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「財務相会見で円高が進行した理由」

本日、外為市場では午後4時過ぎに、ドル円が84.72円を下回り、15年ぶりの安値を更新した。この円高進行を受けて、野田財務相は午後5時に記者会見を開き、「為替相場の過度な変動、無秩序な動きは経済に悪影響がある。細心の注意が必要」とし、「マーケットの動きには重大な関心をもって極めて注意深く見守っていく」と述べたそうである(ロイター)。

そして、政府としての政策対応については「マーケット動向を重大な関心をもってウオッチしていくことが肝要」と述べ、為替介入については「コメントしない」とこれまで通りの発言を繰り返した(ロイター)。

この発言を受けて、外為市場ではさらに円買いが進行し、5時10分頃にドル円は84円16銭近辺まで円高ドル安が進行した。財務相がわざわざ会見を開く以上は、何かしらの円高対策についてのコメントがあるのではないかとの期待というか警戒があったが、結局、肩透かしに会い円高を加速させることとなった。

何もしないよりも、少なくとも財務相は関心をもって市場の行方をチェックしていることを伝えることで、市場にインパクトを与えることが可能との認識での会見であったのであろうか。それならば無理に開くよりも、財務相のコメントを手短に市場に伝えるだけで十分である。わざわざ記者会見という場を設けたにも関わらず、従来の発言の繰り返しではむしろ市場の失望を招くだけである。

民主党の代表選や来年度予算に絡んで、政府が動きにくい状況にあることは確かである。さらに為替介入についても欧米との協調介入は難しく、単独介入ではむしろ円高を促進させる結果ともなりかねない。

もし会見を開くのならば、市場に向けてのアナウンスメント効果をかなり意識しての発言内容とすべきである。そのあたりのさじ加減は難しいものがあるが、日本の足元経済やデフレの状況をあらためて強調し、ドルやユーロに対して円の強さの背景には具体的な根拠が乏しいことなどを力説するという手もあるのではないか。

また、日銀との連携についても自ら進んで水面下で接触し、形式的なものだけでなく実際にも協力している姿勢を見せる必要があるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2010-08-24 19:01 | 景気物価動向 | Comments(3)
Commented by 株式勝男 at 2010-08-25 17:18 x
今日も日経平均下げていますね。
円高株安、どうするんでしょうね?
日銀や政府にはインパクトのある政策を期待したいものです。
勉強させてもらいました。 ありがとうございます。
Commented by たいようぱくぱく at 2010-08-26 03:34 x
たとえそれが形式的なものであったとしても、協力姿勢を見せたら、もっとやれ!的な突き上げを食らうんじゃないか?と当局側は考えているのではないのでしょうか?
だからこそ、やらない。という消極的な結論に至っているように見えるのですが。
Commented by nihonkokusai at 2010-08-26 18:43
たいようぱくぱく さんのご指摘、ありうるかもしれませんね。昨年12月時ほど当局は積極的ではないとの観測もありますし。とりあえず「関心」を持っていることは示しておく必要があったということでしょうか。
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