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日銀は異次元緩和政策をあらためて検証することも必要なのでは

27日の日銀金融政策決定会合において、現在の金融政策を維持することを賛成多数で決定した。反対したのは「長短金利操作」と「資産買入れ方針」のいずれも佐藤委員と木内委員であった。佐藤・木内両委員の任期は7月までとなっており、状況に大きな変化がない限り、9月の決定会合からは反対票がなくなる可能性がある。

「概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめどとしつつ」との文面もそのまま残された。あくまで「めど」であり、上下するのは問題ないとの認識のようだが、このままのペースでは60兆円台となることが予想されている。

27日に発表された展望レポート(経済・物価情勢の展望)では消費者物価指数(除く生鮮食料品)の見通しを2017年度は前回の前年比1.5%上昇から同1.4%上昇に修正した。2018年度は同1.7%に据え置かれた。今回から加えられた2019年度については消費増税の影響を除き同1.9%上昇とした。そして、2%の物価目標の達成時期は2018年度ごろに据え置かれた。

これまで「しばらくの間、輸出・生産面に鈍さが残るものの、その後は緩やかに拡大していくと予想している」としていた景気の先行き判断については、「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正された。日銀が景気判断に「拡大」という表現を盛り込んだのは2008年3月以来となるようである。

28日に発表された3月の有効求人倍率は前月に比べて0.02ポイント上昇の1.45倍となった。1990年11月の1.45倍以来26年4か月ぶりの高い水準となった。3月の完全失業率は2.8%と前月に比べて横ばいとなった。

3月の消費者物価指数は総合で前年同月プラス0.2%、日銀の物価目標である生鮮食料品を除く総合(コア)でも前年同月比プラス0.2%となった。しかし、生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア)はマイナス0.1%となり、3年8か月ぶりにマイナスとなった。上昇に寄与したのがガソリンなとで、下落の要因としては携帯電話機などが指摘されていた。

雇用環境などをみる限り、日銀が指摘しているように「景気の拡大が続き、潜在成長率を上回る成長を維持する」状況となっている。しかし、物価をみると依然として日銀の物価目標からかなりの距離がある。

国民生活を考慮すれば雇用環境が改善するなど景気の回復とともに、物価が低位で推移しているためにその恩恵も被る格好となっている。日銀が2013年4月にスタートした量的・質的緩和はこの結果から見る限り、物価を低位に押しとどめ、雇用などを改善させたかにも見えてしまう。もちろん日銀の異次元緩和の目的は物価目標達成であったはずであるが。

今回の雇用を中心とした景気の回復の要因は何であったのか。日銀が異次元緩和を行って物価目標が達成されたからでないことは一目瞭然である。海外などの外部環境に助けられた面もあろうが、その背景には世界的なリスクの後退もあった。

むろん中央銀行の緩和政策がその景気回復をフォローした側面は否定できない。しかし、そのために異常な国債買入を拡大させたり、マイナス金利政策を導入する必要が果たしてあったのであろうか。すでに「意地元」緩和政策となってはいまいか。そのあたりをあらためて検証する必要があるのではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2017-04-29 09:28 | 日銀 | Comments(0)

トランプ政権の減税策に過度の期待は禁物か

26日にムニューシン財務長官とコーン国家経済会議(NEC)委員長は記者会見で、トランプ政権の大型税制改革の基本方針を発表した。

法人税制改革では、連邦法人税率を35%から15%に引き下げるとし、約30年ぶりの大型減税を目指す。米企業が海外に保有している利益約2兆6000億ドルに対する1回限りの課税も提案された。輸出を免税して輸入を課税強化する「法人税の国境調整」は今回は導入が見送られた。

個人税制は最高税率を39.6%から35%に下げ、7段階ある税率構造も10%、25%、35%の3段階に簡素化する。基礎控除も2倍に引き上げて低中所得層の減税幅を広げる。主に富裕層にかかる相続税は廃止すると明記された。株式などへの譲渡益に課税するキャピタルゲイン税は税率を23.8%から20%に引き下げる。

