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<   2014年 06月 ( 23 )   > この月の画像一覧

日米の物価指標とFRBの利上げのタイミング

 6月26日に発表された米国のPCE価格指数は総合で前月比0.2%上昇、前年比では1.8%の上昇となった。FRBが物価指標の中で重要視している、エネルギーと食品を除いたコアPCE価格指数については前年比プラス1.5%となっていた。

 6月27日に発表された日本の5月の全国消費者物価指数は、プラス3.4%とほぼ予想通りの数値となった。4月の3.2%からは上昇し、昭和57年4月以来、32年1か月ぶりの高い水準となった。ただし、5月以降は消費増税の影響が2.0%程度あると日銀は試算しているためそれを除くと1.4%となり、4月の1.5%から上昇幅は縮小した。

 27日には5月の失業率も発表され、5月の完全失業率(季節調整値)は3.5%となり、4月の3.6%から低下した。有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍と、21年11か月ぶりの高い水準となった。ちなみに日本の自然失業率(NAIRU)は3.5%あたりとの見方もある。

 ただし、23日の黒田日銀総裁の発言からは、日銀は今後夏場に向けては、前年比プラス幅が一旦1%近傍まで縮小するとしている。その後は基調的な物価上昇圧力が引き続き強まっていく中で、本年度後半から再び上昇傾向を辿ると予想している。

 円安などによる影響が後退し、いったん物価上昇幅は縮小するが、雇用環境の改善等もあり、年度後半から切り返し日銀の物価目標2.0%に接近するというのが、現在、日銀が描いているシナリオであろうか。このシナリオを前提にすれば追加緩和の必要はない。むしろ予想以上に物価上昇圧力が強まった際のシナリオの方が市場が動揺してくる可能性がある。

 米国についてはこのあたりで物価が推移している限りは、物価の動きは金融政策には影響を与えないと思われる。セントルイス連銀のブラード総裁は26日、FRBの利上げに関して2015年1~3月期終わりになると述べていた。ブラード総裁は今年のFOMCで投票権はなく、セントルイス連銀が投票権を持つのは2016年となる。その意味ではブラード総裁の発言はあくまで個人的な見解となろうが、資産買入プログラムが10月に終了すれば、利上げのタイミングはそのあたりではないかと考えられる。

 6月のFOMCでは米国債とMBSの毎月の買入額を100億ドル縮小し、350億ドルにすることを決定した。予定通りに淡々とテーパリングは進行している。このペースで行くと7月29~30日のFOMCで毎月の買入額を250億ドルに減少させ、9月16~17日に150億ドル、10月28~29日に150億ドルを一気に減らしてゼロとすれば、10月に終了することが予想される。

 2006年3月に日銀は量的緩和政策を解除したが、ゼロ金利政策を解除、つまり利上げを行ったのは同年7月であり、量的緩和解除から4か月後であった。FRBもテーパリング、つまり量的緩和政策が完了次第、利上げというかゼロ金利政策の解除に向けた作業を開始してくるとみられる。何かしら外的要因等でのリスクの高まりがなければ、急がずともそれほど時を置かずに利上げを行ってくるとみるのが自然ではなかろうか。その時期は半年以上空けるような事はむしろ考えづらく、ブラード総裁の示した2015年1~3月期あたりになると見てよいかと思われる。

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by nihonkokusai | 2014-06-30 09:28 | 中央銀行 | Comments(0)

日本の長期金利が0.6%近傍に張り付く理由

 日本の長期金利(10年国債の利回り)は、今年始めに0.7%を割り込んでから0.6%近傍での安定した推移が続いている。FRBのテーパリングの決定などから米長期金利が3%台に上昇し、その影響で日本の長期金利も昨年末から一時的に0.7%に上昇した。この一時的な場面を除くと、日本の長期金利は昨年10月あたりから0.6%近傍にある。

 さらに昨年5月にドル円が2009年4月以来となる100円台への上昇などから、長期金利が一時的に1%近くまで上昇したこともあった。しかし、これも一時的な金利上昇となりその後再び低下した。

