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2012年の債券相場を振り返る

 今年の債券相場は債券先物で142円53銭、10年債利回りは0.990%と1%割れでのスタートとなった。1月25日に発表された2011年の貿易収支は31年ぶりの赤字となったが債券市場への影響は限定的であった。1月24日から25日にかけて開かれた米FOMCでは、現在の超低金利政策を2014年の遅い時期まで続ける方針を打ち出し、長期的なインフレ目標として個人消費支出(PCE)物価指数の前年比2%上昇を掲げた。

 2月14日の日銀の金融政策決定会合では、中長期的な物価安定の目途として消費者物価指数の1%を掲げ、資産買入等の基金を10兆円増額した。14日の債券先物はこの発表を受け、一時1円近く上昇し143円37銭をつけた。2月24日の外為市場で円は急落し、ドル円は81円台、ユーロ円は109円台をつけた。この円安が支援材料となり27日の東京株式市場は買いが先行し、日経平均は約半年ぶりに9700円台を回復した。

 ギリシャ債務交換への参加が十分な水準に達するとの期待の強まりなどから、3月9日に日経平均は一時1万円を回復するなど株式市場は切り返してきた。米債安もあり、3月14日の10年債利回りは1月25日以来の1%台乗せとなった。14日の米債券は大幅続落となり米10年債利回りは2.28%近辺に上昇。外為市場では円安が進み、債券先物はさらに売り込まれ、16日に140円99銭まで下落、しかし、その後切り返して29日には142円台を回復した。16日までの円債はあくまで一時的な調整売りが入ったに過ぎず、その後は投資家の押し目買いにより相場は反発した。

 実質新年度入りしての債券相場は、銀行による期初の売りが入ったとみられ、売りが先行した。4月2日の債券先物は141円67銭まで下落。FRBによる追加緩和への思惑が後退し、米10年債利回りは2.3%近くまで上昇した。その後欧州の信用不安再燃への思惑から円高が進み、米10年債利回りは2%を割り込み、日本の10年債利回りも11日に0.935%まで低下した。4月23日の約定分から、国債取引の決済期間が現行のT+3からT+2に短縮されたが、事前の準備は進められていたとみられ、特に混乱はなかった。27日の金融政策決定会合では資産買入等の基金を5兆円程度増額し、国債買入は10兆円の増額となり、買入対象となる長期国債の残存期間も1年以上3年以下に延長された。これを受けて10年債利回りは0.885%に低下した。

 5月6日のフランス大統領選挙ではオランド氏の当選が確実となり、ギリシャの議会選挙は連立与党が過半数割れとなった。ギリシャでは再選挙の可能性が高くなり、ギリシャがユーロ圏を離脱するのではないかとの懸念も出た。リスクオフのムードが強まるスペインの金融システムをめぐる懸念も強まり、ドイツの10年債利回りは1.5%割れと過去最低水準に低下した。ギリシャの連立協議は決裂し6月の再選挙が確定。17日にムーディーズはスペインの銀行を格下げした。欧州への懸念が再燃しリスクオフの動きを強め、外為市場ではユーロが売られ、ユーロ円は100円台に。17日にドイツの10年債利回りは1.42%近辺と過去最低を記録し、米10年債利回りも昨年9月につけた1.67%付近まで低下した。24日にフランスの5年債利回りは過去最低を記録し、英国の10年債利回りも過去最低を更新した。29日の2年国債入札は事務トラブルが原因で再入札となったが、応札倍率は10倍近いなど順調な結果となった。

 ドイツ、フランス、オーストリア、ベルギー、オランダ、フィンランドの10年債利回りは過去最低水準に。英国の10年債も一時1.5%割れとなり、米国の10年債も一時1.44%近辺と過去最低水準に低下した。6月4日に日本の10年債利回りは2003年7月1日以来となる0.8%割れに。スペインの格下げなどもあり、スペインの長期金利は一時7%を上回るなどしたが、ドイツ国債や英国債の利回りも下落基調となり、やや動きに変化も見られた。7日のギリシャの再選挙では緊縮派の2党が過半数を制し、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性は後退した。22日にECBが資金供給オペの担保の基準を緩和する方針を発表し、スペインの10年債利回りは6.4%近辺に低下した。26日には社会保障の税の一体改革法案が衆院で可決され、これは債券相場には好材料と捉えられ、28日に10年債利回りは0.8%ちょうどまで低下した。28日からのEU首脳会議では、ユーロ圏の銀行の監督制度を統一し、EFSFとESMを活用して金融市場で国債を支援することも認められるなど銀行監督・国債支援で合意した。これを受けて29日の債券先物は143円65銭まで下落し、日経平均は一時9000円台を回復した。

 7月5日のECB政策理事会やイングランド銀行のMPCでは予想通りの追加緩和を決定したが、場ではECBに対し国債買入等の踏み込んだ対策を期待していたことで、スペインやイタリアの国債は再び売り込まれた。債券先物は6月4日以来の144円台を回復。スペイン10年債利回りは7%を超え、イタリアの10年物国債の利回りも6%台まで上昇した。ドイツの2年債利回りはついにマイナスとなり、9日に日本の10年債も0.8%割れとなった。スイスやドイツ、デンマークの2年債利回りはすでにマイナス圏にあったが、フランスやベルギーの短期国債の利回りもマイナスに。18日にはスペインの10年債利回りは再び7%台に上昇した。日本の10年債の利回りも20日に0.735%と2003年6月27日以来の水準にまで低下。18日に日銀は国債買い入れの残存期間1年以下を対象に0.1%の下限金利を撤廃した。20日にスペインのバレンシア州は中央政府に対し金融支援を要請し、スペインは全面的な財政支援の要請を余儀なくされるとの懸念が強まった。スペインの10年債利回りは7.7%近辺まで上昇した。ドイツ、フランスやベルギーの10年債利回りは過去最低水準に低下した。米10年債利回りも低下し1.4%を割り込んだ。このため、円債も買いが入り23日から25日にかけての債券先物は144円64銭まで買われ、10年債利回りは23日から26日にかけて利回りが0.720%まで低下した。7月26日にECBのドラギ総裁は講演で、高利回りの問題はECBの責務の範囲内にあるとし、ECBは責務の範囲内で、ユーロ存続のために必要ないかなる措置をも取る用意があると表明した。27日にはドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は28日に電話で会談し、両国がユーロ圏防衛であらゆる措置を取ることで合意したとの声明を発表した。このため、30日の債券先物は下落し144円07銭の安値引けに。

