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「自民党が歴史的大勝」

9月11日に投票が行われた衆議院選挙では、自由民主党が絶対安定多数(269議席)を大きく上回る296議席を獲得し、公明党と合わせた与党全体の議席が総定数の三分の二(32議席0)を超す圧勝となった。

昔ながらの自民党では改革を叫んでも無理との認識から、多少でも期待できるかと民主党を支持していた基盤が、小泉首相の郵政民営化反対派への対応などを見て大きく揺るぎ始めた。改革するなら民主党しかないという選択から、自民党も改革ができるのではないかとの期待に変ってきた。

改革のネックとなっていた者たちが郵政民営化という篩いにかけられ落とされていった。しかも刺客を立てるなど改革を阻むものは許さじとの小泉首相の姿勢に共感する人たちが増加し、今回の自民党の大勝に繋がった。

この結果を受けて自民党は真の改革政党になれるのか。国民も厳しい目を持ってチェックしていかなければならない。改革は痛みが伴うし、その痛みは当然国民に向けられる。

これまでの道路公団や郵政民営化についても最後は妥協の繰り返しになっていた。本来ならば、骨抜きとか言われるものではなく根本的な改革を実行する必要がある。国民もそれをある程度許容しても良いというのが今回の答えであろう。自民党がこれまで築き上げた既得権益の構図をどこまで自ら打破できるのか。それが中途半端なものとなれば次ぎの国民の神託が待っている。
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# by nihonkokusai | 2005-09-12 12:52 | 国債 | Comments(0)

「TXレポート その5」

 首都圏新都市鉄道によると、9月1日から7日までの、つくばエクスプレスの乗客数は合計約76万人だったそうである。営業初日の8月24日から一週間は約105万人が乗車したが、夏休みも終わり、一般通勤、通学客が主体となったためと思われる。

 朝夕の通勤時間帯の混雑度はあまり変化はなかったように感じたが、家族連れなどは見かけなくなり、朝の秋葉原からの下り列車の乗客数もだいぶ減っていたことなどから、一日あたり10万人程度まで落ちたかなと勝手に推測していたが、実際には1日から7日までの一日平均は約11万人となったようである。目標まであと一日あたり2万人。学生など思いのほか少ないようにも感じられ、定期の切り替え時期などによってはTXへ乗り換えてくる人も今後は多少なり増えてきそうである。

 そういえば、TXに乗り込もうとしていた女子大生らしき二人連れが、ふと漏らした言葉にちょっとびっくり。「この電車だと、鳩ちゃんに会えないのよねえ・・・」。たしかに上野駅には鳩が多いが、ピカピカのTXの秋葉原駅には鳩はたぶんこないかと。しかし、秋葉原の地下駅改札近くに、雨漏り注意の張り紙を今朝見つける。「おおっ、上野駅に似ているじゃん」とも思ったが、これほどの地下で雨漏りって、なんか恐さも感じたのだが。
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# by nihonkokusai | 2005-09-09 14:45 | つくばエクスプレス | Comments(0)

「来年4月あたりか」

 日銀は9月の金融経済月報において、「先行きについても、景気は回復を続けていくとみられる。」とし、「一方、消費者物価の前年比は、需給環境の緩やかな改善が続く中、米価格のマイナス寄与が剥落していくことや、電気・電話料金引き下げの影響が弱まることなどから、年末頃にかけてゼロ%ないし若干のプラスに転じていくと予想される。」としており、この予想通りとなれば来年早々にも量的緩和解除の条件が揃いつつある。

 量的緩和解除にとっての絶対条件のひとつは、コアCPIがまずはゼロ以上になることである。年末にかけて特殊要因の剥落によりプラスなると日銀も予想しており、その可能性は極めて高いものと見られる。7月あたりからの可能性も考えていたがまだ前年比-0.2%となり、前年比プラス確認は 10月以降となりそうである。仮に10月の数値からプラスとなった場合、1月末の12月全国CPIの発表を見て3か月連続と確認されよう。

 問題はどの程度で今後プラスが継続していくと確認できるのかという面にある。これはCPIのプラス幅にもよるが期間としては3か月では物足りず、さりとて6か月ではやや個人的には待ちすぎになるかと勝手に予想する。そうなれば、3月末に2月の数値が発表されることで、仮に10月からプラスとなれば、5か月連続のプラスとなる。3月決算に大きな問題が生じなければ、それなりのプラス幅も確認した上で、4月に入ってからの金融政策決定会合において、量的緩和解除について検討されるのではないかと予想している。

