「連日の臨時の決定会合の噂」
市場では噂で買って事実で売るとの格言もあり、噂の段階で債券や株、そしてドルなどを買っていた向きもあるのではなかろうか。債券先物は143円台をつけ、2年債利回りは0.110%、5年債利回りは0.250%に低下し、追加緩和を織り込みにきている。
10年債利回り、つまり長期金利も0.9%まで低下している。しかし、この水準は2003年6月の0.4%台に比べればまだ高いといえば高い。それだけ今回は2003年のVARショックを教訓としての警戒心を強めている結果でもあろう。それでも米債高などもあり、投資家はさらに高いところを買ってこざるを得なくなり、その結果として2003年6月の相場を繰り返す可能性も否定はできない。まあ、相場にまったく同じような展開が繰り返されることはむしろ考えづらく、今回は2003年の際とは違う結末が待っているような気もする。
日銀は首相と日銀総裁の会談を前に果たして動くのか。昨年12月と今回では微妙に空気も違っている。9月の民主党代表選を控えており、政府は経済対策よりもそちらの動向に目が向かいがちになっている。だからこそ日銀への期待を強めることにもなりかねないが。
さらに財務大臣が当時の藤井氏ではなく野田氏に変わっている点にも注意したい。野田財務相が日銀との調整役になっているのかどうか。さらに菅首相は前財務相でもあることも影響がありそうである。どのような動きになっているのか想像の域を出ないが、あくまで個人的な見方としては、日銀が臨時の会合を開くまでの状況には、まだなっていないとも思うのだが。