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日本の米国債保有額が減少

 米財務省が発表している米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES、http://www.ustreas.gov/tic/mfh.txt)を確認してみたところ、今年2月に一時的にトップに返り咲いた日本は3月以降は再び2位に後退しており、ここにきて残高そのものも減らしていていた。

2015年6月の上位10か国は次の通り(単位、10億ドル)
1.中国(China, Mainland) 1271.2
2.日本(Japan) 1197.1
3.カリブ海の金融センター(Carib Bnkng Ctrs) 318.5
4.石油輸出国(Oil Exporters) 296.7
5.ブラジル(Brazil) 256.3
6.アイルランド(Ireland) 217.7
7.スイス(Switzerland) 217.7
8.英国(United Kingdom) 214.7
9.ベルギー(Belgium) 207.7
10.ルクセンブルグ(Luxembourg) 184.0

 日本が1兆2000億ドルを割り込んだのは2013年以来初めてとなるようである(ブルームバーグ)。米長期金利は4月の1%台から5月には2%台での推移となり、6月には一時2.5%近くに上昇していた。日本勢はいったんここでポジション調整をしてきたものとみられる。GPIFを中心とした年金運用などの運用見直しによる米国債の購入が一段落したことも要因として考えられる。ただし、中国を含めて全体の残高が増えているなか、日本の残高の減少が目立った格好となった。

 FRBは早ければ9月のFOMCで利上げを実施してくる可能性があるが、米長期金利そのものは比較的落ち着いている。3%あたりまでの上昇もあるかとみていたが、いまのところそのような動きにもなっていない。原油安などによる世界的なディスインフレ傾向も米長期金利を押さえつけている要因のひとつとなっている。

 仮にFRBの利上げが実施されても、各国の米国債の保有残高にはそれほど影響は出ないのではないかと思われる。むしろ、多少なり利回りが付いたほうが、保有国債の評価損を招くものの、長い目でみれば投資妙味を増す可能性があるかもしれない。

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by nihonkokusai | 2015-08-19 09:40 | 国債 | Comments(0)

個人消費と輸出の低迷が顕著に

 8月17日に内閣府が発表した2015年4~6月期GDP速報値によると、物価変動の影響を除く実質で前期比0.4%減、年率換算では1.6%減となった。マイナス成長は3四半期ぶりとなる。1~3月期は年率換算で4.5%増となっていた。名目での成長率は0.0%(年率0.1%)。

 4~6月期実質GDPの内訳をみると、内需が0.1%のマイナス寄与、外需は0.3%のマイナス寄与となった。需要項目別にみると個人消費が実質0.8%減となり、前期の0.3%増から一転マイナスとなった。

GDPの過半を占める個人消費は、食料品や日用品の相次ぐ値上げなどが相次いだが、そこに賃金の伸びが追いつかず消費者心理が冷え込んだとされる。6月の天候不順もマイナスに寄与か。また設備投資も0.1%減と3四半期ぶりにマイナスとなった。外需は中国経済の減速などで輸出が落ち込んだ影響を受けた。

 日経新聞電子版によると、甘利明経済財政・再生相は、GDP速報値の発表後の記者会見で、前期比0.8%減と落ち込んだ個人消費について「すべてとは言わないが、一時的要因が大きかったと思う」との認識を示した。6月の天候不順を受けて「夏物の衣料品やエアコンを中心とする白物家電がかなり落ち込んだ」と述べたほか、4月の軽自動車税の引き上げなどが消費の逆風になったと説明した。一方で7~9月期に関しては、真夏日が多い中でエアコン需要が伸び、プレミアム付き商品券の執行率も上がっていくとして「回復の見込みはかなりあるのでは」との見通しを示した。

 個人消費の低迷については、消費増税によりこれまで抑制されていた価格転嫁が起きやすくなっていたことも影響していたとみられる。円安により輸入する原材料費が高騰し、その分の価格転嫁が食品などを中心に起きており、食料品や日用品の相次ぐ値上げが個人消費を抑制する結果となった。それ以上に賃金が上昇していれば問題はなかったが、こちらの上昇は追いついていなかった。

