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「S&Pによるジャンク等級へのギリシャの格下げによる影響」

 格付会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、ポルトガルの長期ソブリン発行体格付けを従来の、A+からA-に2段階引き下げた。S&Pは、高水準の債務に対処していくポルトガルの能力への懸念を表明(ロイター)。また、見通しは、将来の追加格下げの可能性を示すネガティブとした。

 ポルトガルの格下げを発表した数分後に、今度はギリシャの格付けを従来のBBB+からBB+まで、一気に3段階引き下げたとS&Pは発表。この格付はジャンク(投資不適格)等級となり、見通しもポルトガル同様にネガティブとした。これにより、新たなギリシャの格付けは、アゼルバイジャンやエジプト、ルーマニアなどと同水準となる。 ギリシャの格下げは、高水準の債務問題に対処していくために必要な改革実施能力への懸念が理由(ロイター)。

 これを受けて27日のギリシャの2年物国債利回りは18%を超えて、10年債利回りは10%を上回った。これに対して、ドイツ連邦債に対しては質への逃避買いが膨らみ、2年物の利回りは40年間で最低となる0.761%に低下し、10年物のギリシャ国債とドイツ連邦債の利回り格差は、7%以上に拡がった(ロイター)。

 ここにきてギリシャ国債の下げがかなり厳しいものとなっていたが、もちろんこの背景にはギリシャの財政悪化があるが、こういった格下げも懸念されていた可能性がある。

 これを受けて米国市場では米国債にもドイツ連邦債と同様に質への逃避による買いが入り、10年債利回りは前日比0.11%低い3.69%、2年債利回りは0.10%低下の0.95%となった。

 米株式市場はほぼ全面安の展開となりダウ平均は前日比213.04ドル安の10991.99ドルに。また、外為市場ではリスク回避の動きから低金利の円が買われ、ユーロ円は122円80銭近辺、ドル円は93円20銭近辺に。

 民主党の小沢幹事長が起訴相当との検察審の議決を受け、政局の不透明感が強まった。この報道による昨日の市場の反応はやや鈍かったものの、今朝の朝刊一面トップを飾ったこともあり、5月政局があらためて意識され、これも株式市場売り要因に。

 本日の東京株式市場は米株の急落、円高、国内政局などの材料から大きく下落してのスタートに。日経平均先物は前日比310円安の10900円で寄り付いた。

 米債高や株安を受けて、本日の債券市場では朝方に10年306回債は債券先物の寄り前に前日比-0.025%の1.280%で出合いとなり1.3%割れに。長期金利の1.3%割れは3月2日以来となる。

 また、債券先物の建て玉は昨日の速報ベースで前日比2737億円増加の7兆7941億円に増加した。4月13日の6兆2332億円から増加し続けている。手元のデータでは中心限月としては2008年9月以来の高水準。ギリシャの国債の下落などから、海外投資家があらためて買いポジションを積み上げた可能性がある。

 とりあえず、日本円や日本国債は安全資産として買われているようではあるが、そこまで信認してもらって大丈夫なのであろうかという疑問も少し残る。5月政局の可能性も強まったが、仮に鳩山辞任とならなければ麻生前首相のように先送りするほど内閣支持率は下がり続け、民主党にとって最悪のタイミングで参院選を迎える結果とならなくもない。菅財務相は財政再建に前向きの姿勢を示しているが政局次第ではこの財政再建の行方もどうなるのかわからない。

 ギリシャの財政問題はポルトガルに飛び火し、さらにスペインなどに広がる恐れもある。ユーロ圏でのソブリンショックが、世界の金融市場に影響を与え始めていることも気掛かり。日本国債も決して対岸の火と見ているわけにもいかない。
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by nihonkokusai | 2010-04-28 10:45 | Comments(0)
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