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「景気下げ止まりの原動力」

 昨年9月のリーマン・ショック以降の世界的な金融・経済危機により、日本経済は金融面での打撃は欧米などに比べ限定的であったものの、経済への打撃は欧米以上に大きなものとなった。これは日本経済が輸出依存度が高かったことに加え、それまで好調さを保っていたトヨタなど自動車メーカーやパナソニックやソニーなど電機メーカーの業績が大きく落ち込んだことが影響した。

 このため、日本経済の回復には日本経済に大きな影響力を持つ自動車メーカーや電機メーカーの業績回復が不可欠となる。このため、政府による経済対策の内容も、エコカー減税やエコポイント制度など、自動車業界と電機業界の回復を意識した政策が中心となっていた。

 ここにきて日本でも景気の下げ止まりが意識されているが、その原動力となっているのが、自動車や電気機械を中心とした輸出と生産の回復となっている点に注目すべきであろう。これについては日銀の山口副総裁も講演で指摘している。

 「自動車については、海外現地在庫を始めとする在庫調整の進捗などから回復傾向が明確化しています。最近では、4月から実施されている新車購入促進策を受けて、ハイブリッドカーを中心に増産の動きが拡がりつつあります。また、電子部品については、国内外での在庫調整が進んだことや、中国における内需刺激策などを背景に、春先頃より、海外からの受注が大幅に増加し、生産が持ち直しています。特に、薄型テレビ、携帯電話、パソコン向けの受注が回復しています。電子部品だけでなく、完成品の生産も、薄型テレビなどを中心に足もと増加しており、今後も、「エコポイント制度」による販売押し上げ効果などから、比較的堅調な足取りを期待する声が聞かれます」

 自動車や電気機械を中心とした輸出と生産の回復は、日本政府の経済刺激策が影響していることは確かである。たとえばプリウスの7月23日以降に注文を受けた3代目プリウスの納期が来年4月以降となるなど、爆発的なヒットとなっている。また、中国での大規模でスピーディーな経済対策が功を奏している側面もある。

 この勢いが継続するのかどうか、また自動車や電気機械を中心とした輸出と生産の回復が日本経済全体の裾野を広げた回復に繋がるかが、今後の焦点となる。日本経済の行方については、国内民間需要、つまり設備投資や個人消費については、企業収益の低迷が続き、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、引き続き、弱まっており、短観などからも明らかなように企業の設備投資計画も減少している点を山口副総裁も指摘している。、

 昨年秋以降の輸出の急減と大幅な減産の影響が、国内民間需要に遅れて波及し、雇用などに大きな影響を及ぼしている。しかし、輸出や生産が持ち直しの動きとなってきていることも確かであり、それが持続されればれ設備投資の回復にも影響し、また少し遅れて雇用面での回復にも影響を与えてくる可能性がある。あまり楽観的な見方も禁物であろうが、日経平均株価も上昇基調となり再び1万円台に乗せるなどしてきた現在、日本の景気回復への可能性を意識した見方も必要ではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-07-27 10:16 | 景気物価動向 | Comments(2)
Commented by 小林 哲人 at 2009-07-27 11:01 x
色々検索しておりまして、

日本経済で検索していたらここにたどり着きました。

とても興味深い記事を書かれていますね。

私の友人ですが、こちらも面白い記事を書いているので、是非遊びに来てくださいね。


Commented by nihonkokusai at 2009-07-27 13:11
コメントありがとうございます。
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