 中国経済の減速傾向が外需を低迷させた。このあたりは原油先物価格の動向を見てもその一端が伺える。原油価格の下落はシェールオイルなどの影響を受けてはいるが、WTIの2000年あたりからの推移を見ると中国を中心とする新興国経済の拡大にともなう動きは、振り出しに戻りつつあるようにも見える。原油価格の推移のみでそれを結論づけることには多少無理はあるかもしれないが、中国経済の躍進と原油先物の動きは連動していたことも確かであり、そう考えると今後の動向についてはあまり楽観的な見方もできないのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2015-08-18 09:46 | 景気物価動向 | Comments(0)

どこまで下がるか原油先物

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 13日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反落し、WTIで9月限は前日比1.07ドル安の42.23ドルで取引を終えた。一時は42ドルを下回り、41.91ドルを付けた。

 WTIは2009年12月19日に32.40ドルまで下落していたが、このときは2008年7月11日に147.27ドルという史上最高値を記録した反動とも言えた。

 2008年といえば、すでにサブプライムローン問題が起きており、2008年3月に欧米での信用収縮への懸念が強まりからFRB、ECB、そしてイングランド銀行にスイス中銀、カナダ中銀は各国の短期金融市場で資金供給を拡大するとの緊急声明を発表した。

 OPECの生産調整や、中国の経済成長を背景にした需要増等によって原油価格は上昇を続けていたが、欧米の中央銀行による資金供給も手伝い、原油先物には投機的な動きが発生していた。そうでなければすでに金融危機が発生し、景気が減速していたにも関わらず、原油価格が急速に上昇していた説明が付かない。いわば原油先物でプチバブルが発生していたものの、それが現実を見据えて弾け、その結果がWTIの147ドル台から32ドル台への下落となった。

 しかし、これも売られ過ぎとみられ、OPECが大幅な協調減産に踏み切ったことや、中国を中心とした新興国の需要はさほど後退していなかったこともあり、それから原油価格は再び上昇した。2011年5月には112.8ドルにまで上昇。そこでいったんピークアウトしたものの、2014年7月ぐらいまでは100ドル台をつける場面もあり、高値圏で推移していた。

 異変が起きたのが2014年7月以降であり、再び一方的な下落を続け、2015年3月17日に43ドル39セントに下落した。ここからいったん買い戻されて60ドル台を回復する。このあたりは日銀のシナリオ通りとなったが、そこから再び下落し41ドル台となったのである。

 この原油下落の背景には、米国でのシェールオイル生産拡大で対米輸出が減っていることなどもあり、原油は世界的に供給過剰となっていたことがあった。ここに中国の経済減速があらためて材料視された。今回の中国による実質的な元切り下げを受けて、中国経済の悪化による需要の減少があらためて意識された。

 WTIが40ドルを割り込むのも時間の問題ともなってきた。これは原油を輸入に頼る日本経済にとっては恩恵となろうが、資源国には打撃となる。物価の上昇抑制要因ともなり、世界的なディスインフレ傾向がさらに強まる可能性があり、これは日銀の物価目標達成をさらに困難にしかねない。

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by nihonkokusai | 2015-08-17 09:34 | 国際情勢 | Comments(0)

日銀決定会合、意外にもめている

 日銀の金融政策決定会合はこのところ現状維持が続いているが、会合ではかなり白熱した?議論が行われているようである。議事要旨ということで、かなりオブラートに包まれた表現ながら、実際には意見の相違?による激論が交わされている可能性がある。

 7月14、15日の金融政策決定会合では、特に当面の金融政策運営に関する委員会の検討の部分でそれが伺える。

「ある委員は、国民全般や経営者の心理面で、「物価安定の目標」に向けた金融政策運営に対する信頼性が向上しており、期待への働きかけは非常に重要な段階にあると述べた。」