ムニューシン長官は「われわれはできるだけ迅速に動き、年内に実現させる決意だ」と語ったそうだが、米国では税政の立案・決定は議会に権限があり、ホワイトハウスには法案提出権はない。トランプ政権は29日に発足100日を迎えるが、今回の税制改革案の発表はその実績づくりとの見方が強い。トランプ政権のスタッフもいまだ固まっておらず、財政規律を重視している議会との調整に対しても不透明である。

ムニューシン長官は「目的はアメリカの企業の競争力を世界で最も高くすることだ。GDPの伸び率を3%かそれ以上に戻すことができる」と述べたそうだが、減税分のカバーはどうやら3%成長が維持されることが前提となっているようである。減税によって3%成長が果たして維持されるのかとの疑問も残ろう。

成長力を促すためとして、FRBの出口政策にともなう利上げに対してトランプ政権が今後牽制してくることもありうるか。日本でもアベノミクスの前提が日銀の異次元緩和による物価目標達成であった。減税にしろ金融緩和にしろ、それが予想された経済成長を促すことができるのかは疑問であるのは、日本の事例を見ても明らかである。

今回の減税策の発表を受けての米国市場はドル安、株安、債券高との反応であったが、それほど大きく動いたわけではない。市場は現実としてあまり過度の期待は抱いていなかったとみられ、こんなものだろうとの反応であったかに思われる。


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by nihonkokusai | 2017-04-28 09:56 | アベノミクス | Comments(0)

フランス大統領選挙の結果を確認し、緩和政策にブレーキを掛けようとしている欧州中央銀行

 欧州中央銀行(ECB)が6月の政策理事会で、金融緩和策の解除に向け文言の変更を検討していることが、関係筋の話で分かったとロイターが伝えた。見通しに対する下方リスク、追加利下げや資産買い入れ拡大の可能性に関する文言の一部、またはすべてを削除することが検討されているという。


 先日のフランス大統領選挙の結果、EU懐疑派の2人が決選投票に残るという最悪のシナリオは回避された。5月の決選投票でもマクロン氏有利とみられており、マクロン氏がフランス大統領となればユーロにとって大きなリスクが後退することになる。ECBは5月のフランス大統領選挙の結果を確認した上で、これまでの緩和に傾斜していた政策にブレーキを掛ける可能性が出てきた。


 これで緩和政策からの方向転換をするわけではない。緩和政策のスピードを緩め、ブレーキを掛けて止まった上で、方向転換の可能性を探ることになろう。それにはファンダメンタルの裏付けも必要となる。英国のEU離脱に伴う影響なども考える必要はあろう。それでも今後も景気の改善がみられ、物価もECBの想定する目標値近辺にあるならば、非常時の金融緩和を続ける必要はない。むしろそれによる副作用を心配する必要がある。


 ECBの緩和政策にいきなり急ブレーキを掛けるとなれば、市場に大きな影響を与える懸念がある。このため文言変更ですらもかなり神経を使っていることが伺える。


 この修正そのものは間違ってはいないと思うが、ひとつ問題がある。果たして文言の変更を検討していると示唆した関係者が誰かということである。ドラギ総裁に近い人物であれば問題はないが、ドイツ関係者となるとやや懐疑的な見方も必要になる。


 ドイツのショイブレ独財務相は4月20日に、ECBがFRBに倣い、金融緩和策の解除に着手することは悪い考えではないとの見解を示していた(ブルームバーグ)。これに対しドラギ総裁は金融緩和策の解除にはかなり慎重とみられている。


 それでもECBが緩和政策にブレーキを掛けることは可能性としてはありうる。今月27日の政策理事会で出口議論を行ってくる可能性も指摘されている。


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by nihonkokusai | 2017-04-27 09:59 | 中央銀行 | Comments(0)