 8月7日に自民党が衆院への内閣不信任決議案や、参院への首相問責決議案を提出する構えを見せていることが明らかとなり、消費増税の行方が不透明となった。さらに債券先物でシステム障害が発生したことから、売りが現物債に持ち込まれ、取引が再開されてからの先物にも入った。東京株式市場は上昇していたこともあり、7日から8日にかけて債券は下落ピッチを早め、10年債利回りは0.8%台に上昇した。債券先物も144円を割り込み、8日には143円75銭まで売られた。欧州では再びギリシャの債務に関する交渉などの行方が気になり、再びリスクオフの動きが強まった。

 9月6日のECB政策理事会では償還期間1~3年の国債を無制限で買い入れることを決定した。これを受けイタリアやスペイン、ポルトガルの国債が買われ、ドイツ国債や米国債は下落した。欧米の株式市場は軒並み上昇しダウ平均はリーマン・ショック後の高値を更新。債券先物は売りが先行し144円を割り込み、10年債利回りも0.820%に上昇した。13日のFOMCでFRBはMBSを毎月400億ドル買い入れるなどの追加緩和策を発表。14日の債券相場は日銀の追加緩和への期待も手伝って買われ、10年債利回りは0.8%割れとなった。19日の日銀金融政策決定会合では資産買入等の基金を10兆円程度増額するという追加の緩和策を決定した。さらに買入における下限金利を撤廃した。この追加緩和により、市場でのリスクオンの動きを強めることになり、日経平均は上昇し9200円台をつけ、債券は戻り売りに押され、10年債は0.815%に後退した。しかし、スペインやギリシャの債務問題への警戒感が再燃し、27日の日本の債券先物は144円25銭まで買われ、現物10年債利回りも0.770%に低下した。

 ドラギECB総裁は会見で債務危機克服に慎重ながら楽観論の兆候があると指摘し、10月12日のユーロ圏の債券市場では、域内17か国の国債利回りが揃って低下した。ギリシャがユーロ圏を離脱するとの観測が後退し、15日のギリシャの10年債利回りは大きく低下した。17日にムーディーズはスペインの格付けを据え置くと発表し、これが好感されてスペインの10年債利回りは今年4月以来の水準に低下。ドイツや英国、米国債は大きく下落し米10年債利回りは1.8%近辺に上昇した。18日の債券先物は売りが先行し143円79銭まで下げ、10年債利回りも0.795%に上昇した。10月29日から30日にかけてはハリケーンの影響で、米株式市場は2日間に渡り閉鎖され米債券市場も30日は休場となった。30日の日銀の金融政策決定会合では、資産買入等基金の規模の11兆円増額を決定した。決定会合後に公表文とともに日銀総裁と財務相・経済財政相の連名による「デフレ脱却に向けた取組について」という共同文書が公表された。これを受けて今後の追加緩和期待も手伝い、外為市場では円高の動きも一時的となり、東京株式市場も堅調地合となった。

 11月7日の米大統領選挙では、オバマ大統領が再選を果たしたが、米議会はねじれの状態が続く中、財政の崖への警戒感が強まり、7日のダウ平均は312ドルもの下落となった。8日の債券先物は買いが先行し、特例公債法案が審議入りしたことで超長期債に買いが入ったこともあり、債券先物は144円50銭まで上昇した。8日のダウ平均は前日比121ドル安と大幅続落となり、米10年債利回りは1.62%近辺に低下。円高の動きも手伝い、9日の債券先物は144円61銭と今年の最高値に接近した。14日の党首討論で野田首相は16日に衆院を解散する方針を表明し、解散総選挙の日程が具体化した。これを受けて14日夕方以降の外為市場で円売りが進んだ。安倍自民党総裁は11月17日に熊本市内で講演し「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう」と述べ、日銀が建設国債を全額引き受けるのが望ましいとの考えを表明した。この発言等を受けて円安が進行。債券先物は144円53銭まで下落する場面もあったが、日銀への緩和圧力の強まりもあり下値も限定的に。ギリシャへの次回融資についてドイツのメルケル首相が26日の再協議で合意できる可能性があるとの見方を示し、ドル円は82円台半ば、ユーロ円は一時106円台と円安がさらに進行した。22日の日経平均は9300円台を回復。27日にユーロ圏財務相とIMFは、ギリシャ融資の実施や債務削減策で合意した。しかし今度は米国の財政の崖問題への警戒感が強まり、米債は買われ10年債利回りは1.65%近辺に低下した。28日の債券先物は144円80銭まで上昇し、2003年6月以来の水準に。

