙以来、政局が定まっておらず、9月3日に社会党のディルポ党首が主導する政権協議が決裂し、政党間の連立交渉が失敗した。これを受けてベルギー国債のドイツ国債に対するプレミアム(上乗せ金利)が上昇している。ベルギー10年国債のプレミアムは64ベーシスポイントから、その後41%も拡大し、90bpに達した。アイルランド国債のプレミアムもこの間に413bp拡大したが、そのペースは21%とベルギーほど急激ではなかった(ブルームバーグ)。
ベルギーは公的債務残高のGDP比率が97%と、イタリアの116%とギリシャの115%に次いで3番目に高い。これまでPIIGSと呼ばれているポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインにどうやらこみに今度はBが加わりそうな気配となっている。勝手に想像するにPIGBISとでもなるのであろうか。
ちなみにベルギーと言えば、日銀設立の際のモデルとしたのがベルギーの中央銀行であるベルギー国立銀行である。これは日銀創立の立役者である松方正義が1876年にパリを中心に滞在していた際にフランス蔵相レオン・セーから、日本が発券を独占する中央銀行をもつべきこと、さらにそのモデルとしては歴史あるイングランド銀行などではなく比較的設立が新しいベルギー国立銀行が良いのではないかといった助言を得ていたことによる。