 ちなみに今後の金融政策決定会合の開催予定は下記の通り。

2005年10月11日(火)・12日(水)、10月31日(月)、11月17日(木)・18日(金)、12月15日(木)・16日(金)

2006年1月19日(木)・20日(金)、2月8日(水)・9日(木)、3月8日(水)・9日(木)
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# by nihonkokusai | 2005-09-09 13:01 | 日銀 | Comments(0)

「ROKR(ロッカー)」

 噂されていたiPodの機能がついた携帯電話が発売されるそうである。アップルはモトローラと音楽プレーヤー一体型の新携帯電話を共同開発したことを発表した。名前はROKR(ロッカー)」だとか。約100曲程度の音楽の保存が可能という。ハードティスク内臓ではなくiPodシャッフル程度のメモリー容量のようである。

 iPodの強力なライバルとなりそうなのが携帯電話であるとも言われており、それを見越して、先んじて携帯電話でもiPodブランドで勝負しようとの目論見のように思われる。機能性は問題なさそうだが、やや容量が少ないような気もする点と充電池の持ちなどが気になるところ。

 それよりも、やはり注目はデザインにあると思われる。モトローラではなくアップルが全面的にデザインに関与していれば、かなり洗練された携帯電話が期待され、それだけでも爆発的に売れる可能性がある。iPodも何よりそのデザインが人気に繋がった大きな要因とみられるためである。しかし、写真を見る限り残念ながらモトローラ系の悪いデザインが目立ち、iPodのような衝撃はないように感じる。携帯電話だとデザイン的に無理もあろうかと思うが、そこをなんとかアップルに覆してほしかったとやや期待が強すぎたのかもしれない。

 そしてさらにアップルは名刺より小さい「iPodナノ」を発売するそうである。ナノといえば任天堂のゲームボーイミクロというのも発売されていたが、世の中は今度はミクロやナノブームとなるのであろうか。「iPodナノ」は1回の充電で14時間連続再生が可能とのこと。ソニーのライバル製品がかなり意識されたようである。
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# by nihonkokusai | 2005-09-08 10:02 | 趣味関心 | Comments(0)

「テロにご注意?」

熊「作者がなんか、やられた、とか言っている」
牛「米シカゴ連銀のマイケル・モスコウ総裁のコメントか」
熊「どうもそうではなくて」
牛「サッカーかなあ、でも日本は始めて南米の国に勝ったし」
熊「びっくりしたのはアップルがiPod内臓の携帯電話を発表したことだって」
牛「iPod内臓もすごいけど、問題はデザインやな」
熊「そうそう、それによっては爆発的に売れる可能性すらあるぞ」
牛「iPodもその機能性などよりデザインが人気の大きな要素になっている」
熊「作者も見せびらかすときだけiPodで通常は別の音楽携帯を使ってるし?」
牛「それで米国株は上昇したんか」
熊「いや発表は引けたあとだったし、原油価格の急落とかが効いたんじゃねえか」
牛「ベージュブックでも7月と同様に景気は多くの地域で拡大傾向にあるとも」
熊「そのベージュブックでもガソリンなどエネルギー関連価格の上昇にコメント」
牛「シカゴで開催の先物業界の会合で講演米シカゴ連銀のマイケル・モスコウ総裁は」
熊「インフレを十分に抑制された状態を維持するには適切な金融政策が必要だと」
牛「ハリケーンで大きな被害を受けたにもかかわらず、利上げ継続を示唆とも」.
熊「9月20日のFOMCはさすがに利上げは見送られるだろうとの見方もあっただけに」
牛「米債は下落し10年債は4.165%まで一時売られたようや」
熊「これを受けてさすがにLIFFEの円債先物も9月限は140円割れ」
牛「その債券先物の9月限は今日が売買最終日」
熊「9月限への買戻し圧力も後退しそうだな」
牛「中心限月も12月限に移行、上記の先物データはすでに12月となっています」
熊「CMEの日経平均先物も12月は12635円とそこそこしっかり」
牛「ただしここ数日の日経平均はやや上値も重くなっており」
熊「海外勢もやや買い圧力を弱めているのだろうか」
牛「まあ選挙も控えている上、選挙前のテロへの懸念なども噂されているし」
熊「日本もテロの標的かなんて記事もあり、親米派小泉さん有利と伝えられているし」
牛「そして日銀の金融政策決定会合も開催」
熊「賛成多数での現状維持となるんだろうな」
猫「そのあとの福井総裁の会見の内容なども注意ね」
熊「そうそう、機械受注の発表も午後あるんだな」
猫「材料はたくさんありそうだけど」
牛「相場も上値が重そうやけど、動くかなあ・・・」
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# by nihonkokusai | 2005-09-08 08:55 | 債券市場 | Comments(0)