北朝鮮の地政学的リスクは後退したのか

4月25日に北朝鮮は朝鮮人民軍創建85年の節目を迎えた。このような節目に北朝鮮はミサイルを発射したり、核実験を行ってきたことで、緊張が高まっていた。特に今回は米国のトランプ大統領が、この北朝鮮に対して強く非難しており、米原子力空母カール・ヴィンソンを中心とした空母打撃部隊を朝鮮半島に向かわせている。23日にはカール・ヴィンソン空母打撃群と海上自衛隊がフィリピン海で日米共同巡航訓練を開始した。また、米海軍の巡航ミサイル原潜ミシガン(トマホーク巡航ミサイル搭載)も韓国に寄港した。

25日には核問題を巡る6か国協議の日米韓首席代表が都内で会合を開いたが、すでにトランプ大統領は24日に中国の習近平国家主席との電話協議を行い、トランプ大統領は安倍首相とも電話協議を行った。

北朝鮮は核実験を強行する姿勢を崩しておらず、もしこのタイミングで核実験やミサイルを発射するなどした場合に、状況次第では一触即発の事態も危惧される。ただし、いまのところは新たな朝鮮戦争を引き起こすようなことはないとみられている(今回は大規模攻撃訓練に止めた模様)。過去にも米国は北朝鮮への攻撃を計画したことがあったようだが、特に北朝鮮と韓国との陸上戦となれば多くの犠牲者が出ることが想定されるため、さすがにそこまで踏み込むことは現状は考えづらい。しかし、何かのきっかけで戦闘が始まるリスクは存在する。カール・ヴィンソンやミシガンの存在も抑止効果が目的ではあろうが、何かことが起きれば軍事行動に移れることになる。

北朝鮮の問題は北朝鮮そのものが厚いペールで覆われて動きが見づらく、米国側もカール・ヴィンソンなどの軍事行動が伴っていることで秘密のベールに覆われ、実際に何を意図して何をしようとしているのか見えない部分も多い。しかし、米国サイドは本格的な交戦を考慮しているというよりも、北朝鮮に自制を促すよう圧力を掛けているとみられる。

北朝鮮に対しては関係の深い中国やロシアに間を立ってもらうことも意識され、それが米中電話協議となったが、27日からは日ロ首脳会談がロシアで開催される。つまりこれに向けて安倍首相はロシアに向かう予定であり、今のところキャンセルされている様子もないため、これをみても日本政府は北朝鮮を巡って情勢がここ数日で大きく変化するとは見ていないのではなかろうか。

それでも北朝鮮を巡る地政学的リスクは当面、後退することはないであろう。ひとまずフランス大統領選挙では最悪の事態は回避され、欧米市場でもリスクオフの反動が起きている。しかし、アジアでは北朝鮮と米軍のにらみ合いが今後も続くとみられ、見えないリスクを意識せざるを得ない。



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by nihonkokusai | 2017-04-26 09:50 | 国際情勢 | Comments(0)

今週の債券市場を見る上での注意点

日本時間の21日から2日間開催されたワシントンのG20では為替等に対して新たな材料は出なかった。為替についてはこれまでの原則を確認するに止め、深入りを避けた格好となった。前回はムニューシン米財務長官が「保護主義への対抗」の文言を共同声明から外すよう強硬に主張し、これを受け文言が削除された。しかし、今回はムニューシン財務長官は静かであったようである。

4月23日には注目のフランス大統領選挙が実施された。かなり混戦状態となっていたことで、5月の決選投票がどの組み合わせとなるのか。それ次第では週明けの東京市場が波乱含みの展開となる可能性があった。フランスの内務省によると、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン元経済産業デジタル相(39歳)が得票率で首位、極右政党、国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(48歳)が2位につけたようである。急進左派・左翼党のメランション氏とルペン氏という最悪の組み合わせは回避されたことで、金融市場ではリスク回避の反動のような動きとなり、円安が進み、週明け24日の東京株式市場は買いが先行した。

先週末のG20には日銀の黒田総裁も出席していたが、今週26、27日には金融政策決定会合が開催される。しかし、日銀への注目度はあまり高くはない。今回も金融政策の現状維持が予想され、国債の80兆円という数字も残されるものと予想される。今回は展望レポートも発表されるが、今年度の物価上昇率見通しを小幅下方修正する可能性がある。これもある程度想定済みか。

