「渡辺氏、日銀総裁に公開討論を求める」
この3人の政治家は所属政党は自民党とみんなの党に分かれているものの、現状の日銀の金融政策については批判的な意見を繰り返し述べている。ある意味、アンチ日銀の急先鋒とも言える。この3人が所属政党を乗り越えて、手を結んだことには今後の政局の流れにも微妙な影響を与えそうである。
同文書では、3氏は「わが国経済の置かれた環境を一顧だにしない無策と判断している」と批判し、その上で「(討論会の)日時、形式は日銀の意向を尊重する。遅くとも、次回の政策決定会合までには必ず開いていただきたい」としている。
3氏は、文書を通じて「物価上昇率は依然としてマイナスのままであり、デフレ脱却の気配はみえない。こうした状況を打開するためには、CPI上昇率2%程度の物価安定目標を設定し、その達成のために20兆円規模の量的緩和が必要」と主張している。
白川総裁も以前に指摘していたように、ある意味時代遅れのインフレターゲット論者による強行意見とも言える。デフレの責任を日銀に押し付け、その効果が疑問視されている量的緩和策の再導入を提案している。20兆円の数字にどのように理由があるのか。そもそもそれでどのように物価上昇に波及そせられるのか。その意味では確かにその公開討論は面白いかもしれない。理論武装では日銀にはかなうまい。しかも、相手が「現場」とともに金融理論に精通している白川総裁である。白川総裁はここはいつものおとなしいスタイルを改め、真正面でこの3人とぶつかり合ってほしい。日銀法改正まで言及している渡辺氏だが、その意見が本当に正しいのか、この公開討論をみた国民があらためて判断を下してきるのではなかろうか。