 昨年4月の日銀の量的・質的緩和が決定される前、3月にはにすでに日本の長期金利は0.6%を割り込んでいた。日銀の異次元緩和決定後に0.315%まで低下するような一時的な下振れもあったが、この0.6%という水準は日銀の異次元緩和の影響を受けて、居心地が良い水準のようである。

 0.6%と言う水準に何かしら意味があるのか。保有する投資家にとってコストと、ある程度の期間リスクに見合った最低ラインが0.6%との見方もある。コストに関しては以前のゼロ金利政策の時にも同様のことが発生していた。ゼロ金利政策といっても政策金利はゼロとはしていない。これは短期資金を運用する際にもある程度のコストが掛かるためであり、日銀の場合も政策金利である無担保コール翌日物の誘導目標値は0~0.1%と幅が設けてあるのはそのためである。

 昨年4月5日の量的・質的緩和政策が決定された翌日に長期金利が0.315%まで急低下したあとに、急反発し0.620%に戻ったことも、0.6%以下ではコストや期間リスクに見合わないという説明も成り立つかもしれない。

 日本の長期金利の最低ラインが0.6%近傍であるとするならば、日銀の量的・質的緩和政策により、日銀の狙い通りに長期金利をほぼ最低水準に張り付かせることに成功したことになる。

 物価も日銀の思惑通り、市場の予想以上の上昇となり消費増税の影響を除いてもすでに全国のコアCPIは前年比プラス1.5%まで上昇した(5月分はやや低下の見込み)。これにより実質長期金利は低下することになり、日銀は異次元緩和の効果とのひとつとしてこれも強調している。

 日銀が新発債を中心に大量に国債を買い入れることにより、イールドカーブを押さえつけている。昨年の量的・質的緩和政策導入時にはこのような0.6%近傍で安定するという結果は想定できなかった。このため今後のシナリオも描きづらい。ただし、押さえつけられていたものはいずれ反発する。このまま半永久的に押さえ続けることもできないはずである。その反発するタイミング、その原因となりそうなものを要因として想定しておくことも、今後のリスク回避には必要となりそうである。

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by nihonkokusai | 2014-06-27 09:16 | 債券市場 | Comments(0)

骨太の方針と長期金利の上昇リスク

 政府は24日の臨時閣議で経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」と、「新たな成長戦略」を決定した。「骨太の方針」では財政健全化の指標である基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を、2015年度には2010年度に比べて半減する目標の達成を目指すことが明記された。来年度予算案について、歳出全体の三分の一近くを占める社会保障費を聖域なく見直して増加を最小限に抑えるなど、「厳しい優先順位付けを行い、メリハリのついた予算とする」としている。

 基礎的財政収支半減の目標はそれほどハードルは高くはない。2014年度予算では消費税率の8%への引上げとともに、景気回復に伴う所得税や法人税の税収増が寄与することで、基礎的財政収支はかなり改善する見込みであり、2015年度での目標達成の可能性は十分可能なところにいる。

 ただし、今回出された「新たな成長戦略」のひとつの柱でもある法人税の実効税率を来年度から引き下げるとの案についても、いまのところ財源は特に明記されておらず、また景気動向次第では大型の補正予算が組まれ、そこにあらたな財源が必要とされるようなことも出てくる可能性はある。

 最終的には2020年度までには基礎的財政収支の黒字化を達成するとしている。これは東京オリンピックの時期とも重なり、国内外から日本の財政状況に対する注目も集まろう。こちらも達成させることが、日本の信認を維持させるためにも必要となる。年内とされる2015年10月に消費税率を10%に引き上げるかどうかの判断についても注目すべきものとなる。

 政府としては財政健全化の手を緩めるつもりはないかもしれないが、アベノミクスの三本の矢が大胆な金融緩和と積極的な財政政策、成長戦略となっている。これはむしろ財政健全化を急がずに、日銀に大量の国債を買わせ、その分、時間を稼いでいるようにも見えるところが気になる。