「一人の委員は、名目金利の下げ余地が限られる中で、実質金利をさらに引き下げるには予想物価上昇率を引き上げるほかないが、金融政策のコミットメントのみでこれが実現できるかは不確実性が高く、効果と副作用を丁寧に検証していく必要があると述べた」

「これに対し別の委員は、不確実性が高いとしても、予想物価上昇率の上昇が金融政策なしに実現することはないとの見方を示した。」

 上記の意見は、真ん中がこのところ唯一の反対派であるところの木内委員とみられるが、その前後はそれぞれリフレ派とみられる委員の発言であろう。木内委員に対するリフレ派の攻撃はさらに続く。先行きの金融政策運営の考え方について、下記の発言があった。

「一人の委員は、需給ギャップがゼロ近傍まで改善する中、逓減している「量的・質的金融緩和」の追加的効果を副作用が既に上回っており、導入時の規模であっても、金融面での不均衡の蓄積など中長期的な経済の不安定化に繋がる懸念があると述べた。この委員は、現行の政策方針の長期化に伴い累積的に高まる副作用として、日本銀行の資産買入れが国債市場の流動性に与える影響や、金融緩和の正常化の過程で日本銀行の収益が減少し、自己資本の毀損や国民負担の増加にも繋がりうることなどを指摘し、早めに減額に着手することが適当であると述べた。」

 この発言はこの会合でも反対した木内委員であることは間違いない。この意見に対して複数人が反撃している。

 「何人かの委員は、消費者物価上昇率が0%程度で推移するなど2%の「物価安定の目標」に向けてなお途半ばである現時点での減額開始は、政策効果を大きく損なうとの見方を示した。」

 「複数の委員は、現状、金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はないと述べた。」

 「このうちある委員は、減額開始が金利の急上昇や実体経済の悪化を招くおそれがあるほか、金融政策の遂行に当たっては、日本銀行の収益よりも、物価安定の実現という政策目標を優先すべきであると付け加えた。」

 「また、この委員は、短期間での「物価安定の目標」の達成が難しいと主張しながら、金融緩和スタンスを後退させるのは矛盾しているとも述べた。」

 最初の「何人か」の委員は「2~3人」の委員とみられるが、このうち複数、たぶん2人の委員が木内委員に食ってかかっている。金融面での不均衡、金融緩和の副作用を示す「理論」との言い方をみると、これはリフレ派筆頭の岩田副総裁、そして原田泰委員あたりかと思われる。

 今のタイミングで木内委員の主張するようなテーパリングを行うとそれがテクニカルなものであったとしても市場は金融引き締めと捉える懸念がある。しかし、いずれこの規模の国債買入を行っていくと国債買入の未達を招くことも予想され、その前に何かしらの手を打つ必要を木内委員は主張しているのではないかと思われる。

 金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はないと述べた委員が複数いたが、この委員には異次元緩和そのものが物価に働きかける具体的な根拠がなかったことも理論に基づいて説明する必要があるのではなかろうか。基調はしっかりとか、いずれ物価は上がるとかの期待はさておき、2年で2%の物価目標を達成できなかったことを、理論的に説明する必要がある。特にマネタリーベースとの関係における説明が不可欠となろう。

 木内委員が日銀の収益に言及したのは、国債の価格下落という副作用を懸念した表現かとみられる。正常化の過程での長期金利の上昇が伴えば、金融市場が不安定化する懸念がある。金利の上昇はあくまで仮定であり、これまでもオオカミ少年のごとく指摘されていた。しかし、このリスクをこのまま永久に封じ込めることはできない。日銀がそのリスクを押さえつけている以上、これは日銀がもう後戻りできないことを示しかねない。だからこそテーパリングを早めに実施し、フレキシブルな金融政策に戻す必要性を木内委員は主張しているものと思われる。

 ここで疑問なのは、複数人のリフレ派が木内委員を責め立てている図式となっているなか、木内委員を支援する声が出ていないことである。2014年10月の異次元緩和に反対した4人の委員は木内委員の意見に近かったはずである。また、この7月の会合から参加した布野委員もリフレ派より木内委員の意見に近いとみられるが、いまのところ発言は控えているのであろうか。