「バランサーとしての武藤副総裁」

 2日の日銀武藤副総裁の発言を見て、副総裁のスタンスが変化したとかの見方があったが、それは違うものと思われる。武藤副総裁は極めてニュートラルな立場にいて、なおかつ日銀のスタンスへの思惑がマーケットなどで強まった際には、そのバランスを戻す方向での発言などをしている。今回のブルムバーグでのコメントにしても、米国ハリケーンの影響により米利上げ継続困難といった見方から日銀も量的緩和解除には踏み切れないとの思惑も強まった。そういった思惑を多少なり打消し、裁量が狭められるような状況は未然に防ごうとしたものとも考えられる。反対に6月23日の会見においては、量的緩和解除の可能性は徐々に高まるとの見方にややバイアスがかかりすぎてしまったものを調整してきたものと見られる。

 武藤副総裁の本音がどこにあるのかはつかみづらいが、当面の間はバランサー(調整役)としての立場を維持しもマーケットにややバイアスがかかり過ぎた際などには比重を反対に移すことによって調整を行う立場をつ続けるものと思われる。

 福井総裁が日銀のプロパーであることもあり、また景気に対しても強気の姿勢を示していることでややタカ派的と思われるようなコメントも多くなりがちであり、その意味での調整も行っているものと思われる。

 さらに前事務次官という立場から首相官邸や財務省には太いパイプも持っているものと見られ、政府や財務省との調整役との立場もある。

 そして、福井総裁とはこと以前にもコメントしたように金融政策に関しては一枚岩であることも確かであり、福井総裁が決断したことに対してはそれに反対することなくフォローしてくる立場にもあると思われる。量的緩和解除を行う際には心強い参謀役の立場にもなるのではなかろうか。総裁をフォローするという点については、政策的にやや総裁とは意見を異にすると思われる岩田副総裁も同様であろう。

 それにしても、ここまでバランサーに徹する武藤副総裁というのもある意味すごい人物でもある。時期総裁との声も強いが、日銀内部からの評判も高いとも聞く。しかし、武藤副総裁が、もし日銀総裁になってしまうと、私にとっては日銀のスタンスが非常に読みづらくなってしまことも確かであり、ちょっと困るかもしれない。
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# by nihonkokusai | 2005-09-07 17:07 | 日銀 | Comments(0)

「マーケットサバイバルより」

 拙著「マーケットサバイバル」に下記のようなことを書いた。

 「昔の話しになりますが、ミシシッピー川の水位が低下しているというだけで、日本の債券が売られたということが実際にありました。当時、円債は米国債の動向と非常に連動性が高かった事がまず第一の原因です。そして、その米国債は非常にインフレに敏感になっておりそのインフレを示す代表的な指標としてCRBという指標が注目されていました。そのCRBインデックスは穀物相場に比重が大きくかけられていたのです。穀物相場は当然、天候等に左右されやすい。アメリカの穀倉地帯はミシシッピー沿岸です。そのミシシッピー川の水位が低下しているということは、雨が降らずに水不足ということを示しています。そのために穀物の収穫量が落ちる、そしてCRBインデックスが上昇、米国債が売られ、日本の債券も売られるといった、まさに風が吹けば桶屋が儲かる的な発想でした。今考えるとなんでそんなものを注目していたんだと思うことでも、当時はみな真剣にミシシッピーの水位を気にしていたのです。」

 これを覚えておられるマーケット参加者もかなり少なくなったのではなかろうか。しかし、今回のハリケーン「カトリーナ」によって大きな被害を受けたのは、まさにこのミシシッピー川沿岸である。メキシコ湾岸の石油関連施設への影響から一時原油価格が急騰していたが、気をつけておかなければならないものとして穀物への影響などもあろう。