 日銀はデフレ脱却を旗印にし、たとえ2%の物価目標を達成したとしても簡単には手綱を緩める気はなさそうである。現在の大量の国債買入はかなりの期間維持されることも想定され、その分政府としては国債発行が楽になる。市場もいまのところ素直に日銀の国債買入の影響を受けて10年国債の利回りである長期金利は0.6%近辺に張り付いている。長期金利は財政リスクを意識させるような動きとはなっておらず、いわゆる財政リスクプレミアムはゼロ近傍にある。

 日本の財政がGDP比などでみてここまで悪化しているにも関わらず、長期金利には財政リスクが反映されておらず、さらには日銀が引受ではないものの、発行額の7割もの国債を買い入れているこの構図は果たして健全なものと言えるのか。

 長期金利の跳ね上がりへの懸念を主張しても、結局は狼少年となってしまっている。しかし、デフレから脱却というのであれば、長期金利も失われた15年から脱してくる可能性も当然ありうる。このリスクを考慮するのであれば、財政健全化を急ぐことも大きな矢として必要であるのではなかろうか。長期金利が上がってしまってからでは、身動きが取れなくなることも予想される。

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by nihonkokusai | 2014-06-26 09:37 | 財政 | Comments(0)

日銀の追加緩和期待はさらに後退

 日銀は余程の軌道修正を行わない限り、追加緩和は難しいと思われるが、いまだに日銀の追加緩和期待は根強いものがある。その追加緩和期待の背景のひとつは、消費増税による景気減速に伴うものであろう。もうひとつ、物価目標への達成が困難になりそうなケースも想定された。もちろん内外の予想外のショックによるもの、たとえば新たな金融ショック、地政学的リスク、地震のような災害等による可能性もあるが、これは例外的なケースとなる。

 日銀の黒田総裁は23日の経済同友会懇談会における講演で、「わが国経済は、2回の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には潜在成長率を上回る成長を続けると予想しています」と述べている。

 4月の消費増税の影響についても発表されているハードデータを見る限り、日銀が予想していたように大きな落ち込みとはなっていない。消費の基調的な底堅さは維持され、個人消費の底堅さは維持されるとの日銀の見方は、ほぼコンセンサスに近いものではなかろうか。

 この黒田総裁の発言で注意すべきはむしろ「2回の消費税率引き上げ」の部分かもしれない。政府に対して2回目もしっかりやってほしいとの期待というか暗黙のプレッシャーを掛けているようにも思える。

 もうひとつの物価目標への達成が困難になりそうなケースに関してであるが、これについても黒田総裁は次のような発言をしている。

 「これから夏場に向けては、前年比プラス幅が一旦1%近傍まで縮小するとみられます。その後は、基調的な物価上昇圧力が引き続き強まっていく中で、本年度後半から再び上昇傾向をたどり・・・」

 今後の消費者物価指数の予想については、円安などによる影響が剥落してくるため、これまでの上昇基調のトレンドが変化するとみられている。これについては27日に発表される5月の全国消費者物価指数をまず確認したい。5月のコアCPIはプラス3.4%あたりの予想となっており、4月の3.2%からは上昇するとみられている。ただし、5月以降は消費増税の影響が2.0%程度あると日銀は試算しており、それを除くと1.4%となり、4月の1.5%から上昇幅は縮小との予想となっている。

 さらに夏場に掛けて、消費増税の影響を除いた全国のコアCPIは1%あたりまで低下すると日銀は予想しているようである。このあたりも今回の黒田総裁の発言内容からみれば、想定の範囲内としている。その後「基調的な物価上昇圧力」により、今年度の後半、つまり秋から冬にかけて再び上昇トレンドとなると見込んでいるようである。

 この発言から見る限り、少なくとも物価目標の達成が難しいとの理由での追加緩和の可能性は極めて低いと言わざるを得ない。たとえコアCPIが1%程度まで落ち込んでしまっても、そこから2%への引き上げを狙って何かしらの追加緩和を行うつもりはないともとれる。