債券市場関係者は28日の夕方に発表される「当面の長期国債等の買入れの運営について」の方を注目するかもしれない。5年超10年以下の減額の可能性も全くないとは言えない。

国債の入札は25日に流動性供給入札、28日には2年国債の入札が予定されている。こちらは特に問題はなさそうである。日銀による国債買入は24日に中期と長期ゾーン、26日に中期と超長期ゾーンが予定されている。ゴールデンウイークを控え、次の利付国債入札は5月9日の10年債となるため、連休前のポジションの積み上げの可能性もあり、北朝鮮を含めて何かしら予想外の事態等が出なければ、債券は底堅い展開が予想される。フランス大統領選挙の結果を受けたリスク回避の反動の動きから、27日の債券先物は売りが先行したが、下値も限られたものとなりそうである。


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by nihonkokusai | 2017-04-24 10:03 | 債券市場 | Comments(0)

連続ドラマ「ひよっこ」の時代に戦後初の国債発行を行った理由とは

NHKの朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の舞台は茨城県である。私の両親が茨城出身であり、「ひよっこ」の時代(昭和39年、1964年)の頃の私は6歳、夏休みなど両親の実家に遊びに行ったが、まさにあの田舎の風景であり、あの茨城弁であった。ドラマにあった肉の代わりに魚肉ソーセージの入ったカレーライスも食べた記憶が残っている。

「ひよっこ」の主人公の父親は東京に出稼ぎに言っている間に失踪してしまうが、当時の農家の長男は出稼ぎに行ったり、次男や三男は集団就職等で都会に働きに出ていた。当時の東京は東京オリンピックを控えて、新たなインフラが整備されて大きく変わろうとしていた。「ひよっこ」の主人公の父親は霞ヶ関のビル工事をしていたが、当時、東海道新幹線や首都高速道路、東京モノレール、そして黒四ダムといった大型の公共工事が次々に行われていたのである。高度成長を迎えたことで税収も増加し、むしろ需要超過傾向となっていたことで財政面からの刺激を与えないようにと、1965年当初予算までは均衡予算が組まれていた

しかし、東京オリンピックが始まった1964年10月ごろから景気は急速に冷え込み、後退局面に入った。中小企業の倒産が増加し、株価も下落、企業収益も減少し、それが顕在化したのが1964年の後半となった。

1965年に入ると、サンウエーブや山陽特殊製鋼など大手企業の破綻が相次ぎ、株価も急落し続け、信用不安も広がりをみせた。信用不安に対しては、山一證券への日銀特融が実行されたことで収まったものの、株価の下落は続いた。これがのちに40年不況と呼ばれたもので、日銀による金融緩和の効果もなく、結局、財政面からの公共事業が促進されることになり、戦後初めてとなる国債発行が準備された。

1965年7月、佐藤栄作首相、福田赳夫蔵相のもと、政府は財政投融資の増額と、特例国債(赤字国債)発行を内容とする昭和40年度の補正予算を決定した。同時に昭和41年度の予算編成における建設国債の発行も決定した。

こうして1966年1月に、戦後初めての国債が、期間7年、利率6.75%で2千億円発行されたのである。次いで1966年当初予算から本格的に国債が導入され、建設国債6750億円が発行された。3月からは大蔵省資金運用部による国債の引受も開始された。これにより歳入を全額、税収などの収入で賄えた均衡予算主義は崩れさり、この年以降、財政に国債が組み入れられる財政新時代を迎えることになったのである。



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by nihonkokusai | 2017-04-23 11:06 | 国債 | Comments(0)

2016年度の海外投資家による日本国債の買越額は最大に

4月20日に日本証券業協会は3月の公社債投資家別売買高を発表した。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

公社債投資家別差し引き売買高

注意、マイナスが買い越し

単位・億円

()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行 6603(-54、3819、1167)

地方銀行 7266(1852、4427、305)

信託銀行-160(-1773、1044、2078)

農林系金融機関-3662(-2511、239、-48)

第二地銀協加盟行 721(209、553、31)

信用金庫-378(131、514、25)