 すでに2年で2%の物価目標に対するリフレ政策は効果が出ていない。物価は金融政策で簡単にコントロールできるとの理論にそもそも間違いがあったということにはならないのか。今の日銀のスタンスに異議を表明しているのが木内委員一人しかいないという状況にむしろ怖さも感じるのは気のせいなのであろうか。

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by nihonkokusai | 2015-08-16 10:26 | 日銀 | Comments(0)

通貨安を仕掛けるには無理がある

 今回の中国人民元の引き下げについて、作為的に人民元の下落を狙ったものとの見方もできるが、そうせざるを得なかった事情も存在する。人民元についはドルペッグ制を取っている。つまりドルに連動する仕組みとなっている。そのドルがFRBの利上げ観測で上昇し、それにより人民元も引き上げられた格好となり、それでなくても減速傾向にあった中国経済の追い打ちを掛けた。IMFが設定している特別引き出し権(SDR)の構成通貨入りを目指していたこともあり、本来であれば元の引き下げはしたくはなかったところが、やむを得ず引き下げざるを得なくなったとみられる。つまり今回の元の引き下げは、そうせざるを得ない状況に追い込まれたとの見方ができる。

 通貨安戦争といった用語もあるが、通貨安は自国の経済を有利にさせるため作為的に引き下げることは実は容易ではない。日本はアベノミクスで円安を招いたとか、リーマン・ショックの頃に日銀の政策が甘かったことで通貨戦争に負けて円高を招いたとの見方も一部にあるが、それは違うと思う。

 そもそも外国為替市場は相手国が存在するものであり、変動相場制を取っている限りはその水準は市場で決定される。自国の経済や物価のために通貨を上げ下げして操作しようとしても、市場や相手国は簡単にそれを許さない。

 通貨安にも当然、弊害がある。今回の元切り下げによる市場の混乱のような事態も招きかねない。また、過度の円安となれば、輸出企業以外には材料費の高騰等などのマイナス要因があるとともに、個人にも商品の値上げ等で不利益を被る。

 通貨は介入等によって操作は可能との見方もいまだあるようだが、それは疑問である。イングランド銀行はジョージ・ソロスに負けているし、スイスの為替介入も途中であきらめざるを得なくなった。日本の財務省による過去の介入も決してうまくいったようには思えない。

 リーマン・ショックの際の通貨の動きについて、日米欧の金融緩和の度合いの違いで説明することもかなり無理がある。リーマン・ショックが起きたのは米国であり、サブプライムローン問題を起点に米国などの大手金融機関の経営危機が世界の金融市場を混乱させた。これは中央銀行の政策うんぬんなどではなく、そもそもドル売り要因である。その後の欧州の信用危機は同様にユーロ売り要因となる。つまり中央銀行の政策とかではなく、ドル、ユーロに次ぐ通貨として円が過度に買われたのはリスク回避のためである。危機が後退しつつあるとき、過度に買われすぎた円が、安倍総裁の輪転機ぐるぐる発言を「きっかけ」として反落した。これは日銀が行動を起こしたからではない。

 確かに二度目の異次元緩和の際には再び円安が進行したが、この際には円売りというよりドル買いが存在した。為替市場ではその時々により短期的に反応する材料が異なるが、この際には中央銀行の金融政策の行方が最近の注目材料となっていたことは確かでそれは否定できない。ただし、FRBの利上げ観測によるドル買いに日銀の異次元緩和の二段目が、タイミング良く重なったとの見方が素直ではなかろうか。

 中央銀行の金融政策に為替市場関係者の目が向けられている際には、短期的に追加緩和で通貨安を導くことはできるかもしれないが、それをしてしまうと相手国からクレームが付くことも予想される。政府や日銀が為替のコメントについて神経質になっているのは、それも要因とみられる。

 為替介入もトレンドやポジションの傾きを意識したものであれば、効果的なこともあるが、通常は逆張りのようなケースも多くなり、市場参加者の格好の餌食となってしまうことが多い。