 現実に日銀のシナリオ通りに、今年度後半から物価が目標値に向けて上昇してくるかどうかについては不透明である。少なくとも期待に働きかけての物価上昇という経路についての疑問は残る。ただし、英米が利上げに向けた準備をしているように、欧州はさておき世界経済のフォローもあれば、日本の景気そのものが回復基調となり、その分、価格転嫁の動きなどが強まることも予想される。期待による働きかけはさておき、すでにコアCPIが1.5%というところまで来ている実情からみても、2%近くまでの物価上昇の可能性は否定できない。物価目標達成のための追加緩和については、少なくとも年内は想定できず、年度内についても可能性は極めて低いと予想される。

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by nihonkokusai | 2014-06-25 08:56 | 日銀 | Comments(0)

5月は債券を都銀が買い越し、信託銀行は売り越し

 6月20日に日本証券業協会が発表した5月の公社債投資家別売買高(除く短期債)によると、都銀は4100億円の買い越しとなった。都銀の買い越しは3か月ぶりとなったが、4月は3兆7058億円もの売り越しとなっていた。このため、5月はポジション調整のための買いを入れてきた可能性がある。

 買い越しで大きかったのは外国人で1兆1634億円の買い越し。信託銀行は2631億円の売り越しとなったが、売り越しは2012年10月以来。業態別の公社債投資家別売買高(除く短期債)は以下の通り。

公社債投資家別売買高(除く短期債)、単位は億円(マイナスは売り越し)
都市銀行 4100、地方銀行 6042、信託銀行 -2631、農林系金融機関 1171、第二地銀協加盟行 111、信用金庫 2453、その他金融機関 1489、生保・損保 4718、投資信託 5701、官公庁共済組合 -181、事業法人 1157、その他法人 1335、外国人 11634、個人 -297、その他 -31840、債券ディーラー 1139

 国債投資家別売買高をみると、都銀は中期債を5875億円買い越しており、中期ゾーン主体に少しポジションを積み上げた格好に。

 これに対して信託銀行は中期債を4178億円、長期債を1876億円の売り越し、超長期債は2611億円の買い越しとなっていた。公的年金改革を意識し、国債のポジションを圧縮してきた可能性がある。

 外国人は中期債を7987億円、長期債を1841億円、超長期債を1727億円と満遍なく買い越しとなっている。さらに短期債も17兆1147億円の買い越しと買越額は、4月の14兆7455億円の買越額から増加している。海外投資家は、ECBの追加緩和期待による欧米の国債買いとともに日本国債にも買いを入れてきたものと思われる。

 都銀が持つ国債のポジションについては、担保としても必要な分もあるため、一定額保有する必要があり、ある程度のポジションは維持してくると思われるが、信託銀行については今後、ポジションをさらに減少させてくることも予想される。

 他の業種は生損保を含め全般に買い越しとなり、日銀の買入とともに債券相場を支える格好となった。ただし、高値警戒もあり買い進むというよりも、押し目では着実に買いを入れているものと思われる。これにより債券の膠着相場が形成されているとみられ、この構図は、何かしらの大きな材料が出ない限りは崩れることは考えづらい。

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by nihonkokusai | 2014-06-24 09:29 | 債券市場 | Comments(0)

日銀の国債買入の再変更の問題点

 日銀は18日に「当面の長期国債買入れの運営について」とのベーパーを発表した。これは日銀による国債買入における修正を行ったものである。同様のペーパーは5月29日にも出されており、それから一か月も経たずに修正してきたことになる。

 昨年4月に決定した日銀の量的・質的緩和政策による大胆な国債の買入は数字並べを意識するあまり、かなり矛盾したものであった。コアCPIの「2%」という物価目標に対しては「2年」程度の期間を念頭に置いて、マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を「2年間」で「2倍」程度とし、毎月の国債買入額もグロスで2倍、長期国債の平均残存年数を現行の「2倍」以上とした。これはまるで、英国イングランド銀行の買入総額を決める方式とFRBの毎月の購入額をミックスさせ、さもすごそうな国債買入に見せようとしたあまり矛盾が生じてしまった。

