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「今週の債券相場の見通し」

 7日に発表された7月の米雇用統計では、失業率が9.4%と予想外の低下となったが低下したのは1年3か月ぶりとなる。そして、非農業部門雇用者数は24.7万人減と予想の33万人減程度を下回った。これを受けて、気の早い市場関係者の間では、米利上げ時期が年内に早まるのではないかとの観測も出たようである。

 今週は米FOMCが開催されるが、今回は政策金利は実質ゼロ金利を維持してくるとみられる。注目はFRBによる米国債の買い入れ継続の有無となりそうである。FRBは最大3000億ドルの米国債を買い入れる方針を示してきたが、8月5日時点で既に2370億ドルを購入しており、このペースが続くと行けば9月には3000億ドルの枠を使い切る可能性がある。

 6日の金融政策委員会でイングランド銀行は英国債などの買い取り枠を現行の1250億ポンドから1750億ポンドに拡大したが、FRBも同様に買い入れ拡大をアナウンスしてくる可能性もないとは言えない。9月のFOMCが22~23日に予定されており、仮に拡大するならば今回アナウンスしなければ時間的に間に合わないためである。ただし、金融環境の改善などにより、もしかすると延長のアナウンスがない可能性も指摘されていることで、FOMCの結果には注意が必要か。

 10日から11日にかけては日銀の金融政策決定会合も開催される。輸出と生産の回復が顕著になるなどしており、日経平均株価も1万円台で堅調に推移していることなどから、金融政策に関しては現状維持となるとみられる。ただし、企業収益の低迷により雇用や所得環境に関しては厳しさを増していることもあり、景気判断についてはさらに修正を加えるかどうかは不透明である。

 今週の注目材料としては、11日から13日にかけて予定されている米国債入札もある。3年債で370億ドル、10年債で230億ドル、30年債で150億ドルと発行額は過去最大規模となる。これまでのところ米国債の入札はさほど大きな波乱もなく今回も無難な結果が予想されるが注意も必要か。

 債券相場は米国債の入札等を受けての米国債券市場動向とともに、堅調さを維持している東京株式市場の動向を見ながらの展開が予想される。ただし、夏休みを取る市場参加者も多くなるとみられ商いは閑散となり、次第に動きが鈍くなりそうである。
by nihonkokusai | 2009-08-10 09:44 | 債券市場
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