 このように自国のために通貨安を招く政策はかなり無理がある。元安に対抗して日銀も追加緩和を行って円高を阻止すべきとの意見もあったようだが、日銀の金融政策はそもそも為替水準を操作させるものではないし、仮にそのために緩和を行っても、相場である以上はそれがうまく行く保証もない。

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by nihonkokusai | 2015-08-14 09:23 | 為替 | Comments(0)

人民元切り下げの理由と影響

 中国の中央銀行である中国人民銀行は、8月11日に人民元の取り引きの目安として定めている為替レートのドルに対する基準値を1ドル6.2298人民元と定め、10日の1ドル6.1162人民元から1.8%あまり切り下げたと発表した。さらに12日には人民元の対ドル基準値を1ドル6.3306元とし、1.6%あまり引き下げた。

 中国人民銀行はこれまで銀行が毎朝提示するレートをもとに基準値を設定していたとされるが、これまで基準値の設定方法は公表されていなかった。11日からは基準値を前日の市場の終値を重視するとして切り下げた格好となった。  人民元の為替レートは中国人民銀行が取り引きの目安として日ごとに基準値を定め、その値から上下2%以内に変動を抑えることにしている。このため、12日に人民元が一時、前日終値、つまり基準値から1.98%程度下落したタイミングで元買い介入が入ったようである。

 基準値の新たな設定方法では、従来よりも市場の実勢が反映される度合いが高まるとの見方があるが、基準値の設定では今後も当局が大きな権限を握るとの見方もある。

 中国政府はこれまで内需拡大や人民元の国際化に向け、強い人民元を目指してきたとされる。中国政府は人民元の国際化を目指し、IMFが設定している特別引き出し権(SDR)の構成通貨に人民元を採用するように要請していた。米利上げ観測などからドルが上昇していたこともあり、人民元も割高となっていた。ところが通貨高による弊害も含め、ここにきて中国経済の減速傾向とともに、物価下落によるデフレ懸念により、中国当局は方針を変更せざるを得なかったと思われる。

 今回の事実上の人民元切り下げの目的は、通貨安による輸出企業へのてこ入れと物価の上昇とみられる。7月の中国の輸出は前年同月比8.3%減と大きく落ち込んだ。中国の卸売物価指数(PPI)は5.4%の下落となり、2009年以来の低水準となっていた。昨秋から相次いで利下げするなど金融緩和を実施しているが、その効果は限られている。このためより効果の高い通貨安政策を取らざるを得なくなったものと思われる。

 中国経済の減速傾向なども要因として原油価格が再び下落基調となっている。11日のWTIは引け値ベースで2009年3月以来の安値となり、一時42ドル台まで売り込まれた。40ドル割れもあるのではとの見方も出ているが、この原油安も中国の物価下落の要因となっている。

 ECBの量的緩和の目的は通貨安であった。日銀も表立っては表明していないが、二度にわたる異次元緩和の目的も結果として通貨安にあった可能性が高い。異次元緩和以降の一時的な物価の回復も円安による影響が大きく、そこに株高が加わってアベノミクスが形成された。

 今回の中国人民銀行による事実上の人民元切り下げについて、金融市場はこれを景気てこ入れとして好材料と捉えてもおかしくはなかった。しかし、市場は反対にリスク回避の動きをみせ、欧米の株式市場は下落し、質への逃避として米国やドイツ、英国などの国債は買われた。為替市場でも質への逃避としてドルやユーロが買われたが、今回は地理的に近いことも要因となったのか円は買われず、ドルやユーロに対して一時下落していた。

 ギリシャと国際債権団が支援協議で合意したこともあり、ギリシャのリスクは後退した。今度はそれに変わって中国がリスク要因として浮上してきた。そのことを示したものが今回の事実上の人民元切り下げであると市場では認識されたものと思われる。

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by nihonkokusai | 2015-08-13 09:48 | 国際情勢 | Comments(0)