 欧米市場ではギリシャの信用不安がやや後退したものの、米国の財政の崖問題は解決の糸口が掴めず、ドイツやスイス、フランス、そして米国の国債などには安全資産としての買いが入った。6日に10年債利回りは0.685%まで低下した。債券先物は12月10日に前後場での3月限の出来高が12月限を上回り、実質的に中心限月が3月限に後退した。11日が最終売買日となった先物12月限はこの日に145円30銭をつけて、2003年6月11日につけた債券先物の過去最高値の145円28銭を更新した。しかし、欧州では信用不安が後退し、日銀の追加緩和期待などを背景として円安が進行したことから、日経平均も上昇基調に。12日の米FOMCでは月450億ドル規模の米国債購入を決定し、失業率に対する数値目標を設けるなどしたが、これはむしろインフレ懸念等から米債には売り要因となった。2月16日の衆院総選挙において、自民・公明両党は、衆議院のすべての議席の三分の二を上回る議席を獲得した。これを受け円安の流れが加速し、大型補正予算編成への思惑等から日経平均は19日に1万円台を回復した。20日の金融政策決定会合で日銀は資産買入等基金の10兆円増額等を決定した。これにより買い戻しが入る場面もあったが、10兆円規模とされる大型補正予算が編成される可能性が高まり、それによる国債増発も意識されてか債券下落基調となり、27日に10年債利回りは0.8%台に上昇した。

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by nihonkokusai | 2012-12-31 10:16 | 債券市場 | Comments(0)

二代目平成の高橋是清への期待と不安

 平成の高橋是清と呼ばれた人物がいた。高橋是清と同様に異例ともいえる総理大臣の経験者が蔵相となった宮澤喜一氏である。そして今回の第二次安倍政権でも、総理大臣の経験者である麻生太郎氏が財務相(副総理兼財務・金融・デフレ脱却円高対策担当相)に就任した。いわば麻生財務相は、二代目平成の高橋是清と称されてもおかしくはない。もちろん、ご本人は二代目と呼ばれるのを嫌がるかもしれないが。

 二代目を語る前に、初代がいかなる蔵相であったのかを確認してみたい。宮澤喜一氏は1998年に小渕内閣が発足した際に、未曾有の経済危機に対処するため小渕恵三首相から大蔵大臣就任を要請され、それを受諾した。戦前に活躍した高橋是清と同様に異例の総理大臣経験者の蔵相就任となったため、平成の高橋是清と呼ばれたのである。

 首相を経験し、犬養内閣の成立の際に蔵相に就任した高橋是清は積極財政によって当時の日本の経済を立て直した。宮沢氏には同様の働きを期待されたものと思われる。実際、宮澤喜一氏はもともと自らケイジアンと称したとされ、やはり積極的な財政政策を推し進めることになる。

 宮澤喜一氏は続く森内閣でも蔵相に留任し初代の財務大臣となった。つまり宮沢氏は、小渕政権と森政権を通じて(1998年7月-2001年1月)、蔵相・財務相となっていた。1998年7月に成立した小渕恵三政権では次々と経済刺激策を打ち出し、国債が大量に増発された。これをきっかけに米格付け会社が日本国債を格下げしたり、1998年末には運用部ショックと呼ばれた国債の急落も招いている。

 「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」のグラフを確認してみると、1998年(平成10年)あたりから、歳出総額と税収の差がさらに大きく開いていることがわかる。つまり、宮沢蔵相による積極的な財政政策により「ワニの口」が大きく開きだしたきっかけになっている。当然ながら新規国債発行額も平成10年度に大きく増加した。

「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」、財務省
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

 そして、今回の安倍新内閣では麻生太郎氏が財務相となったが、やはり麻生氏も高橋是清や宮沢氏と同様に、積極的な財政論者として知られる。

 麻生氏は2008年9月24日に第92代内閣総理大臣に就任したが、その数日前の15日にリーマン・ブラザーズが破綻し、いわゆるリーマン・ショックが発生した。これは麻生氏にとって、ある意味良いタイミングであったのかもしれない。財政再建が叫ばれていた中にあり、世界的に金融経済ショックを理由に、積極的な財政政策が取れたためである。10月末には事業総額26.9兆円の追加経済対策を発表するなど、最終的には75兆円規模の景気対策を実施した。

 ここでまた「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」のグラフを確認してみると2009年度に、さらに口が大きく開いていることがわかる。

 そして今回、その麻生氏が二代目平成の高橋是清として登場した。麻生財務相はデフレ脱却を図るためとして、政府による財政出動が必要であると27日のNHKのニュース番組で発言している。安倍政権はすでに10兆円規模とされる補正予算の編成を打ち出しており、麻生財務相は初閣議後の記者会見で、今年度の国債発行について民主党政権が定めた44兆円の発行枠に、こだわらないとの考えを示した。

 今年は欧州における信用不安の後退などから円高修正の動きが入り、安倍氏による発言等がその動きを加速させることになった。円安進行を好感し株も買われ、日経平均は28日に一時10400円台まで上昇した。この株価の上昇の背景には、政府による積極的な財政政策への期待も含まれていよう。

 しかし、これによりワニの口はさらに大きく拡がることが予想される。いったいいつまでワニは口を開けていられるのか。アゴが外れてしまうと財政政策どころではなくなる恐れもある。そんな期待と不安が、二代目平成の高橋是清には存在する。

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by nihonkokusai | 2012-12-30 11:48 | 財政 | Comments(0)

2012年9月末の日本国債(短期債除く)の保有者

 12月20日に日銀は今年7~9月期の資金循環統計を発表した。これによると2012年9月末時点の家計の金融資産は1509兆6129億円(2012年6月末速報値1515兆1479億円)となり、家計の金融資産は1500兆円近辺での頭打ち状態が続いている。

 家計の金融資産・負債差額は1155兆1602億円(同1159兆2780億円)であり、一般政府の債務残高は1132兆7203億円(同1123兆9187億円)となり、家計の金融資産・負債差額と一般政府の債務残高が接近しつつある。

 家計の現金・預金は839兆6609億円と過去最高を記録した前回6月末の844兆1202億円からは減少したものの、高水準であるのも確かである。また、こちらも国債投資の原資となる民間の非金融法人企業の現金・預金は224兆6507億円と前回より増加していた。

