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財政健全化目標・新成長戦略と日本のソブリンリスク

 政府は6月初めを目途に「成長戦略実行計画」(工程表)を含めた「成長戦略」のとりまとめを行う予定としており、また中期財政フレームについても6月を目処にまとめる予定となっている。

 ギリシャの財政問題が深刻化している中、日本の財政に関しても危機的状況にあることは間違いない。日本における財政健全化が急務であるが、国債そのものが順調に消化されるなどしており、政府や国民はまだ深刻が危機意識は抱いていないようにも思われる。

 しかし、ひとたび財政悪化を理由に長期金利が跳ね上がってからの対策では遅すぎる。利払い費用がかさむだけでなく、国債発行そのものに支障が出てしまえば、日銀による国債の直接引き受けによるハイパーインフレが現実のものとなるリスクがある。

 そのためにこそ、行なうべきは税収が自然増となるための成長戦略とともに、安定的な税収を確保するための消費税の引き上げとなろう。税収の自然増に対してはデフレ体質の脱却が急務であるが、これは金融政策により頼るには限度がある。日銀に国債を引き受けさせてそれを元に財政出動するなどということは火に油を注ぐ結果となり、財政悪化とインフレを促進させかねない。政府紙幣といった手段も論外である。

 個人消費の回復には雇用の改善とともに将来に対しての漠然とした不安を取り除く必要もある。雇用を改善するにはさらなる企業収益の改善も前提となる。リストラ効果なども手伝って企業収益は改善傾向にあるが、その企業収益を雇用や賃金の上昇に結びつけられるだけの企業の体力改善を計る必要がある。

 成長戦略については、「カネ」に制限がある以上は「知恵」を絞る必要があり、規制緩和等を含めての構造改革が求められよう。ただし、それは単なるカネの使い道とかではなく、将来を見据えて国が豊かになりうる政策を打ち出す必要がある。これには日本の強いところを磨き上げるなどポイントを見据えた対応の必要がある。

 いまのところ債券相場の指標であるところの国債先物や長期金利は非常に安定した動きが続いている。しかし、政府による財政健全化目標・新成長戦略に具体性がないなどした際には、将来の財政懸念が強まり、それが国債価格に波及する可能性は否定できない。
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by nihonkokusai | 2010-03-10 13:53 | Comments(0)
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