その他金融機関 2174(-260、2079、755)

生保・損保-5505(-5461、-458、-119)

投資信託 169(-153、381、517)

官公庁共済組合-261(-178、0、0)

事業法人-364(-19、-21、5)

その他法人-1213(-28、-27、-533)

外国人-17190(-4603、1222、-12886)

個人 254(-2、43、5)

その他 13781(9454、25、7387)

債券ディーラー-1256(117、-1409、88)

3月の国債の投資家別売買高をみると都銀は6603億円の売り越しとなった。2か月連続の売り越し。売りは長期主体となった。また、地銀も7266億円の売り越しとなり、こちらも長期ゾーン主体に全般に売り越しとなった。2月地銀の売越額は8042億円と比較できる1998年以降最大となったが、3月(7266億円)もそれに近い売り越しとなった。さらに「その他」が中期と超長期主体に1兆3781億円もの売り越しとなった。ゆうちょ銀行の売りであろうか。

海外投資家は中期債主体に1兆7190億円の買い越しとなっていた。ただし、海外投資家も長期ゾーンは売り越しとなっていた。2016年度全体(短期債含む)では218兆1379億円の買い越しとなり、これは比較できる1998年度以降、最大となった(日経新聞の記事より)。

3月の債券市場では米利上げ観測の強まりによる米債安から、一時調整局面となった。10年債利回りは0.1%近くまで上昇した。3月15日のFOMCでは追加利上げを賛成多数で決定した。今後の利上げペースは今回を含めて年3回とする中心シナリオを据え置いた。FRBの緩やかな利上げが意識され、米10年債利回りは前日の2.60%から2.49%に急低下し、日本の10年債利回りも0.055%あたりに低下した。

海外投資家の売買状況

月 売り越し買い越し(マイナスは買い越し)、(超長期、長期、中期)、国債売買高、うち中期

2016年 4月-36565(328、-9142、-27271)、294983、62513

5月-16775(1347、-6186、-10933)、246889、34315

6月-36565(328、-9142、-27271)、344055、65055

7月-16693(1860、-4453、-13200)、275366、61036

8月-16838(-1108、-5390、-9702)、302397、65718

9月-27674(-3320、-4283、-19310)、380542、102124

10月-5717(1051、-5636、166)、264616、62534

11月-11672(2275、-2448、-10674)、302551、48912

12月-26198(-970、2054、-26261)、317612、57609

2017年

1月-23784(-1153、-504、-19500)、294839、61994

2月-11210(-2687、3009、-10323)、292813、51127

3月-17190(-4603、1222、-12886)、312730、58810


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by nihonkokusai | 2017-04-22 10:25 | 国債 | Comments(0)

日銀の審議委員に三菱東京UFJ系の二人が選出された理由

政府は18日に日銀の審議委員に三菱UFJ&コンサルティングの片岡剛士上席主任研究員と三菱東京UFJ銀行の鈴木人司取締役を充てる人事案を国会に提示した。7月23日に任期が満了する木内登英氏と佐藤健裕氏の後任となる。片岡氏が木内登英氏、鈴木氏が佐藤健裕氏の後任となる。自民、公明の与党が過半数を占めるため、6月18日までの今国会中に衆参両院で承認される見通し。承認が得られれば、片岡氏と鈴木氏は9月20、21両日の金融政策決定会合から参加する

何故、三菱東京UFJ銀行関係から同時に2人選出されたのか(出身大学も二人とも慶應義塾大学)。これはこれまでの審議委員の選出の過程等に影響されたもので偶然の部分がある。

直近の日銀審議委員の人事は石田浩二審議委員の後任に政井貴子・新生銀行執行役員を充てるというものであった。この人事が今回の人事にも影響を与えることになる。

石田委員の後任が政井氏となったことで、これにより新日銀法の下に組織された日銀の政策委員のなかの審議委員にあったメガバンクの席がなくなってしまった。新日銀法が施行されてからは、特に政策委員における産業枠や銀行枠など業界枠が明確になっているわけではない。しかし、石田委員までの前任者はすべてメガバンクからの出身者となっていた。

