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「Debt-to-GDP ratio」

 昨年末に出席させていただいた「平成22年度予算等に関する説明会」大串政務官が何度も使っていた用語が、Debt-to-GDPであった。Debt-to-GDP ratioとは政府債務の対GDP比である。

 菅直人副総理兼財務相は3月16日の参院財政金融委員会で、今すぐプライマリーバランスの目標を立てるにはやや早すぎるとし、まずは(公的債務残高の)GDP比の安定を目指すと述べた。ということは、6月に向けてまとめる財政再建に向けた目標は、公的債務残高の対GDP比ということになるのであろうか。

 ユーロ導入時に締結された財政安定化成長協定では、ユーロ導入後のインフレ抑制のために、参加各国の財政赤字を対GDP比3%、政府債務残高を同60%以内に抑制することが定められている。この財政赤字の対GDP比3%、政府債務残高を同60%というものがひとつの目安になる。

 OECDの2009年12月時の「Economic Outlook 86」によると2009年の対GDP比の財政赤字は日本が8.3%、米国が11.6%、英国が13.3%、ドイツが5.3%などとなっている。また、1997年に財政黒字となったカナダも2009年には4.8%の赤字となっている

 単年度で見た対GDP比の財政赤字では主要国で最悪とされる英国でも、やはり財政再建策が大きな焦点となっている。2010年以降の4年間で財政赤字の対GDP比率を半減させることを目指しているが、財政再建への道はかなり厳しい。

 2009年度の債務残高の対GDP比をみると、日本は189.3%となっており、イタリアの127.0%をも大きく上回りG7諸国の中で最悪の水準となっている。米国や英国も急速に悪化し、米国は83.9%、英国は71.0%となっているが、日本と比較すればまたまだ少ない。

 経済協力開発機構(OECD)の2009年12月時点でのまとめによると、日本の一般政府ベースの「純債務」のGDP比率は2010年に104.6%と初めて100%台に乗せるとともに、イタリアの100.8%を抜いてG7諸国中最悪となった。他のG7諸国では米国が65.2%、英国が59.0%、ドイツが54.7%、フランスが60.7%、カナダが32.6%。注目されているギリシャは2010年は94.6%だが、2011年予測では101.2%となり100%台入りする。

 すでに日本は総債務残高のGDP比率が1999年に先進国中最悪となっていたが「純債務」でも最悪となり、日本の財政が極めて深刻な状況にあることをあらためて示した格好となっている。

 国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高が2010年度末で、973兆1625億円に上る見通しなども示されているが、果たして6月に向けてまとめる財政再建に向けた目標はどの程度の数値になるのであろうか。

 繰り返しとなるが、ユーロの財政安定化成長協定における数値である財政赤字の対GDP比3%、政府債務(純債務ではなく総債務)残高の対GDP比60%が目安になるが、さすがにすでに200%近い政府債務残高の対GDPを60%に抑えるのはかなり難しい。目標としては英国の目標値と同様に、ある程度の期間内で(4年以上を想定か)、現状の半減となる財政赤字の対GDP比4%、政府債務残高の対GDP比100%あたりが目標値の目安となるのではなかろうか。それもかなり厳しい数字であることに違いはないが。
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by nihonkokusai | 2010-03-17 09:26 | Comments(0)
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