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「米国はトリプルA格付けを失う危険性はないのか」

ガイトナー米財務長官は7日に放映されたABCテレビとのインタビューで、格下げを懸念しているかとの質問に対し、米国は最上級の「トリプルA」格付けを失う危険性はない「絶対にない」と述べ、「そうした事態は米国には決して起こらないだろう」との見解を示した(ロイター)。

同長官は、世界の安定性に懸念が生ずるときはいつも世界の投資家は米国債とドル建て資産に向かうものだと述べ、これは米国と米経済の回復力に対する「基本的な信頼感」の表れだと指摘した(ロイター)。

米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週、今後10年間に見込まれる財政赤字の削減に向けて追加策が講じられなければ、米国債の格付けは将来的に下押し圧力にさらされるとの見方を示した。

果たして、世界の安定性に懸念が生ずるときはいつも世界の投資家は米国債とドル建て資産に向かうという図式はこれまで通りに通じるものなのであろうか。質への逃避先として米国債に資金が向かうことは確かかもしれないが、ドルそのものについてはやや動きが異なりつつあるように思われる。

また、米国債そのものも米国債の売却は考えたくなったとしても実行に移すことは考えにくい日本よりも、中国の保有が大きくなっている。対米関係を意識すれば中国が保有の米国債を手放すことは考えづらい。しかし、日本よりもそのあたりはフレキシブルのようにも考えられる。

日本国債についてはその94%が国内投資家の資金で賄われていることで格付会社の格下げの影響は受けにくい。しかし、海外投資家の保有比率が半分近くになっている米国債は格下げの影響をもろに受ける。世界経済への影響も大きい。

格付会社大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスもS&Pも米国の会社である。日本国債をこのムーディーズとS&Pが格下げした際に、国内の格付会社は日本国債の格付は最上級を維持したままであった。同様に米国債をムーディーズとS&Pが格下げすること自体は考えにくい。

しかし、財政悪化の歯止がかからなければ、「絶対にない」という保証もないことも事実であろう。しかし、財政悪化の歯止という面では日本の方がブレーキがかかりにくいことも確かである。まずは米国で財政悪化の歯止に向けての姿勢を示し、行動を伴うことで、米国債の格下げという事態米を国には決して起こさないようにすべきである。もちろんこれは日本も同様であろうし、財政悪化は日本の方がひどい状況になっている。日本の財務大臣が格下げなど「絶対にない」といえるような状況を生み出すことがまず求められる。
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by nihonkokusai | 2010-02-08 10:51 | Comments(2)
Commented by 348ts at 2010-02-09 18:18 x
格付けって何なんでしょうね。
会計士による財務諸表監査のような投資家保護のための仕組みではないのでしょう。
相当恣意的な格付けがなされているように思えます。

しかも誤ったレイティングをしても責任を負う必要もない。
金融不況を作り出したサブプライムローンを取り込んだ金融商品もみなトリプルAでしたものね。

ポンドや米ドルが最上級格付け維持というのは明らかに異常ですが、みなバイアスとか圧力?を考慮済みなんでしょうかね。
Commented by nihonkokusai at 2010-02-10 10:02
特にソブリンなどの勝手格付については、あくまでひとつの企業の解釈という認識で良いのではないでしょうか。ただ、サププライム問題でも格付の問題が議論されましたが、大きな問題を抱えていることも事実かと思います。
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