 この資金循環統計を基に、2012年9月末時点の国債保有者別の残高と全体に占める割合を算出してみた。ただし、これは国庫短期証券を含んだものではなく、国債・財融債のみの、国庫短期証券は含まない数値を個別に集計し直したものである。一般的に国債の保有者の割合としては、こちらの数値が使われることが多い。(エクセルで国債・財融債のみ抜き出して、わかりやすい保有者別に集計し直すが、そこそこ手間が掛かる作業。集計し直したエクセルファイルがほしい方は御連絡を)。

 9月末の国債(国債・財融債のみ)の残高は、780兆1016億円(同773兆1580億円)と前回の6月末から6兆9436億円増加した(速報ベース)。国庫短期証券を加えると約948兆円となる。参考までに日銀の資金循環統計の数値は額面ベースではなく時価ベースとなっている。

 日本国債の最大の保有者は、銀行など民間預金取扱機関となり、金額で270兆6741億円(6月末272兆172億円)、全体に占める割合は34.7%(同35.2%)となった。次に民間の保険・年金が209兆4620億円(同205兆9916億円)の26.9%(同26.6%)、そして、日本銀行が83兆7171億円(同79兆5140億円)で10.7%(同10.3%)、公的年金が66兆5868億円(同68兆7312億円)の8.5%(同8.9%)、海外が56兆695億円(同53兆895億円)の7.2%(同6.9%)、投信など金融仲介機関が38兆7578億円(同38兆3454億円)の5.0%(同5.0%)、家計が25兆4965億円(同27兆35億円)の3.3%(同3.5%)、財政融資資金が8450億円(同7693億円)の0.1%(同0.1%)、その他28兆4928億円(同27兆6963億円)の3.7%(同3.6%)となった。

 前回の2012年6月末に比べて残高が大きく増加していたのが引き続き日銀で4兆2031億円増、続いて民間の保険・年金銀行の3兆4704億円増、海外の2兆9800億円増となっていた(速報ベースでの比較)。

 これに対して減少していたのが、公的年金の2兆1444億円減、家計の1兆5070億円減、そして銀行など民間預金取扱機関で1兆3431億円減となっていた。

 日銀は引き続き基金による国債買入等も進め残高は膨らみ、全体のなかのシェアも10%台をキープ。生保や海外投資家も引き続き買い越していたことで、公的年金などの売りをカバーした格好に。

 国庫短期証券を含んだ数字でみると、海外は全体の9.1%のシェアとなり(日銀の参考図表を参考)、これまで最高だった6月末の8.7%を上回り過去最高を更新した。海外投資家が徐々にその存在感を高めつつある。

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by nihonkokusai | 2012-12-28 09:36 | 国債 | Comments(0)

大胆な金融緩和に前向きの姿勢を示した日銀

 26日に11月19日・20日に開催された日銀の金融政策決定会合議事要旨が発表された。当面の金融政策運営に関する委員会の検討において、何人かの委員から、「今後も適切な情報発信を通じ、日本銀行の政策に対する信認を確保していくことは、金融政策の波及効果を高めるうえで、きわめて重要であるとの認識を改めて示した。」とある。これはあらためてアナウンスメント効果を意識した発言のように思われる。今回の議事要旨を見ると、かなり日銀のスタンスに変化が生じていたことが伺える。

 「委員は、日本経済がデフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると確認したうえで、この課題は、幅広い経済主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しがあいまって実現されていくものであるとの認識を共有した。」

 デフレ脱却を全面に打ち出し、さらに政府による成長力強化の動きに金融政策も歩調を合わせることを課題としてあげている。

 「何人かの委員は、景気や物価の見通しが更に下振れたり、見通しを巡るリスクが大きく高まるような場合には、様々な選択肢をあらかじめ排除することなく、その効果とリスクを十分検討したうえで、適切な措置を果断に講じていく必要があると述べた。」

 これも以前から同様の発言はあったが、日銀は今後も積極的に金融緩和を行うとの姿勢を強調した。

 「何人かの委員は、金融政策による為替相場への働きかけを強める観点から、一段の工夫が必要ではないかとの問題意識を示した。」

 この会合が行われていた時点で、安倍自民党総裁による「政権をとった暁には日銀と政策協調を行い、大胆な金融緩和を行っていくことを約束する」といった発言が伝わっていたと思われる。すでに円高調整基調となっていたところに、安倍総裁の発言が伝わったことで円安の動きも加速しており、このあたりの情勢も意識されて金融政策による為替相場の働きかけを意識する委員が増えてきたように思われる。

 「このうち複数の委員は、為替市場などでは日本銀行の金融緩和姿勢に誤解や疑念が存在するとの認識を示したうえで、それらを払拭し、金融緩和効果の一層の浸透を図る観点から、当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していくとのコミットメントの文言を変更することが市場の予想に働きかけるうえで有効ではないかと、前回会合と同様の問題提起を行った。」

 10月30日の決定会合議事要旨を確認すると、この意見について「大方の委員は、現時点でコミットメントの文言を修正することには慎重な見解を表明し」コミットメントの文言の変更が必要な状況にはないとの指摘があった。

 これに対して今回も「複数の委員は、イールドカーブが現状きわめて低位で安定していることを踏まえると、たとえコミットメントの文言を変更しても追加的な長めの金利の低下効果は殆ど期待できない」としたものの、今回はいろいろと興味深い意見が付け加えられている。

 「一人の委員は、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置を通じた強力な金融緩和について、消費者物価の前年比上昇率1%を達成するまでオープン・エンドとすることを対外公表文に明記することが考えられると述べた。」

 「一人の委員は、信用力の高い一部の国の短めの国債利回りがマイナス圏にあることを指摘したうえで、超過準備への付利の廃止には金融市場の機能低下等の様々な問題があるものの、これによりわが国の短期国債の利回りを一段と引き下げることができれば、退避通貨としての円の魅力を減ずることになり、為替相場にも働きかける可能性があると述べた。」

 「この点に関し、別の一人の委員は、短期国債利回りの低下を図る手法として、現状の超過準備への付利を維持したまま、短期国債買入れを増額することも考えられるとコメントした。」