なぜこの際にメガバンクから選出されなかったのであろうか。その前の人事で、白井さゆり委員の後任には桜井真氏が就任したことにより、日銀の政策委員には女性が一人もいない状況となっていた。このため女性が優先されて選出する必要があった。また、順番から言えば次のメガバンク出身としては三菱東京UFJ銀行からとなるはずが、日銀と三菱東京UFJ銀行との関係がやや悪化していたとの見方もあった。このため、メガバンクを外すというより、ワンクッション置いた人事となったのではなかろうか。

このために三菱東京UFJ銀行の副頭取でもあった鈴木人司氏が今回、時間遅れで選出されたものとみられる。この人事については事前から予想されていたようである。そしてエコノミスト枠として片岡剛士氏が官邸から推挙されたものとみられる。片岡氏は代表的なリフレ派であり、日銀の岩田副総裁や原田泰審議委員、さらには浜田宏一内閣官房参与や本田悦朗駐スイス大使らに意見が近い。

これにより異次元緩和に対して異を述べていた佐藤氏と木内氏の後任には、リフレ推進派の片岡氏が入ることで、反対意見が一票少なくなることになる。ただし、片岡氏はマイナス金利には反対しているようで、その意見を主張してくるかもしれない。

鈴木人司取締役は銀行経営者であり、日銀という銀行の経営者でもある審議委員には最適の人物であろう。審議委員を含む政策委員は日銀の役員であり、金融政策だけを決めているわけではない。日銀そのものを経営する責任がある。さらに鈴木氏は市場部門の統括もされていたようで市場動向にも詳しいとみられる。今回の佐藤・木内両委員の後任人事で最も危惧していたのは市場、特に金利債券市場に精通した人物がいなくなってしまうことであったが、このあたりも鈴木氏がある程度カバーしてくれるものと期待したい。


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by nihonkokusai | 2017-04-21 09:31 | 日銀 | Comments(0)

英国のメイ首相の総選挙前倒し発言受けて、何故ポンドが買われ株は売られたのか

英国のメイ首相は18日、ロンドンの首相官邸で緊急会見を行い、2020年に予定されていた総選挙を前倒し、今年6月8日に実施したい意向を明らかにした。総選挙を前倒しして実施するには、議会の3分の2の賛成が必要となるが19日の英国議会下院では、最大野党の労働党も賛成したことで採決の結果、必要な3分の2を超える支持を得て、総選挙の前倒しが決まった。メイ首相の総選挙前倒しの意図とは何か。その前にメイ首相の発言を受けての金融市場の動きを確認してみたい。

外為市場では、ポンドが主要通貨に対して大きく「上昇」した。英国は昨年6月の国民投票でEU離脱を決定した。今年3月にメイ首相がEUに離脱を通知し、原則2年間の交渉に入っていた。この間、ポンドはドルなどに対して下落した。これにはメイ首相のハードブレグジット(英国がEUから完全に離脱する強硬路線)・リスクが影響していたと思われる。

ハードブレグジットとは移民抑制などを優先し、単一市場からの離脱もいとわない政策のことであり、リスク回避の動きとしてポンド売りとなったが、ロンドン株式市場はポンド安、つまり自国通貨安を好感して上昇するという現象も起きていた。為替市場と株式市場では英国の将来に対しての認識の違いもあったのかもしれない。

今回のメイ首相の総選挙前倒し発言を受けてポンドが買われたのは、政権基盤が強固されるため不透明感の払拭も意識されていたようである。しかし、ロンドン株式市場は下落したがもこれはポンド高によるものとされた。つまり2012年11月の東京市場での円高株安修正のように大きなポジションの巻き返しが起きた可能性がある。また今回の外為市場やロンドン株式市場の動きを見ると、ハードブレグジットリスクの後退を意識させるものとも見えなくもない。

