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「野田日銀審議委員の警告」

 日本銀行の野田忠男審議委員は本日の大津市内の講演で「わが国の長期金利は1%前半で安定的に推移しているが、こうした水準を維持しながら、債務を増加させることを長期にわたって続けられる保証はない」と述べた(以下、ブルームバーグより)。

 1999年以降、日本の長期金利は10年以上にわたり2%以内での推移が続いている。だからといってこれからもずっと低位安定が続くという保証などない。政府債務の残高は年々膨れ上がっており、そのリスクは高まっていると言わざるを得ない。

 野田委員は「財政バランスの悪化が長期金利を上昇させ、金融政策の効果を減衰させるリスクにも市場の意識が高まっている」と指摘した。事実、ここにきて日本の財政悪化に伴う長期金利の上昇を警戒する声が市場内部からも聞かれるようになってきた。

 「事実、ユーロ圏加盟国の中で最も深刻な財政問題を抱えるギリシャでは長期金利が上昇した。財政の持続可能性への信頼がひとたび失われると、市場の評価が急落するリスクを如実に示している」野田委員。

 海外の投資家保有が大きな割合を占めるといわれるギリシャ国債と、国内資金で94%補っている日本国債とは状況が異なる。財政悪化による長期金利の上昇といったものは、海外保有の割合が大きいところの方が反応が早い。その分、対処も比較的早くなる。ところが国内でほぼ賄ってきた国の場合に、仮に国内資金で賄えないとなり財政問題が国債の価格下落に繋がった際には、そのショックはむしろ大きくなる可能性がある。

 野田委員も、日本が巨額の財政赤字を抱えながらも長期金利が安定している要因として、国債発行のほとんどが国内居住者による需要によって賄われていることを指摘したが、「今後の高齢化などの財政負担を考えれば、先行きもそれを賄うだけの貯蓄超過を国内だけで確保し続けていくことができるか不確実性がある」と述べた。

 まさしく同意である。このため政府には財政規律を守るために数値目標を含めて早期の対策を望みたい。危機が現実化してからでは対処のしようがなくなる恐れすらありうる。その結果、禁じ手の日銀による国債の直接引き受けが実施されれば、長期金利のパニック的な上昇すら招きかねない。
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by nihonkokusai | 2010-03-04 13:23 | Comments(0)
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