 それにしても、ニューオーリンズを中心に数千人の犠牲者が見込まれるというこの被害の原因究明も急がれる。むろんハリケーンによる直接被害が大きかったのも事実だが、初動の遅れなども指摘されている上に、政府や州、市などでの責任のなすりあいも行われているとか。今回は米国の貧富の差といった問題も根底にある。未曾有のハリケーン「カトリーナ」は甚大な被害をもちらすとともに、このような米国の抱える国内の問題も浮き彫りにさせたものと思われる。
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# by nihonkokusai | 2005-09-07 14:02 | 国際情勢 | Comments(2)

「1985年の短期金利高め誘導の真意は?」

 6日付け日経新聞朝刊からプラザ合意20年に関連したコラム「通貨攻防円から元へ」がスタートとした。本日のインタビューの相手は、大場智満元財務官である。この中で、私にとっては衝撃的なコメントがあったのである。

 プラザ合意に金融政策は入っていたのか。という質問に対して大場氏はこう答えている。

 「フレキシビリティー・オブ・マネタリーポリシー(弾力的金融政策)と書き、他の蔵相代理にはこれは金利下げだと説明した。ところがプラザ合意後に日銀国内派が勝手に解釈して市場金利の高め誘導をした。びっくりして私は澄田智日銀総裁に電話したよ」

 びっくりしたのは当時の大場氏だけではなく、マーケットもびっくりした。しかも、タイミングが非常に悪かった。戦後初の金融先物市場として1985年10 月19日から長期国債先物取引が開始されていたのである。10月25日、日銀は第二の公定歩合といわれた、短期金利の高め誘導を行い、これを受けてスタート直後の債券先物は暴落に近い下げを蒙ったのである。まだ、私は債券ディーラーになる前ではあったものの、債券先物に非常に強い関心を持っていただけに、かなりのショックを受けた記憶がある。しかも、それが日銀の「勝手な解釈」(大場氏)であったとは。

 ここで少しプラザ合意を振り返ってみたい。1985年の9月、密かに先進5カ国の蔵相・中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集結し、米国の財政赤字と貿易赤字という双子の赤字を解消するため、為替をドル安方向に誘導させるとの合意を行った。これがいわゆるプラザ合意である。

 5カ国が為替相場に協調介入して、基軸通貨であるドルに対して、参加各国の通貨を一律10~12%幅で切り上げる。介入期間は6週間程度、介入規模は180億ドル相等。日本、アメリカ、ヨーロッパが3:3:4の割合で受け持つといわれた。各国は、自国だけでなく、24時間どの国の相場にも介入してもよいといったものであった。

 発表前の円相場は1ドル242円であった。最初に開いた23日のニュージーランドでは1ドル234円程度まで円高が進行したが、さらに介入は続けられた。大蔵省と日銀は必死の努力でドルを売り、口先介入なども行ったものの、なかなかドル安は進まない。

 そこで「勝手な解釈」で日銀が動いたのである。日銀は当時、国内派が非常に強い力を持っていたとも言われ、大場元財務官も、あえて「日銀国内派」という表現を使った。これが本当に思い違いによるものなのか、それとも別途意図があったものかはわからない。しかし、現実に10月25日に日銀は第二の公定歩合といわれた短期金利の高め誘導を実施した。手形レート2か月物は0.5625%上昇して7.125%となり、コールレートも上昇した。

 これを受けて上場したばかりの債券先物は急落し、大量の売り注文により2日間値がつかないという大混乱となった。先物はストップ安売り気配で値段が付かなかったが、現物債は値がついており、10月25日に10年国債の68回債は単価で4円14銭も下落したのである。

 日銀の高め誘導に対しては、「金利を上げない約束違反だ」とのアメリカから抗議がきたようだが、これは大場元財務官の発言を見ればなるほどと思われる。日銀の短期金利の高め誘導をきっかけとしてに円高は一気に進み1ドル200円近辺をつけてきた。そして12月18日には短期金利の高め誘導はあっさりと解除されている。

 また、これ以降、年明け後に今度は進みすぎた円高により景気の悪化が懸念されるとの理由から、公定歩合の引き下げが実施された。もし、大場元財務官のコメント通りであったのなら、この公定歩合の引き下げは、本来意図したものにかなったものとも言えるのかもしれない。
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# by nihonkokusai | 2005-09-06 10:12 | 国債 | Comments(0)

