「米長期金利は3.55%に上昇」
昨日も、途中までは米国債はしっかりしていたものの、終わってみると急落していた。朝方は、3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数で全米20都市の価格指数が前年同月比マイナス18.7%と、市場予想以上の低下となったことから、住宅市場の回復には時間を要しそうと、米債は買いが入り、米10年債利回りは一時3.40%まで買われる場面もあった。
しかし、発表された5月の米消費者信頼感指数が54.9と事前予想を大きく上回り、これをきっかけに株式市場が大幅上昇となったことから、2年国債の入札の行方への警戒心もあって、米債は戻り売りに押された。
その米2年国債の入札の結果はむしろ良い結果となった。応札倍率は2.94倍と直近では高い水準となり、海外からの需要の目安となる間接入札者の落札も54%と5割を超え、中国含めてアジアからの入札が目立った。
しかし、今週はまだ27日の350億ドルの5年債入札、28日に260億ドルの7年債入札も控えており、今週の入札規模は総額1010億ドルとなるが、この規模の入札は今後も続くことも予想される。昨日はニューヨーク連銀による国債買い入れオペも実施され、インフレ指数連動債を15.5億ドルを購入したものの、今後の米国債の需給が意識され、またモーゲージに絡んだ売りや、長期金利の3.5%を意識したテクニカル的な売りも入ったとみられ、米債は引けにかけて急落し、3.55%と利回りでは当日の最も高い位置で引けた。これに比べて米2年債の利回りは前日比0.03%上昇の0.92%に止まり、2年と10年の利回り格差は2003年10月以来で最大となった。