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S&Pは日本ソブリンのアウトルックをネガティブに変更

26日の大引けあとに、格付会社のS&Pは日本ソブリンのアウトルックを「ネガティブ」に変更した。ただし、長期・短期ソブリン格付けは、外貨建て、自国通貨建てともに、それぞれ「ダブルA」「A-1プラス」に据え置いた。個別債務の長期・短期格付け(「AA/A-1+」)も据え置いた。

スタンダード&プアーズは、日本の経済政策の柔軟性が縮小しており、財政圧力・デフレ圧力を食い止める対策がとられなければ、格下げになる可能性があると指摘した。

そして、日本の一般政府債務残高の対国内総生産(GDP)比率は2010年3月末時点で100%に達する見込みであり、日本はスタンダード&プアーズの格付け先ソブリンのなかで一般政府の債務負担がもっとも重いグループに属しているとしている。この場合の一般政府債務残高の対GDP比率は純債務のGDP比率とみられ、経済協力開発機構(OECD)の2009年12月時点でのまとめでも指摘されていたものである。

さらにスタンダード&プアーズは、民主党政権の政策では財政再建がスタンダード&プアーズの従来の予想より遅れるもようであるとしている。一連の社会政策が中期的な経済成長見通しの向上を見込みにくいものであることや、デフレ圧力が根強いことも勘案すると、日本の一般政府債務残高は今後数年で対GDP比115%に達する可能性が高いとみていると指摘した。

このS&Pによる日本ソブリンのアウトルック変更に対して、菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は「民間格付会社の格付けに逐一コメントすることは控えたい」と冷静に受け止めたそうである。ただし、今年前半に策定する「中期財政フレーム」や「財政運営戦略」などで財政再建の道筋を明確にすることが重要と訴えた(ロイター)。

債券市場でも格付会社による日本国債の格下げ等の影響はこれまでも限定的であり、今回も26日の債券先物が139円38銭と当日高値で引けたあと、このアウトルック変更の発表を受けて、イブニング・セッションでは売りが入ったものの139円20銭まで。その後139円30銭に戻していた。

ただし、債券市場に影響はなかったのは、日本ソブリンのアウトルックがネガティブに変更されても違和感がなかったことにもある。つまりすでにこういったことも織り込み済みであったともいえる。
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by nihonkokusai | 2010-01-27 09:11 | Comments(0)
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