「武藤日銀副総裁のインタビューより、その2」

 「政府・財政当局が財政再建を優先する立場から、金融政策に注文を付けるのではないか、と勘ぐる向きもあるが、わたしは財政再建と金融政策のどちらかが他方に優先するという関係ではなく、財政政策も金融政策も日本経済の持続的な発展という目的は同じで、手段が違うに過ぎないと思っている。われわれ日銀としては、あくまで消費者物価に基づく約束に従って、量的緩和政策の解除について適切に判断していく」

 国の財政問題が量的緩和解除の足枷となるのではないかとの見方がある。財政再建への道筋が見えていないにもかかわらず、日銀が金融引き締めに動くと、政府による利払い負担の増加や負債を抱えている民間企業への影響などが懸念される。しかし、現在の金融政策は、言葉は悪いが「甘やかし過ぎ」の状態にある。予想以上のデフレ圧力により、それだけ日銀も金融政策上追い込まれたともいえる。

 しかし、日本の景気はすでに底を打ち、回復基調を強めているのは明らかである。踊り場からの脱却うんぬんよりも、基礎体力が回復してきている。しかも体も絞って筋肉質となっているにもかかわらず、病院では退院させるどころか、まだ過剰に薬品を投与しつつある状況にある。

 院長先生たちの判断で、薬品の過剰投与を止めるための条件を決めているため、この条件が満たされるのを待っている。「あくまで消費者物価に基づく約束に従って、量的緩和政策の解除について適切に判断していく」ということは、約束には直接的には含まれていない財政問題といったものとは切り離されて判断されるものと思われる。これは下記の武藤副総裁によるコメントからも伺える。「市場規律についてもモラルハザードを起こしているのではないかという指摘もある。」という言葉は市場参加者もしっかり認識すべきものとも思われる。

 「確かに、長期金利が極めて低い水準で推移していることで、財政面で国債の利払い費が抑制されているのは事実だ。財政規律だけでなく、市場規律についてもモラルハザードを起こしているのではないかという指摘もある。金融資産の保有者にとってもメリットが少ないなど、いろいろなことが副作用として言われている。しかし、われわれが何のために現在の金融政策をやっているかというと、財政のためではなく、あくまでデフレ脱却と経済の持続的な発展が目的だ」
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# by nihonkokusai | 2005-09-05 10:21 | 日銀 | Comments(0)

「武藤日銀副総裁のインタビュー」

 日本銀行の武藤敏郎副総裁はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで下記のようなコメントをしている。

 「わが国の景気は、情報技術関連分野の調整が進むもとで回復を続けている」と指摘。先行きも「海外経済の拡大が続くもとで輸出の伸びが次第に高まっていくとみられ、国内民間需要も高水準の企業収益や雇用者所得の緩やかな増加を背景に、引き続き増加していく可能性が高い。こうしたことから、緩やかながらも息の長い景気回復が続くと考えている」

 ほぼこれまでの日銀福井総裁のコメントに近い内容となっている。

 「今年末から来年初にかけて、コメ価格の下落や電気、電話料金の引き下げといった特殊要因の影響がはく落していくとみられるので、そういう過程でプラスに転じていくだろう。2006年度にかけて、安定的にゼロ%以上と判断できるようになる可能性が高くなってきているのではないか」

 「本年末から来年初にかけて、米価格の下落や電気・電話料金引き下げといった特殊要因の影響が剥落していく過程で、プラスに転じる可能性が高くなると判断している」との福井総裁のコメントから、さらに踏み込んだコメントとなっている。これで福井総裁と武藤副総裁が一枚岩であることもやはり確かとなろう。今年10月から12月がプラスとなりさらに来年初めにかけても、コアCPIがプラスと確認されれば、解除の2条件が整うとの見方もこれで裏付けられた。

 日銀は4月の「経済・物価情勢の展望」で、量的緩和の解除時期について「今回の経済・物価見通しが実現することを前提とすると、2006 年度にかけてその可能性は徐々に高まっていく」と予測した。副総裁は「今日までの時間的経過のなかで、その見通しが実現するがい然性は次第に高まっている」と言明。さらに、今年度後半にもそうした可能性があるのか、という問いに対しては「そういう可能性も出てくると考えてよいのではないか」と述べた。