 日銀の国債保有額を2倍にするため、毎月の国債買入も2倍にし、さらに平均残存も2倍にするということは、短い期間の国債から、より期間の長い国債を買い入れることになる。短期債、たとえば1年債であれば1年後に償還がくるため、その償還分も買入額としてカウントできるが、それが40年債だと償還は40年後となる。つまりより残存の長い国債を一定量買い続けるとなれば、保有総額なり平均残存期間、もしくは毎月の購入額の微調整が必要になるのである。

 これもあってか日銀が昨年4月4日に質的・量的緩和を決定してから、具体的な国債買入の内容が示されたのは5月30日とひと月以上も経ってからであった。その昨年5月30日に出されたものと、今年5月29日の修正分、さらに6月18日の修正分を比較してみたい(回数×ロット億円)。

残存期間1年超3年以下、2×1100、2×1100~2000、2×1100~2500
3年超5年以下、6×5000~7000、6×5000~7000、6×5000~7000
5年超10年以下、6×4500~6000、6×4500~6000、6×4500~6000
10年超、5×2000~3000、5×1500~3500、5×1300~3500

 一見、あまり変わっていないように見えるが、それとなく修正されているのは残存期間1年超3年以下の上限、10年超の下限であることがわかる。10年超のいわゆる超長期債の購入額を減少させて、その分短期債の買入を増やそうとしている。

 さらに今回、残存期間10年超については、残存期間の区分を細分化して同時にオファーすることがあるとして、6月23日以降に行う最初のオファーは、残存期間10年超25年以下 1000億円、残存期間25年超300億円とする予定とした。

 日銀の保有する国債の銘柄別残高は5月30日集計分から6月10日集計分の間、40年7回債の日銀保有残高が1759億円増加していた。つまり5月の買入見直し後の10年超のオペ3回で約3000億円のうち、40年債の新発債が1759億円も占めていた計算となる。このため残存25年以上のものについて、特に制限を加えたということになろう。

 19日日経新聞の記事には「市場参加者の少ない40年債の価格をつり上げ、日銀に売却するトレードが一部で盛んだった」との国内証券ディーラーによるコメントも掲載されていた。このような動きが今回の見直しの背景にあった可能性も否定できない。

 これを受けて19日の債券市場では超長期債に売りが入り、30年債は5.5毛甘、40年債は6毛甘に後退した。10年債は前日比変わらず、先物は7銭高となっており、まさに不意を突かれてしまった様子がうかがえる。しかし、日銀としては大胆な国債買入を提示してしまったときに、このような事態が発生することも想像できていたのではなかろうか。

 一部の業者が仮に価格操縦のようなことをしていたとすれば、それはそれで問題であり、日銀はそのような動きを封じるために急遽、再修正を行った可能性もある。しかし、今回のように国債の買入の金額はいつでも簡単に、いきなり動かせるとなれば、市場にはそれに対する不透明感を生じさせることにもなる。黒田日銀総裁は市場と密接な対話をしながら国債買い入れている、とコメントしたようだが、日銀と市場の不協和音はむしろ高まってくる可能性がある。

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by nihonkokusai | 2014-06-23 09:33 | 日銀 | Comments(0)

先物の見せ玉で行政処分

 少し前の記事ではあるが、6月12日の日経新聞によると、証券取引等監視委員会は、中堅証券のむさし証券の自己売買部門の運用担当者が東証株価指数(TOPIX)先物で相場操縦していた疑いがあり、担当者を行政処分するよう金融庁に勧告する方針を固めたそうである。

 先物などデリバティブの相場操縦への勧告は今回が初めてとなるが、これはある意味、画期的なものであると同じに、これまで同様な処分が行われなかったことが不思議なくらいである。

 今回、不正に得た利益は500万円程度とされ、この担当者は昨年夏に大きく2回に分けて、それぞれ成立させる意思のない買い注文を大量に出したとされる。いわゆる見せ玉を行っての相場操縦であった。