 最初の委員はいわゆるハト派の筆頭とも言える佐藤委員の発言ではないかと予想される。また、付利撤廃については12月の会合で議案を提出した石田委員の意見ではないかと予想される。これらの発言内容から見て、11月にはさすがに追加緩和こそ実施されなかったものの、追加緩和に向けてかなり前向きとなっている状況が浮かび上がる。

 ただし、この会合に出席した内閣府の出席者からは、「円高基調の是正とデフレ脱却は、日本経済のきわめて重要な課題であるが、金融緩和だけで全てを解決できる訳ではなく、経済の体質改善を進めていく必要がある。また、日本銀行の独立性は尊重されるべきである。」との発言があった。この内閣府の出席者(前原誠司経済財政政策担当大臣)は、安倍自民党総裁の発言を意識してこのような発言をしたようにも思うが、この観点もたしかに重要である。

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by nihonkokusai | 2012-12-27 09:36 | 日銀 | Comments(0)

日銀への恫喝が続くことへの怖さ

 自民党の安倍晋三総裁は23日のフジテレビ番組で、日銀が来年1月の金融政策決定会合で物価上昇率目標(インフレターゲット)の設定を見送れば、日銀法改正に踏み切る考えを明らかにした(日経新聞)。

 「次の会合で残念ながらそうでなければ、日銀法を改正して、インフレターゲットをアコード(政策協定)を結んで設ける」とも述べたそうであるが、これは明らかな恫喝とも言えるものであろう。

 今から約20年前の1992年2月に当時の金丸自民党副総裁が「日銀総裁の首を切ってでも公定歩合を下げるべきだ」と発言したことを記憶している方もいるのではなかろうか。当時はまだ日銀法は改正されておらず、日銀総裁が大蔵大臣の命令に違反した場合、または日本銀行の目的達成上、特に必要があると認められるときには、内閣が日銀の役員を解任できると規定されていた。ただし、この規定が発令されたことはなかった。

 ちなみにインフレターゲットを世界で最初に取り入れたニュージーランドでは、同国の準備銀行法第49条で「準備銀行が、財務大臣との合意(PTA)に基づき決定された政策目標の達成を確保するにあたる総裁の実績が不十分であった」場合、総裁を罷免できるとされている。ただし、こちらも総裁罷免権が実際に行使されたことはない。

 さらに安倍氏は「雇用についても責任を持ってもらう」と強調したそうである。米国の中央銀行制度では、物価安定と雇用最大化を促すというデュアル・マンデートとも呼ばれるFRBの2つの使命(目的)を持っている。さらに今月12日のFOMCでは、米失業率が6.5%を上回り、向こう1~2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利を低水準にとどめるという目標を課した。これも意識しての安倍総裁の発言であったかと思われる。

 このあたりについて、日銀は次回会合までに「物価安定の目途」の見直しを行うことを指示した。つまり、これは安倍総裁の要請もあり、2%という物価目標とアコードを検討するということになると予想される。新政権からはインタゲをやらないならば日銀法改正をちらつかせており、来年の総裁、副総裁人事なども見据えて、日銀としては飲まざるを得ない面もあろう。

 しかし、いったんこのような脅しに屈するとなれば、次から次へと要求が突きつけられることが予想される。CPIの動向のみならず、名目GDPや失業率の数字を見ながら、日銀の緩和が足りないとばかり、次々と追加緩和が要求されるような事態ともなりかねない。

 そもそも、白川総裁はゼロ金利下で物価を上昇させるプロセスにおける金融政策上の困難を指摘している。さらにこれは米国でも議論されていることであるが、金融政策が雇用の改善に働きかけるプロセスは、はっきりしていない。米国の今回の目標設定も、内容はかなりフレキシブルなものとなっている。

 しかし、リフレ派の意見を取り入れている安倍氏は、フレキシブルな金融政策などとうてい飲めず、物価の上昇も雇用の促進も日銀に責任を押しつけ、それが達成できないとなれば、総裁などの罷免も行うつもりのように見受けられる。

 これが何を意味するのか。中央銀行の独立性に関わる大きな問題であるとともに、そもそも中央銀行が金融政策で物価や雇用に直接働きかける手段は、現在の金融政策の仕組みでは持ち得ていない。それを行うには、まさに輪転機に働きかける必要があり、それも安倍総裁はすでに指摘している。そのあたりのことを考えれば、巨額債務を抱えた日本で、今後、非常に恐ろしい事態になりうる可能性があることを覚悟する必要があろう。これはどこかで歯止めを掛けなければいけない。

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by nihonkokusai | 2012-12-26 08:15 | 日銀 | Comments(3)

次期日銀総裁と副総裁人事の行方

 総裁を含む日銀の政策委員の人事等については、形式上は内閣官房副長官から国会に提示されることで、最終判断は首相官邸にある。

 イングランド銀行総裁の人事については、副総裁含めて、首相の助言に基づいて女王が任命する形式となっている。その人選にあたっては財務省の影響が大きく、これまでは現役の総裁や財務次官などと検討し、財務相が首相に候補者を推薦する格好となっている。

英国政府は11月26日に、英国の中央銀行であるイングランド銀行のキング総裁の後任にカナダの中央銀行であるカナダ銀行のマーク・カーニー総裁を任命すると発表したが、これに奔走したのが、 オズボーン財務相とされる。

 次期日銀総裁の人事についても、日銀への関与を強める安倍総裁とともに、次期副総理兼財務相とされる麻生氏あたりを中心に人選が進められるのではないかとも予想される。

 2013年3月には日銀の二人の副総裁、西村氏と山口氏が任期満了を迎える。また、4月には白川総裁が任期満了となる。それぞれ再任も可能であるが、少なくともこれまでの報道等を見る限り、安倍総裁が白川総裁を再任させることは考えづらい。また、山口氏と西村氏の総裁昇格についても、現在の日銀執行部には批判的に安倍氏であるため考えづらい。

