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「政府・市場を意識したバーナンキ発言」

バーナンキ議長は21日の上院銀行委員会での証言で、「経済見通しが依然異例なほど不透明であることも認識している」と発言した。さらに「物価安定を念頭に置きつつ、米国の潜在生産力のフル稼働状態への回復を後押しするため、引き続き必要に応じて一段の措置を講じる用意がある」と述べた。

質疑応答では、追加の緩和策としてどのような措置があるのかとの質問に対して、モーゲージ債償還益の再投資、債券の追加買い入れ、過剰準備に付与する金利の引き下げなどを選択肢として挙げた。さらに経済情勢を踏まえると異例の低金利を「長期間」維持することが正当化されるとの見通しを示した。(ロイター)。

バーナンキ議長のこの発言を受けて、21日の米国債券市場では長い金利主体に低下圧力がかかった。追加緩和の可能性に触れたことに加え、時間軸を意識した発言があったことで、10年債利回りは一時2.86%近辺まで低下し、2年債利回りも過去最低水準の0.556%に低下した。10年債利回りの低下幅が大きかったことにより、2年と10年債利回り格差は一時230bpと2009年9月以来の水準にまで縮小した。

バーナンキ議長はデフレについては、懸念要因になるとは思わないと述べたものの、抑制されたインフレが続くと予想していると述べていた。今回はデフレ圧力を意識しての時間軸効果を意識した発言と言うよりも、雇用の回復の遅れや消費者マインドの低下などが意識された上で、不透明という言葉を使ったものとみられる。

ただし、今回のバーナンキ議長の議会証言では、景気刺激策からの出口戦略に関する部分がその多くを占めていた。出口戦略の選択肢としては、米国債の償還資金を短めの債券に再投資することや、住宅ローン担保証券(MBS)の売却、銀行がFRBに預けた1兆ドルの支払準備に対する金利の引き上げなどを挙げていた。

あくまで軸足は景気回復を念頭に置いているものの、景気の先行きには不透明要素も強いことで、追加緩和の可能性も選択肢に置いておくことを示し、議長による慎重な対応姿勢は市場に一定の安心感を与えようとしたものと思われる。さらに、時間軸を意識した発言で米国債券市場は予想以上の反応を示したものとみられる。

スペース配分をみれば出口戦略を意識しているのは明らかながら、政府やマーケットも配慮しての追加緩和や時間軸を意識した発言とも捉えられる。半身の姿勢にいることで、フレキシブルな対応も可能であることを示したのであろう。それはつまり、突発的なことがない限り、当分の間は金融政策については様子見姿勢を継続するとも捉えられよう。
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by nihonkokusai | 2010-07-22 11:39 | 景気物価動向 | Comments(0)
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