 これが具体的にどのようなことを行っていたのかは、記事だけでは明らかではない。ただし、債券先物についても私がディーラー時代でも寄り付き前に、大口の売り買いを入れたり、寄り付き直前に引っ込めたりすることは頻繁にみられた。これは市場参加者の推測する寄り付き水準に対して混乱させようとの意図があったようにも思われた。とは言うものの、ある程度の寄り付き水準は予想可能であり、見せ玉であろうことは容易にわかるケースが多かった。しかし、見せ玉ではなく、本当に大きな玉がそのまま残ることもあったため、実弾の売買が入っている可能性はまったく排除できず、相場を読む上でも非常に迷惑な行為であったことも確かである。

 ザラ場中でも、値段が容易に飛ばないであろう範囲で大きな売買を指し値するということも見られた。ただし、この手法は現在のHFTも入り込んでいるシステムでは高速売買も入ることも想定するとリスクも高い。このため主に寄り前の操作ではなかったかと思われる。

 日本初の金融デリバティブ商品である債券先物取引を含めて、先物取引では見せ玉のような動きは昔からかなり見られた。私もディーラー時代は、迷惑だなとか、取引所で規制はかけられないのかと思ってはいた。取引所などからの注意はあったようだがそれがなくなることはなかった。しかし、今回の行政処分により、この見せ玉という手法が取りづらくなるであろうことは確かではなかろうか。

 今回の金融庁の動きは、LIBORの不正操作や、HFTと呼ばれる超高速取引の規制の動きなども影響している可能性がある。見せ玉についても単独で行うだけでなく、連携して行っている可能性もありうる。商品先物取引などでも日常茶飯事で行われているとされるだけに、相場の読みを乱すような見せ玉への本格的な規制強化は歓迎であり、しっかりと取り締まっていただきたいと思う。

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by nihonkokusai | 2014-06-22 10:58 | 債券市場 | Comments(0)

FRBのメンバー交代と利上げに向けた姿勢

 6月17日から18日にかけてのFOMCから、一部の参加メンバーが代わった。5月28日付でスタイン理事が退任したが、6月12日に米上院本会議はパウエル理事の再任とともに、あのブレイナード前財務次官(国際問題担当)、そして大御所のフィッシャー理事の副議長指名も承認された。

 これにより、現在のFRB理事の布陣は、ジャネット・イエレン議長、スタンレー・フィッシャー副議長、そしてダニエル・タルーロ理事、ジェローム・パウエル理事、ラエル・ブレイナード理事となる。FRBの理事会は7人の理事で構成されるが、現在空席が2つある。こちらについてはいまのところ特に発表はない。

 今年のFOMCで投票権を有しているクリーブランド地区連銀総裁は6月1日付けでピアナルト氏に代わりフィラデルフィア地区連銀の調査部ディレクター、ロレッタ・メスター氏が就任している。

 今回のFOMCでは米国債とMBSの毎月の買入額を100億ドル縮小し、350億ドルにすることを決定した。予定通りに淡々とテーパリングは進行している。このペースで行くと7月29~30日のFOMCで毎月の買入額を250億ドルに減少させ、9月16~17日に150億ドル、10月28~29日に150億ドルを一気に減らしてゼロとすれば、秋のうちに終了することが予想される。

 テーパリングによる米国債への影響はほとんどなく、市場参加者の視線はテーパリング終了後の利上げの時期に移ってきており、テーパリングについては特に大きなアクシデントでもない限り10月に終了するのではなかろうか。

 その利上げの時期を占う上で、FOMCの景気・金利の見通し、さらに今回予定されていたイエレン議長の記者会見の内容に注目が集まった。今年の米成長率については2.9%程度から2.1~2.3%に下方修正したが2015年、2016年については修正はなかった。イエレン議長は会見で「経済活動は第2四半期に持ち直しており、緩やかなペースで拡大が継続する」との見方を示した。

 イエレン議長は記者会見において、利上げの時期については当面(considerable time)が意味するものに機械的な公式などないということであり、すなわち経済動向次第だと述べた。出口もしくはその他の政策パッケージの側面について、これまでの議論で大いなる進展はあったものの、まだ結論には達していないとした。また、利上げが適切な時期が訪れた際、短期金利を引き上げるのに必要な手段を有しており、利上げ後しばらくの間非常に大規模なバランスシートを維持するとしても、短期金利水準をコントロールできる手段を有していることにも自信があるとした(ロイター)。