 この場合に総裁だけというよりも、副総裁人事と絡めて3名の人事をまとめて行うことが予想される。日銀の政策委員などを決める国会同意人事は、政府が国会に候補を提示し、衆参それぞれの本会議で同意を得ることが必要となる。自公は参院で過半数に届かない状況であり、野党の協力を求める必要がある。

 前回2008年の際の日銀総裁人事では、やはりねじれ国会となる中、当時の野党であった民主党は、与党の自民党が提出してきた財務省出身の総裁候補を参院でことごとく否決し、戦後初めて総裁ポストが空席となるという異常事態が発生した。今回も同様のケースとなることも予想される。

 ただし、安倍総裁の日銀に対する考え方は、みんなの党や民主党の一部議員も同様の考え方をしている。いわゆるリフレ派と呼ばれる議員も多い。このあたりを取り込んで、より金融緩和に積極的とされる人物を官邸が提示してくる可能性がある。

 しかし、マーケットにも配慮すれば、多少なりバランスも意識されると思われる。このあたり自民党内でも、リフレ政策に慎重な向きもおり、少なくとも3名のうち1人は日銀出身者が入ることが予想され、たぶん副総裁となるのではないかと予想する(これはあくまで期待であり、今回はあまり淡い期待は抱かない方が良い化も知れないが)。

 残りの総裁と副総裁の人事については、総裁はたとえばリフレ派かそれに近いとされる学者などが候補に挙がると予想される。これには岩田一政元副総裁、竹中平蔵氏などが候補に上がるのではなかろうか。この人選については、内閣官房参与(経済担当)に起用される浜田宏一氏あたりも関係してくる可能性がある。

 副総裁については、財務省出身者あたりが望ましいと思うが、執行部3名中、2名はリフレ派で占めさせようとの動きも出る可能性もある。

 これらはあくまで勝手な予想であり、何かしら根拠のあるものではない。そもそもまだ安倍新政権も出来ていない状況でもある。しかし、それでもすでにこの日銀総裁人事までもが非常に気になる状況にあることも確かである。

 ただ、ここで一点だけ指摘しておきたい。いわゆるリフレ政策を主張する人物を中銀トップに据えても、その政策を行ってくるとは限らない。日銀は金融政策だけを行う機関ではなく、金融という非常に重要なインフラを抱えているところである。そこのトップに座れば、自らの政策の重要性、責任等が現場を通じて見えてくる。やれるものやれないもの、やって良いものいけないものが、当然見えてくる。立場変われば意識も変わる。それを示す良い事例がある。現在の米国の中央銀行であるFRBのトップにいる人物である。結果としてFRBはインフレターゲットを採用したのではないかとの見方もあろうが、その人物は今年の1月のゴールの設定に対しても、頑なにこれは昔の彼の持論であったインフレ・ターゲットではないと発言していたのである。その前にもう一人、立場変われば特に金融政策への意見も変わってほしい総裁もいるが。

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by nihonkokusai | 2012-12-24 09:58 | 日銀 | Comments(0)

11月の債券市場における投資家の動き

 12月20日に日本証券業協会は11月の公社債投資家別売買高を発表した。これによると短期国債を除くベースで、都銀は2647億円の売り越しとなり2か月連続での売り越しとなった。

 それに対し、地銀が2359億円の買い越し、信託銀行が4686億円、農林系金融機関も6521億円、第二地銀が1395億円、信用金庫は1327億円のそれぞれ買い越しとなった。

 生保は9110億円の買い越し、そして海外投資家も9080億円の買い越しとなっていた。

 国債の投資家別売買高でみると、都銀は超長期債を3794億円売り越し、中期債を1618億円買い越していた。10月には期初の益出売りが入っていたとみられるが、11月はデュレーションの短期化を図っていたようである。

 地銀は超長期債を417億円、そして中期債を1779億円買い越し、長期債を2714億円売り越していた。信託銀行は超長期債を4060億円の買い越し。農林系金融機関は超長期を3683億円、長期債を1104億円、中期債を910億円それぞれ買い越し。

 生保は超長期債を8131億円の買い越し。そして外国人は長期債を3592億円、中期債を4687億円買い越していた。

 11月の債券相場そのものは上昇基調となっていたものの、都銀は2か月連続での売り越しとなり、かなり慎重姿勢となっていたようである。ただし、超長期債への都銀からの売りはあったものの、引き続き生保や農林系金融機関などが買い越しとなり、債券市場の需給はしっかりしていた。

 債券先物の日足チャートを見ると、11月は主に144円台でのジリ高の展開となっていた。10年債利回りも月初の0.785%から月末には0.710%まで低下していた。ただし、超長期債については月初と月末の水準にあまり変化なく、生保や信託銀行は押し目買い主体の動きであったと思われる。

 ちなみに11月の短期債の売買高をみると、外国人がこの月も13兆9265億円の買い越しとなっていた。10月の12兆1459億円、9月の13兆2681億円、8月の12兆3960億円、7月の14兆1707億円、6月の11兆4585億円、5月の11兆6562億円と、外国人は昨年10月以降、10兆円を超える短期債の買い越しを継続させていた。

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by nihonkokusai | 2012-12-22 10:53 | 債券市場 | Comments(0)

円安株高の主因はアベノミクスではない

 犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛むとニュースになる。金融関係であれば、危機的状況が起きれば大きくニュースとして報じられるが、その危機が収束に向かってもそれはあまりニュースにならない。

 金融市場関係者であれば、当然のごとくチェックしていることでも、金融にあまり関わりの無い人にとっては、金融に関する最新情報はテレビや新聞などのマスコミから伝わる物を鵜呑みにしがちかと思われる。

