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「債券相場は目先、調整入りした可能性も」

午前中にアップした「債券相場は目先、調整入りする可能性も」は来週の予想を書いたものであったが、どうやらその懸念がすでに強まった感がある。27日の債券相場は後場に入り下げ足を早めた。

現物債は長期債、超長期債主体に急落の展開となり、10年債利回りは一時前日比+0.080%の1.015%まで上昇し、1%台を回復した。また、20年債利回りは一時、同+0.140%の1.705%となるなど急落の展開となった。これを受けて債券先物も一時前日比46銭安の142円36銭まで下落した。

売り手はこれまでの最大の買い手の銀行勢のようである。菅首相の円高対策の表明により株式市場が上昇したためとの見方もあるかもしれないが、あまりその円高対策には期待は持てない。それ以上に懸念すべきは小沢氏の民主党代表選への出馬であろう。

報道などによればいまのところ代表選の行方は五分五分との見方ではあるが、選挙に長けた小沢氏であり、小沢グループと鳩山グループだけでも数の上では優位に立っているとみられる。国民感情からは金まみれの小沢氏で良いのかとの議論もあろうが、政権与党の立て直しには菅氏よりも小沢氏が適しているともみられるだけに、恐いものの一度任せてみても良いかとの意識に今後変化してくる可能性もある。

債券相場に取っては、小沢氏が有利となれば、財政再建に傾いていた菅氏から、再び財政拡大路線への変更となることが当然予想される。民主党の当初のマニフェストの内容が実行されるとなれば、財源は国債の増発とならざるを得ない。ただし、これにより国債市場が小沢氏に警鐘を鳴らすようなことになれば、仮に小沢首相が誕生しても闇雲に国債を増発させるようなことはないかもしれない。しかし、債券市場では今後、ここにきてほとんど意識されていなかった財政悪化リスクが再び顕在化してくることは確かであろう。

過去2度に渡り長期金利が1%割れとなった際には、その後債券相場の急落を迎えた。今回も長期金利は1%を一時割り込んだが、どうやら今後の債券急落の可能性もありそうである。今年に入っての債券相場は4月あたりからほぼ一本調子の上昇となり、調整らしい調整がなかった。ここで調整し、その後いったん戻りがあって、その後本格的に調整が入ってくる可能性もある。ただし、それには米債も調整局面入りしないと難しいともみられ、今後の米債の動きにも注意したい。

足元の相場としては、菅首相は日銀総裁が帰国後に会談するとも伝えられ、日銀による追加緩和の可能性もあり、中期債などは比較的しっかりしてくる可能性はあるが、イールドカーブそのものはスティープ化圧力が加わりそうである。
by nihonkokusai | 2010-08-27 18:29 | 債券市場
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