 イエレン議長は就任後初の3月の会見において、政策金利引き上げ時期に関してテーパリング終了から約6カ月後に行われる可能性があると示唆した。これは失言であったとされ、この発言による市場への影響も出ていたことで、それ以降、イエレン議長は利上げ時期については慎重に言葉を選んでいる。しかし、FOMVメンバーの多くが2015年中の利上げの可能性を予想していることから、来年前半での利上げの可能性は高いと考えられる。

 今後のFOMCで注目すべきは、スタンレー・フィッシャー副議長の存在かもしれない。フィッシャー氏は米国とイスラエルの両国籍を持ち、昨年6月まではイスラエル銀行の総裁だった。バーナンキFRB議長やドラギECB総裁などを教えた大学教授だけでなく、世界銀行チーフエコノミスト、IMF筆頭副専務理事、民間銀行などで実務も経験している。

 イエレン議長をどのようなかたちで支えてくるのか。フィッシャー氏はフォワード・ガイダンスに対して過去に慎重な姿勢を示しており、FRBのアナウンスメント効果を意識した市場との対話に微妙な変化が生じる可能性もある。利上げについては来年前半あたりを目安にスケジュールを組みながら、市場に配慮してタカ派的な色彩をなるべく排除しようとしているのが現在のFRBの姿にも見える。しかし、いずれ利上げそのものを市場に織り込ませる必要もあり、そのあたりの手腕も今後は問われることとなる。

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by nihonkokusai | 2014-06-20 09:14 | 中央銀行 | Comments(0)

3月末時点での日本国債の保有者

 6月18日に日銀は2014年1~3月期の資金循環統計を発表した。この資金循環統計を基に、2014年3月末時点の国債保有者別の残高と全体に占める割合を算出してみた。ただし、これは国庫短期証券を含んだものではなく、国債・財融債のみの数値を個別に自分で集計し直したものである。一般的に国債の保有者の割合としては、こちらの数値が使われることが多い。

 3月末の国債(国債・財融債のみ、国庫短期証券を除く)の残高は、840兆7572億円(12月末827兆0624億円)と前回の12月末から13兆6948億円増加した(速報ベース)。国庫短期証券を加えると約998兆円となる。参考までに日銀の資金循環統計の数値は額面ベースではなく「時価ベース」となっている点に注意いただきたい(財務省の国債残高などは額面ベースが多い)。以下、投資家別に残高の多いものから並べてみた

銀行など民間預金取扱機関 287兆5071億円(12月末287兆4828億円)、34.2%(同34.8%)
民間の保険・年金 225兆3250億円(同224兆3643億円)、26.8%(同27.1%)
日本銀行 156兆8771億円(同143兆6162億円)、18.7%(同17.4%)
公的年金 66兆9164億円(同68兆5603億円)、8.0%(同8.3%)
海外 34兆4478億円(同32兆5652億円)、4.1%(同3.9%)
投信など金融仲介機関 30兆2533億円(同31兆3958億円)、3.6%(同3.8%)
家計 21兆0328億円(同21兆4229億円)、2.5%(同2.6%)
財政融資資金 6043億円(同4947億円)、0.1%(同0.1%)
その他 17兆7984億円(同17兆1602億円)、2.1%(同2.1%)

 2013年12月末に比べて、残高が最も増加していたのが日銀である。12月末比で13兆2609億円の増加となっている。つまり12月末から3月末にかけての全体の増加分13兆6948億円のほとんどは日銀がカバーしていた計算となる。次に増加額が大きかったのは海外で1兆8826億円の増加となり、民間の保険・年金が9557億円増と続く。

 反対に12月末から3月末にかけて残高を大きく落としていたのは公的年金の1兆6439億円の減少。GPIFの運用見直し作業も進んでいるようであるが、国債の残高はすでに落としつつあるようである。投信など金融仲介機関も1兆1425億円減少させてきた。