ここで問題となりそうなのが、メイ首相が総選挙を前倒しをしたい理由となる。日本の2012年12月の総選挙は民主党政権が追い込まれて実施したものであったが、今回の英国の総選挙の前倒しはメイ首相が起死回生を狙ったものといえる。与党勢力を伸ばして政権基盤の安定を図ることが目的となろう。これでハードブレグジット路線をより強固なものにしたいものとみられる。ただし、現実路線(ソフトブレグジット)ら向けた修正を図っている可能性も指摘されている。

元々メイ首相はソフトブレグジット路線を探っていたものの、EU側の強固な姿勢もあってハードブレグジットを選択せざるを得なくなった。このため与党保守党内でも分裂が生じた。またスコットランドでは独立の是非を問う2度目の住民投票の可能性も指摘されている。このタイミングで総選挙に打って、とりあえず勢力基盤の安定を図るにはチャンスとみていたと思われる。

英国債の動きをみると今回は買い進まれ、18日の英国の10年債利回りは一時1.0%割れとなった。選挙は水物でもあり、英国の政治の先行き不透明感の強まりを考慮すると、リスク回避により英国債は売るべきか買うべきかは悩ましいところであろう(19日の英国債は売られている)。フランス国債は大統領選挙に向けた不安もあって売られる場面もあった。18日の英国債が買われた理由としては、リスク回避というよりも政権安定を意識した買いの可能性もある。

ただし、18日のメイ首相の総選挙前倒し発言受けた市場の動きは一時的なものとなることもあるため、今後のポンドやロンドン株式市場、英国債の動向も注意したい。ちなみに英国債や米国債が買われたことで、19日に日本の10年債利回りはゼロ%に低下した。


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by nihonkokusai | 2017-04-20 09:32 | 為替 | Comments(0)

ムニューシン米財務長官の強いドルは良いことだとの発言の意図

「強いドルは国益にかなう」という米国が伝統的に受け継いできた為替政策は、トランプ政権に変わってからも続いているようである。ムニューシン米財務長官は、17日のフィナンシャル・タイムズとのインタビューで、「長期的に見て強いドルは良いことだ」と語った。

ムニューシン米財務長官は就任後、ドルの長期的な強さについて、米経済にとって最大の利益であり、世界の基軸通貨としての信頼を反映しているとの見解を繰り返し示していた。しかし、トランプ大統領が12日のウォールストリート・ジャーナルのインタビューでドル相場に関して強すぎるとの認識を示したことで、市場はトランプ政権はドル安誘導を意識しているのではないかと警戒し、北朝鮮などの地政学的リスクも相まって、ドル円は一時108円台前半にまで下落(円高が進行)していた。

ムニューシン米財務長官は、FTとのインタビューで、「トランプ大統領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行った」と述べていた。つまり、トランプ大統領とムニューシン財務長官との間に、為替政策に対して意見の相違はなく、あくまで短期的にみるか、長期的に見るかとの違いに過ぎないことを強調した。

米財務省は14日に公表した外国為替報告書で、中国を為替操作国として認定することを見送った。その理由についてトランプ大統領は北朝鮮を抑え込むために中国政府の協力を得られるためだと説明した。今回、為替操作国として認定した主要貿易相手国・地域はなかったが、同省は「監視リスト」に前回と同じく中国と韓国、日本、台湾、ドイツ、スイスの6か国・地域を指定した。

「強いドルは国益にかなう」という米国の伝統的に受け継いできた為替政策については、本音は違うところにあるものの、表面上のスタンスはそのように見せざるを得ないというのが実情ではないかと思う。それは米国が為替操作国もしくは監視リストにいくつかの国を指定するとなれば、そもそも米国そのものが為替操作国ではないという前提でないとおかしいことになる。

1985年のプラザ合意を持ち出さずとも米国はかなり自国のための為替操作を行ってきた国だと言える。それが結局、急激な円高ドル安を招くことになり、「有事のドル高」がいつの間にか「有事の円高」に変わったひとつの要因であろう。しかし、基軸通貨国としては、それを公に認めるわけにはいかない。このためムニューシン米財務長官から、強いドルは良いことだとの発言が出てきたものとみられる。


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by nihonkokusai | 2017-04-19 09:43 | 為替 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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