「オーストラリア準備銀行が利上げ」
オーストラリアの経済は先進国で唯一、景気後退を免れたとされ(日経新聞)、スティーブンス総裁は声明で、オーストラリア経済の深刻なリスクもなくなり、金融政策による刺激策を徐々に終わらせる時期に来たとコメントした。
予想以上に堅調な経済を背景に、中銀は例外的な刺激策をある程度解除することを決定したともロイターは報じ、これにより昨年のリーマン・ショックに伴う金融危機の発生以降、RBAは先進国中で最初に利上げに踏み切った中央銀行となる。RBAの利上げは2008年3月以降1年7か月ぶりとなり、この間、RBAは合計4.25%の利下げを実施している。
日銀がCPと社債を市場から買い取る措置を年末で打ち切る検討に入ったと報じられことに対し、「日銀は寝言言うな」と出口を甲羅で封じ込めようとしたのか亀井金融担当相の発言もあったが、日本では出口論を口に出すだけでもかなりの抵抗がある。
亀井氏は過去にも日銀の金融引き締めに対し噛み付いたことが多く、現在は金融担当相という立場が微妙だが、今回は民主党政権を代表してのコメントというよりも個人的なコメントである可能性が強い。実際に今回の日銀の動きに対し、他の民主党幹部がどのような見解を示すのか、日銀と新政権の距離感を測る上でも注目される。
オーストラリア準備銀行の動きが、世界的な動きに波及してくるのか。もし出口戦略が徐々に講じられてくるとなれば、金融緩和時と違い金融引締時には政府の反発を招くことが多い。このため、これからが中銀の腕の見せ所ともいえる。