米利上げが12月と予想する根拠

 FRBの利上げについては、9月16~17日か12月15~16日のいずれかのFOMCで決定されるとの見方が大勢となっている。ここにきてアトランタ連銀のロックハート総裁が米経済は9年ぶりとなる短期金利の引き上げに向け用意が整っていると発言したことで、9月利上げとの見方が強くなっているように思われる。念のため、10月27~28日にもFOMCが開かれることで10月の可能性もないことはないが、議長会見がある9月か12月の可能性が高いと市場参加者はみている。

 2013年のテーパリング開始の決定時期を巡っても当初は9月説が強まっていたが、結局、決定は12月となった。相場変動の押さえ込みに成功したテーパリングの成功事例も意識して9月ではなく12月にFRBは利上げをすると個人的には見込んでる。そして、ここにあらたに12月説を強めさせる出来事や、それを裏付けるかのような発言がFRB関係者から出てきた。  

 その出来事とは、中国の輸出や物価の低迷受けて中国人民銀行が1993年以来とされる約2%もの事実上の人民元切り下げを実施したことである。ここまでする必要があるほどに中国経済の減速や物価下落が懸念されたと言えることで、世界経済への影響も見極める必要が出てきた。

 発言に関しては、FRBのフィッシャー副議長によるブルームバーグテレビジョンのインタビューでのコメントである。フィッシャー副議長は「問題はデュアルマンデートのうちの雇用ではない。雇用は順調だ」とした。さらに「問題なのはインフレの方だ」と指摘した。ただし「現在のインフレの大部分は一時的なものだ」とも述べている。

 このあたり日銀の黒田総裁の説明と似た部分がある。原油価格下落による影響により、低インフレをめぐる懸念が強まっているものの、原油安の影響は年後半に向けて次第に弱まり、物価の基調の強さからいずれ物価目標に向かって物価は上昇するとの認識のようである。

 このフィッシャー副議長の発言は、FRBが利上げ実施に向けて、物価が目標に向かって上昇し始める兆候を待つ可能性があることを示しているのではないか。その徴候があと1か月で確認することは難しい。原油価格はここにきて一時WTIで42ドル台まで下落していたぐらいである。

 12月のFOMCまでにその兆候が掴めるかどうかも不透明ではあるが、それでも多少なり物価の基調の上向きが確認できれば、12月のFOMCでの利上げの可能性は高いのではなかろうか。特に今回は執行部というか影響力の大きいフィッシャー副議長の発言だけに注意する必要がある。

 ロックハート総裁などが利上げに向けた前傾姿勢を示すことで、市場に利上げそのものの可能性を織り込ませ、大きな相場変動を事前に抑えるとともに、その時期については9月と特定させず、12月の可能性も市場に意識させるなど、絶妙な格好での市場との対話をFRBは行っている。

 このあたり、FRBは目標に対してのフレキシブルなアナログ型の政策のため、柔軟な対応が可能になっている。これに対して2年とか2%という数字を前面に押し出してしまった日銀の異次元緩和はデジタル型となってしまっている分、市場との対話を難しくさせてしまった側面もある。

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by nihonkokusai | 2015-08-12 09:25 | 中央銀行 | Comments(0)

日銀の出口の鍵は日本国債

 日銀の岩田規久男副総裁は8月4日の参院財政金融委員会で、量的・金融緩和政策からの出口について日銀内部では各種シミュレーションをしていると述べた。日銀は出口についてはどのような想定をしているのであろうか。

 量的・金融緩和政策からの出口については、2006年の日銀の量的緩和解除・ゼロ金利解除よりも、テーパリングを行って利上げが視野に入るFRBの動向が参考になろう。この場合の出口とは日銀の国債買入の減額、利上げ、バランスシートの縮小が予想される。このなかでも一番の難関は国債買入の減額となるのではなかろうか。

 日銀は2001年3月から2006年3月にかけて量的緩和政策を実施した。この際の調整目標は日銀の当座預金残高であった。国債の買い入れの増額もあったものの、主に短期市場に資金を供給していた。2006年3月の量的緩和の解除も短期金融市場での調節で済むことで出口からあっさりと出ることができた。このときの出口の際には、国債の買い入れは減額しなかったが、その後、日銀の保有する国債の残高は減少していた。国債買い入れが中短期債主体であったことや、長期国債が償還された際1年短国に乗り換えるなどしていたことで国債の償還が短く残高を減少させることが可能であったためである。