 19日夜のテレビのニュースでは、円安・株高の要因として真っ先にユーロ圏の信用不安の緩和も指摘はしてはいたが、あくまでそれは前置きの格好であり、安倍政権への期待の強さを強調していたように思われる。これではまるで政権交代が円安株高を誘発したかに見える。

 たしかに政権交代への期待感が、円安を背景として株高を演出した要因のひとつであることは確かである。しかし、そもそもこの円安そのものは日銀による追加緩和期待だけが背景で起きたものではない。たとえ政権交代はなくとも、円は売られやすい地合となっていたことも認識しておくべきかと思われる。

 ここにきての円安の直接的な理由は、これまでの極端な円高の動きの修正が入ってきたためである。それにはリーマン・ショックが冷めやらぬ中で発生したギリシャを主体とした欧州の信用不安が、ECBとともに独仏を中心としたユーロ諸国の必死の努力により、少なくともユーロ崩壊といった最悪の状況に陥る可能性が後退したことが大きい。

 ギリシャ・ショックを示す象徴的な指標は何であったのかを思い出してほしい。もちろん外為市場でのユーロ売りもあったが、それよりもギリシャ国債の急落、つまりはギリシャの長期金利の急騰がまさに象徴的なものであったはずである。ユーロからの離脱も取り沙汰された2012年3月にギリシャの長期金利は40%近くまで上昇した。

 ところが12月19日のギリシャの長期金利は、一時11.33%にまで低下しているのである。2010年初頭にギリシャの財政状況の悪化が表面化し、ギリシャの長期金利は5%近辺から一気に10%を超えてきた。そこから上昇基調を辿ることになる。今年3月には40%近くまで上昇したが、その後は低下基調となり、ギリシャの長期金利はひとつの節目ともみられる10%近くにまで低下し、ピーク時からは三分の一以下となっている。

 ギリシャの長期金利ばかりではない。ポルトガル、スペイン、イタリアの長期金利についても同様に低下基調となっている。

 そもそも何故、円高の動きが強まったのかを振り返ってほしい。これは日本のデフレ圧力が強まったとか、欧米に比べて金融緩和の度合いが低かったことが主因ではない。リーマン・ショックの際も日本への直接的な影響は限定的であったことや、ユーロの信用不安も加わって当初はドルから、その後はユーロからの逃避的な動き、つまりはリスク回避の動きが円高の主因であったはずである。従っていくら為替介入をしようが、根本的なリスク要因が排除されなければ、円高基調を止めることはできなかった。

 そして今回の円安への反転も為替介入等によるものではないことは明らかである。それは根本的なリスク要因が排除されつつあることが最大の要因である。そして、世界的に東京株式市場の反発が出遅れていたのは、この円高が大きな要因となっていた。円高という足かせが外れてきたことで、株式市場も息を吹き返し日経平均は1万円の大台を回復したのである。

 このあたりの背景説明をしっかりやっておかないと、まるでアベノミクスが円安株高を招いた救世主の如くイメージされかねない。日銀が仕事をしてこなかったから円高を招いたといった認識が強まり、日銀の独立性を失わせ、さらに財政ファイナンスを意識させるような動きを強めると、今度は日本が世界的なリスク要因になりかねない。



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by nihonkokusai | 2012-12-21 09:45 | 債券市場 | Comments(3)

日本の長期金利は反転上昇するのか

 どうやら拙著「超低金利時代の終わり [Kindle版]」で指摘したようなシナリオに向けて動き出してきたような気配である。もちろんまだ不確定要素は多々あるが、今後は超低位となっていた金利、特に長期金利の上昇の動きに注意すべきかと思われる。

 「超低金利時代の終わり [Kindle版]」にも書いたが、これにはいくつの要因が重なっている。最も影響が大きいと思われるのは、欧州の信用不安の後退である。リーマン・ショックが冷めやらぬ中で発生したギリシャを主体とした欧州の信用不安が、独仏を中心としたユーロ諸国の必死の努力により、少なくともユーロ崩壊といった最悪の状況には陥る可能性が後退した。

 そのひとつの象徴的なものとして、たとえば格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが12月18日に、ギリシャの格付けを「選択的デフォルト」から「Bマイナス」に引き上げたことも上げられる。また、ECBがギリシャ国債を、流動性供給オペの適格担保として再び認めたことも好感され、19日にギリシャの10年債利回りは、3月の債務再編以来の最低水準をつけている。

 リスクの後退については、ユーロ圏の国の長期金利の動きにも現れている。ギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアなど債務危機が維持されていた国々の長期金利は低下傾向を示しており、これに対して安全資産と言われた米国や英国、そしてドイツの長期金利は今後の動向次第でもあるが底を打ってきた可能性がある。

 もうひとつの懸念材料でもあった米国の財政の崖問題も、最終的な落としどころを探る動きとなっている。このため米国経済への影響もさほど大きくはならないと予想される。そもそも予測できる危機には、当然ながらそれを取り除こうとするであろう。

 このように世界的なリスク回避の動きに変化が生じてきており、それが欧米の長期金利に影響を与えている。当然ながら同じ安全資産として買い進まれていた日本国債にも影響が出ることが予想される。つまり日本の長期金利にも上昇圧力が加わることが予想される。

 リスク回避の動きの反動が起きるとなれば、外為市場では円高圧力が後退しその修正の動きが強まることが予想される。そこに日本の貿易赤字の拡大なども拍車をかける要因となる。12月19日に発表された11月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、貿易収支は9534億円の赤字と、この赤字額は比較可能な1979年以降で過去三番目に大きな赤字額となった。これにより、2012年の貿易収支額は過去最大の赤字になる公算が大きくなったそうである(日経新聞)。

 実際に外為市場ではすでに円安の動きが強まり、ドル円は84円台、ユーロ円は112円台をつけている。この円安もあり、日経平均株価は12月19日に1万円の大台を回復した。このあたりはひとつの節目ではあるが、通過点となる可能性がある。この円安・株高も日本長期金利の上昇要因となる。

