速水優元日銀総裁が亡くなった。速水氏は1998年の日銀の不祥事による松下康雄総裁の退任により、当時の橋本首相より指名を受け、第28代日銀総裁に。1998年4月1日の新日銀法が施行された際の最初の総裁となった。1999年2月にゼロ金利政策を導入し、その後2000年8月のゼロ金利政策の解除に向けての政府・与党との攻防は、中央銀行と政府との関係のあり方を考えさせられた。2000年のITバブルの崩壊により、2001年3月に、無担保コールレートから日銀当座預金残高に操作目標を変更するという量的緩和政策を導入。2002年9月には金融システムの安定化のために金融機関の保有株式を日銀が直接購入することを決めた。そして、2003年3月に任期満了で退任し福井前総裁にバトンタッチした。仕事上だけでなく、個人的にも新日銀法施行以来の日銀のあり方に興味があっただけに、速水総裁時の日銀の動向については一冊の本も書かせてもらった。あらためてご冥福をお祈りしたい。