「日本の財政に不安」
インターネットを使ったアンケートということで、やや年代層に偏りが出る可能性もあるが、それでも日本の財政について7割近い国民が不安を感じているとの結果は注目すべきであろう。民主党政権となっても、藤井財務相が財政規律を重視する姿勢を示したのも、こういった国民の意識を受けてのものであろう。
この財政に不安を感じている国民層が、果たして国債の信用度をどのように認識しているのかにも興味がある。財政悪化イコール国債暴落といった意識が強いのか。そうであれば国債の発行が順調に行なわれ、国債の価格の裏返しとなる長期金利が低位安定している事実をどのように理解しているのかも聞いてみたいところ。
また、税金や社会保険料の「負担」と「受益」の関係については「負担ほどは公共サービスは受けられない」(89%)との回答が「負担以上に公共サービスが受けられる」(2%)との回答を大きく上回ったそうである。75%の人は「現状のまま財政赤字を放置すると現在の社会保障制度は維持できない」と認識していることも明らかとなったとか。これは消費税増税も意識してのアンケートのように思われるが、日本の財政悪化の中での、日本の将来を考えれば消費税増税はある意味不可避であろうとの認識も強いように思われる。
財政赤字の理由については(複数回答)、「無駄遣いが多い」(72%)、「国の政策が失敗している」(52%)との回答が多かったそうである。今回、民主党政権が「無駄遣い」をどの程度、ピックアップできるのかも興味深い。
そして、財務省のイメージ(複数回答)については、40~50%が「国民のことがわかっていない」「責任感が不足している」との厳しい認識が示されたとか。財務省の方々にいろいろお世話になっている私自身は全くそういったイメージはないが、国民の認識がこのようなものであるということは気に留めておく必要もありそうである。