「リーマン・ショックは台風か地震か」
今回の台風の進路については、多少予想と違った動きもあったが、それでも予想に近いコースを辿ったといえる。実際の被害は想定できなくとも、この影響に対しての備えをすることはできるし、メディアを通じて動きも把握できる。
これに対して地震は予測が難しい。せいぜい数十秒前の予想が現在の技術でも限度一杯である。ただし、突如として起きる地震もそれまでにエネルギーが地下に蓄積されていたはずである。その動きが読めないことで、予測を困難にしている。
このように比較すれば今回のリーマン・ショック後の世界経済への深刻な打撃は、起きる場所や震度が事前に読みづらい巨大地震が起きた際と似通っている。巨大地震はいったん起きてしまえば、同じような規模の被害を発生させるような地震が再度起きる可能性は非常に少なくなる。もちろん余震は残ろうが、これには事前の備えも可能であるし、規模が最初の地震を上回ることは考えづらい。
したがって、余震には気をつけながらも、地震発生後はいかに迅速な復旧を目指すかである。現在、米国では商業用不動産価格の急落による影響なども懸念されてはいる。しかし、それによる金融機関などへの影響は、たとえ大きくになったとしても、すでに事前の予測されていることであり、対応は可能である。当局も注意は怠っていないとみられ、リーマン・ショック時のような金融システムが混乱するなどの状況が再発することは考えにくい。
問題は大型地震後の復興の度合いであろう。日本での過去の震災では被害規模の違いもあるが、時代を遡るほど復興に時間もかかっているように思われる半面、年代が遡るにつれ復興の度合いが早くなっているようにも思われる。もちろん完全に復興するためにはそれなりの時間もかかろうが、今回のリーマン・ショック後の復興について、過去の大恐慌時などと同様に長引くと考えることにもむしろリスクがあるのかもしれない。