 これに対して2013年4月と2014年10月の二度にわたる異次元緩和は国債の買い入れ額を大きく増加するとともに、保有する平均残存年数も大胆に延ばした。このため、2006年3月当時と比べて国債の残高を落とすことは容易ではなくなっている。今回は毎月の国債買入の減額がまず必要になろう。日銀の出口政策にはこの国債買入の減額手段が鍵になると予想される。

 FRBは国債買入額の縮小、いわゆるテーパリングについては市場の動揺を起こさずに成功させた。これもあって日銀も過剰な国債買い入れを多少なり減額することは、さほど困難ではないかもしれない。しかし、過去に日銀は国債買入の額を減らした経験はなく、市場がどのような反応を起こすのかを予測することも難しい。

 日銀の巨額買入が始まる以前でも、国債は安定消化されていた。しかし、現在の債券市場は日銀の大量の国債買入ありきの状態に陥っており、買入が少しでも減少するとなれば国債への売り圧力に繋がりかねない。日銀はテーパリングを行うとしても、そのペースはFRBなどに比べても緩やかなものとする可能性が高いが、減るという事実が市場参加者の不安を助長させる可能性がある。1998年末に当時大量に国債を買い入れていた資金運用部の国債買入の減額をきっかけに、国債市場が急落した運用部ショックという事例もあった。

 日銀が出口政策をとれる環境になったということは、物価の上昇とともに長期金利の上昇が予想され、日銀の国債買入減額観測も加わることで、債券市場では過去15年程度経験してこなかった長期金利の2%超えという事態も想定される。ただし、15年前とは国債残存額が大きく違うため、過去の相場経験を生かせない事態が発生する懸念もある。とはいえ、国債に大きな価格変動が起きたとしても、それほど長く急落相場が続く事も考えづらい。これを機に財政再建への道が開ける可能性もある。ただし、ここまで膨れあがった国債残高での長期金利の上昇は市場参加者も未経験であり、対処法を誤れば本格的な日本国債の暴落も招きかねないことにも注意が必要になろう。

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by nihonkokusai | 2015-08-11 09:31 | 国債 | Comments(0)

イングランド銀行とスーパーサーズデー

 英国の中央銀行であるイングランド銀行は8月5日と6日に金融政策委員会(MPC)を開いた。今回からイングランド銀行のカーニー総裁は金融政策の透明性向上のため画期的な手段を用いた。

 ロンドン時間正午(日本時間午後8時)にイングランド銀行は8月の金利に関する決定 と採決の内訳を議事要旨で即時に公表し、四半期物価報告なども同時に公表したのである。このため市場ではこの日を「スーパーサーズデー」、「メガサーズデー」、「ブロックバスターサーズデー」などと呼称していた。

 日銀やFRBの議事要旨の発表はそれぞれ約1か月程度あとに発表されているが、イングランド銀行は即時公表に踏み切った。なおイングランド銀行での金融政策における採決は2日にわたるMPCの初日にすでに実施されている。

 今回のMPCでは8対1で政策金利を0.50%に、資産買い取りプログラムの規模を3750億ポンドと据え置くことを決定した。政策金利については、将来の利上げに向けた地均しの意味でも複数人が利上げを主張して反対するのではと予想されていたが、結局、利上げを主張し反対票を投じたのはマカファティー委員だけとなった。それでもMPCでの利上げ票は昨年12月以来となる。

 現在のMPCのメンバーはカーニー総裁、ブロードベント副総裁、シャフィク副総裁、カンリフ副総裁、ホールデン委員、フォーブス委員、マイルズ委員、マカファティー委員、ウィール委員で構成されている。マカファティー委員とウィール委員がタカ派と目され、ハト派とされているマイルズ委員も利上げらは前向きとの見方がある。