 あくまで可能性ではあるものの、ここまで指摘してくるとは思わなかった。早ければ来年早々にもとの見方はそれほど間違ったものでもなかったようである。ただし1月にはメガバンクの統合が控え、3月は決算期末などもある。実際に条件が整うとしても、2月中の解除とかはさすがに難しそう。早くても4月以降になるのではないかとやや時期を修正したい。

 来年8月に行われる消費者物価指数の基準年改定に伴い、同年1月以降の指数は下方修正される公算が大きい。2000年基準に改定された5 年前は、0.3%ポイント程度の下方修正が行われた。今回の改定では0.1%ポイント-0.2%ポイントの下方修正にとどまるという見方も多いが、事後的にマイナスに覆るような小さなプラス幅での解除は避けるべきだ、という声もあるとの見方について副総裁は、

 「量的緩和政策の解除を消費者物価に基づく約束に沿って判断していくとき、当然ながら、その時点において利用可能なデータを用いるしかない。したがって、判断の時点において想定していた先行きの見通しが、物価指数の技術的な改定に伴って事後的に幾分異なった姿になることは十分考えられる」と指摘。「多少、事後的に変わっても、それは仕方のないことだと思う」と語った。

 先行き技術的な要因でマイナス転換したとしても、それは解除条件には抵触しないとの見方を示したものとみられる。これについてもまさに同意。現在算出しているCPIにおいて安定的にゼロ以上と判断しうるならばそれは解除条件を満たすものと考えられる。

 「一つ申し上げたいのは、先行きの物価情勢の判断に当たって、背景にある経済情勢を含めて、広い意味での物価の基調を見極めることが非常に重要だということだ。物価指数改定に伴って多少振れる可能性があるとしても、景気が回復を続けていくもとで、物価が基調として上昇していくと見込まれる状況であるかどうかを的確に判断していくことが必要だ」

 3条件が揃ったかどうか見なすのも日銀である。広い意味での物価の基調を見極めることも重要んことから解除については慎重に望む姿勢も示している。しかし、解除する際には慎重かつ大胆な決断も求められよう。

 「日銀としては、金融経済情勢を的確に見極めながら、適切な金融政策を運営することによって、物価の安定と経済の持続的な発展を図っていく。その結果、適切な金融政策運営を通じて、マクロ的な経済環境の安定が維持されれば、結果的に財政再建にも寄与すると考えている」

 財政再建のため量的緩和解除のタイミングを遅らせるべきではない。経済学的には反対する人も多いものと思われるが、いつまでもモルヒネを打っていては本当の意味での体力回復には繋がらないはずである。量的緩和政策はあくまで緊急時の異例とも言える政策であることを意識すべきと思う。

 「ひとたび日銀副総裁に任命された以上、財務省寄りという物差しを持つようなことはあってはならないと思っている。もし、わたしが財務省寄りという見方があるのであれば、それはまったくの誤解であり、大変心外だ」

 これはある程度日銀の動向をチェックしている者にとってはある意味当たり前とも思えることでもある。武藤副総裁は日銀の副総裁であり、次期総裁の有力候補とも言われる方であるため、財務省寄りという物差しを持って見ると見方を誤る。

 「量的緩和政策の解除が今後の大きな課題であるわけだが、物価の安定を通じて、国民経済の健全な発展に資するという日銀本来の使命に照らして、この課題に取り組んでいく。したがって、日銀政策委員会の1員として、自らの見識に基づき、そうした議論に参画していくことが責務だと思っている」

 そして副総裁という執行部の一人としての立場もある。これまでの副総裁のコメントなどを見ると、調整役という立場にもいるのではないかとも思える。あくまで私見ではあるが。

 「金融システムが安定しているもとで、金融機関が資金繰り上、必要としている流動性需要そのものはすう勢的に弱まってきているのも事実だ」と指摘。今後の金融政策運営は「毎回の政策決定会合で経済、物価情勢や金融市場動向などを踏まえて検討し、決定していくことに尽きる」と述べると同時に、量的緩和解除条件が達成される前に当座預金残高目標を引き下げる可能性について「否定も肯定もしない」と述べた。

 武藤副総裁は6月23日の会見において、私は(当座預金残高目標を)引き下げるという議論に与していないともコメントしている。量的緩和解除条件が達成される前に当座預金残高目標を引き下げる可能性について明確には否定しなかったことで、引き下げに同意を示したとみるのも早計かと思われるが。
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# by nihonkokusai | 2005-09-05 09:43 | 日銀 | Comments(0)
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