 そんな中にあって、12月16日の衆院総選挙で自民党が圧勝し26日にも安倍新内閣が発足する。すでに大型補正編成の動きも出ているなど、今後は財政拡大策がとられることが予想され、それは国債の増発とともに財政規律に対する懸念も強めさせることになり、これは直接的な長期金利の上昇要因となりうる。

 また、安倍政権は日銀に対して2%程度のインフレターゲットとアコードを押しつけようとしている。今後は強力な金融緩和策がとられることも予想されるが、これについては金利の低下要因というよりも、財政ファイナンス等への連想も働くことで、こちらもむしろ長期金利の上昇要因となる可能性がある。

 まだ安倍政権の今後の動向も不透明であり、海外でもたとえばユーロ圏ではイタリアの政情不安等も出てきている。さらに注意すべきは12月の日銀短観でも示されたように足下の景気悪化という問題も存在する。円高調整による株高にも限度がいずれ出てくることも予想される。

 しかし、長期金利についてはこれまでのように低下基調を強めるようなことは予想できず、むしろ当面は超低金利からの反発が予想される。長期金利の1%割れが続くことそのものが以前では予想しづらかったはずである。1%割れの要因のかなりの部分がユーロ危機に基づいていたものであったとすれば、ある程度の金利上昇はあってもおかしくはない。問題はそこに財政リスクプレミアムがオンされてしまうかどうかであり、そのようなリスクシナリオも一応、念頭に置いておく必要もあろう。

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by nihonkokusai | 2012-12-20 09:50 | 債券市場 | Comments(0)

リフレ派のリスク

 12月16日の衆院選挙の結果を受けて、安倍自民党総裁が政権を担うことになったが、早速、安倍総裁は政権公約にも掲げていた「大胆な金融緩和」に関して動きを示した。もちろん金融緩和を行うのは政府ではなく日銀であり、「日銀と政策協定を結んで2%の物価上昇目標を果たしていく」と安倍総裁は表明した。

 2%という物価上昇目標が過去の日本の物価の動きから見て、適格なものかはさておき、欧米では2%程度をインフレ目標にしている中銀も多く、このあたりの設定そのものにはさほど問題はない。政策協定というのが何を指すのかが不透明ながら、いわゆるインフレ・ターゲッティングを意識したものと解釈される。

 インフレ・ターゲティングとは、金融政策の最終的な目標である「物価の安定(pricestability)」を達成するにあたり、「物価の安定」を客観的に観測可能な物価指標(例:消費者物価指数)を用いて具体的数値(インフレ率や物価水準の目標値・範囲)で定義した上で明示し、その達成に向けた金融政策運営にコミットすることにより、金融政策の透明性(transparency)や説明責任(accountability)を高め、金融政策に対する国民の信認(credibility)を高める、という金融政策運営の枠組みである(財務省のレポート「インフレ・ターゲティング」をより一部引用)。 

 中央銀行の金融政策運営の枠組みを政府が変更しようとするのであれば、1997年の政権交代直後のブレア政権が行ったイングランド銀行の改革と同じような物に見えなくもない。しかし、今回の日本の場合には日銀の独立性を失わせようとの動きにしか見えない。

 そもそもこれまでの安倍総裁の発言内容を見る限り、いわゆるリフレ派と呼ばれる人達の意見にかなり耳を貸していることが伺える。米エール大の浜田宏一教授を内閣官房参与(経済担当)に起用することなども象徴的であろう。

 リフレ派にもいろいろあるようだが、彼らの発想として個人的に恐いと思うのが、輪転機を回せばインフレを起こせるとの発想である。現在の金融市場でそれを起こすためには、積極的な財政政策を取り、それにより国債を大量に発行し、それを日銀が「買い受ける」という手段を取らざるを得ない。しかし、この発想には当然ながら大きな問題をいくつか孕む。

 ひとつは政府債務残高のGDP比が先進国中最悪の状況となっているにもかかわらず、財政の悪化をさらに加速させても良いのかという点である。これまで大丈夫だったから、とか国債は国内が9割買っているから、というのは全く理由にはならない。日銀が買おうが政府債務は政府債務であり、それはいずれ返済しなければならない。いわゆる財政のサステイナビリティ(持続可能性)に疑問符が付けば、それは長期金利に財政リスクプレミアム、この場合、プレミアムというのも日本語からはおかしい、財政悪化上乗せ金利が生ずる懸念がある。

 さらにすでに財政が悪化している中にあっての、積極的な財政政策と日銀による積極的な金融緩和、要するにどのような形式でも日銀に国債を保有させるという手段を取らせるのであれば、それは財政ファイナンス、マネタイゼーションと認識されよう。

 インフレ期待を高める政策というのは聞こえが良いが、その手段として、いくら否定されようが結果として中央銀行の国債引受というかたちとなるのであれば、それは長期金利の上昇要因となり、いまの日本の国債残高を考えれば、とてもではないが長期金利の急騰に日本の財政は耐えられない。

 リフレ派の政策は、この長期金利の上昇という結果をもたらすリスクがある。これまで日本の長期金利はずっと低位安定し続けたから、上がるわけはないという説明に対しても全くの根拠はない。これまではとりあえず財政健全化を政権がある程度は認識していたこともあり、財政悪化懸念上乗せ金利(財政リスクプレミアム)が付いてこなかっただけである。

 金融市場にはいくらでもブラックスワンは発生しうる。いったんリスクが顕在化してしまうと、市場は暴走しかねない。それはサププライム・ショック、リーマン・ショック、ギリシャ・ショックで見てきたことであり、そうなってからは止めようがなくなる。最後には国民がその付けを払わせられることになる。それだけは避けねばならないはずである。

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by nihonkokusai | 2012-12-19 09:39 | 国債 | Comments(2)
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