 同時に発表された物価報告では、今年のインフレ率見通しを平均で0.3%と予想し、5月時点に予測した0.6%から下方修正した。2016年の予想は平均で1.5%としている。公表文によると、ここ数か月のエネルギー価格の下落が、来年半ばあたりまで物価を抑える可能性が指摘されていた。このあたりが利上げに向けた姿勢をやや慎重化させていた可能性がある。利上げ時期の見通しについては委員の間では広がりもある。今回マカファティー委員は0.25%の利上げを主張していた。

 この結果を受けて、早期の利上げの可能性を織り込んで買われていた英国ポンドが下落し、英国債は買われていた。ただし、英国の長期金利低下はWTIが44ドル台に下落したことによる米国の長期金利の低下の影響も受けていたとみられる。英国債のこの動きをみても、利上げ観測と原油安による物価の低迷が綱引きとなり、長期金利はなかなか上昇しづらい状況が続くものとみられる。

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by nihonkokusai | 2015-08-10 09:41 | 中央銀行 | Comments(0)

異次元緩和の副作用

 リーマン・ショックや欧州の信用不安といった世界的な金融経済リスクに対し、日米欧の中央銀行は非伝統的とされる金融政策を大胆に打ち出した。これは市場の不安を後退させたものの、市場は過度に中央銀行の金融政策に依存するようになってしまった。日銀は異次元緩和のために国債やETFなどを大量に買い入れることで、市場に大きく関与するようになり、市場の価格形成に影響を与えるような事態になっている。これにより市場の最も重要な機能である「価格発見機能」の低下という事態が起きた。国債の利回りは国の財政をチェックする重要なシグナルとなるべきところが、日銀による大量の買入で、そのようなチェック機能を喪失しつつある。

 中央銀行が国債を大量に買い入れることにより、長期金利が押さえ込まれ、それは政府の利払い費用を押さえ込むことになる。巨額の債務を抱えていても利払い費が押さえ込まれれば、財政悪化は表面化しないことになり、これは金融抑圧となる。問題はこれがいつまで、どの規模まで維持できるか、そして許されるかとなろう。

 日銀の大量の国債買入の目的はあくまでデフレの解消だが、結果として国の財政を助けている。今後物価が上昇するなり、日本の債務への不安が表面化した際には、日銀の大規模な国債買入が財政ファイナンスと認識される懸念もある。

 日本の長期金利は15年以上も2%以下に抑えられている。長期金利の低迷の原因は、バブル崩壊による金融不安をきっかけにデフレの状態が恒常化し、雇用体系の変化も加わり賃金も上昇しないような状況が続き、日銀がゼロ金利政策、量的緩和政策、包括緩和政策、量的・質的緩和等の積極的な金融緩和を行ったためだ。短期の金利はマイナスとなり、一時は残存6年程度の国債利回りもマイナスとなった。長期金利は上がらないとの認識は強まり、長期金利が大きく上がったという経験をもつ市場参加者も少なくなった。

 日銀の異次元緩和は国債を大量に買い入れて、マネタリーベースを思い切って増加させて、インフレ期待を強めるものである。国債を大量に買い入れることで本来あるべき国債の利回りを押さえつけ、これによるポートフォリオのリバランス効果も狙いとなっている。

 もし日銀の目的が果たせたとなれば物価は2%程度に上昇しよう。金利は本来物価に連動することで、いずれ押さえつけられていた金利が大きく上昇する事態を招くことにもなりかねない。ところが、異次元緩和は2年という期間で物価を上昇させていない。これは物価は日銀の金融政策で簡単にコントロールできるものではないことを示している。つまり何かのきっかけで物価が大きく上昇した際に、日銀がインフレターゲットを採用しているからその物価上昇を抑えられるのかという疑問が生じる。異次元緩和の副作用として最も注意すべきは異次元緩和に効果がなく、大量の国債を買ってしまったという事実が残り、それが財政や金利に影響を与えてしまうリスクといえよう。

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by nihonkokusai | 2015-08-09 15:01 | 日銀 | Comments(0)
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