 銀行など民間預金取扱機関は結果としては12月末の残高とほぼ変わりはなかったが、内容をみてみると農林水産金融機関が3兆1560億円も増加させていた半面、中小企業金融機関等が3兆8355億円もの減少となっていた。

 海外投資家の長期国債のシェアは4.1%。国庫短期証券を含んだ数字で見ると全体の8.4%のシェアとなり12月末の8.3%からやや増加した。個人の長期国債のシェアは2.5%に低下した。

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by nihonkokusai | 2014-06-19 09:13 | 国債 | Comments(0)

狼は意外なところからやってくる

 期待と不安は裏返しではあるが、実は相場にとっては同じものとなる。「恐怖指数」なるものが存在するが、これはオプションのボラティリティ・インデックスであり、相場の不安定さを数値化したもので、投資家が今後の相場に対して過度の不安とともに期待を抱いているときに数値が大きくなる。

 いったんポジションを抱えると相場下落に対する不安に怯える。先物などのデリバティブは本来ヘッジ目的で作られたものであり、売りが容易である。つまりショートと呼ばれるカラ売りのポジションを作れば、こちらは相場上昇への不安を抱えることになる。

 相場参加者の期待と不安が交錯しすることで値動きが生まれる。大きな材料が出ると、その材料に対してネガティブなポジションを抱えている参加者は、そのポジションをどうするのか迷う。人によって相場に対する行動パターンも異なり、ポジションを抱えている状況によっても、その判断は異なってくる。いち早く利益の臭いを嗅ぎ取ったいわゆる足の早い投資家は、新規の仕掛を含めて大きなポジションを作る。その過程で相場は変動し、それにより恐怖指数は上昇し、ロスカットと呼ばれる動きが、さらに相場の動きを加速させる。これにより相場が急低下すると暴落、急上昇すると暴騰となる。

 現在の日本の債券相場は、10年債利回りで0.6%近辺での膠着状態が続いている。この0.6%と言う長期金利はコストや昨年4月の異次元緩和前の水準などを考慮すると、それ以下ではあまり買いたくないという水準とみられ、その意味では実質的な最低水準に近いところで張り付いているかのようである。

 債券相場の動きが封じられているのは、期待も不安もほとんど生じていないと言うことになる。需給だけでみれば日銀が国債を買い支えている格好であり、業者は卸売業化し、財務省から入札で購入した国債を日銀に流し、一部を投資家に販売する。利ざやは薄くても在庫を抱えるリスクはほとんどない状態にある。相場変動が抑えられている分、投資家も運用益は限られるが、価格変動リスクはあまり意識する必要がなくなっている。

 それではどのようなタイミング、何がきっかけで債券市場に再び期待や不安が渦巻くことが起こりえるのか。ファンダメンタルズからみて乖離しているかにみえる長期金利が修正されることがあるのか。それとも下限と意識されている0.6%という水準を再度、大きく割り込むことはあるのか。

 この水準で長期金利が上がるか下がるかの賭けをするとなれば、低下幅はあと0.6%しかないのに比べて、上昇方向はほぼ無限大に近い。当然ながら金利上昇に賭けるほうが分がありそうだが、ここ15年程度は金利上昇に賭けてもほとんど負けている状態にある。国債暴落を唱える者は狼少年と称されてきた。その状態はいつまで続くのか。

 現在の債券市場参加者には、2%の物価上昇への期待などよりも、将来にわたっての長期金利の低位安定との期待が強く蔓延している。相場下落の不安がないため、長期金利は低位で張り付いている。その構図が崩れることはあるのか。

 動かない状態が続けば続くほどマグマが蓄積されている可能性はある。国債である以上、日本の財政そのものへのリスク、さらに長期金利を抑制しているとされる日銀の金融政策に対するリスク、これらが何かしらのかたちで市場参加者に不安を生じさせたときに、相場は大きく動く可能性を秘めている。いまのところそのリスクが顕在化するような気配はない。それでも大地震への備えと同様に国債市場の急変動を想定した心の準備をしておく必要はある。相場の世界では狼は意外なところからやってくる。

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by nihonkokusai | 2014-06-18 09:02 | 債券市場 | Comments(3)
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