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欧州の信用不安は後退したのか

 ここにきてのユーロ圏を取り巻く状況をみていると、一時に比べ緊張感や不安感が緩和しつつあるように思われる。それを示しているのが、外為市場でのユーロの動きとみられ、ユーロ円は100円台を一時回復している。

 11日のドイツの5年債入札、12日のスペインの期間3~4年の国債入札などは順調な結果となり、これによりイタリアやスペインなどの国債利回りが低下した。このあたりですでに地合の変化が感じられたが、その後13日に格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)はユーロ圏9か国の格付けを一斉に引き下げ、16日にS&Pは、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付けをAAAからAA+に引き下げたことで、また地合が悪化するかに思えた。

 これまでであればこの一連の格下げは欧州の信用不安を再燃させてもおかしくはなかったが、ところがそうはならなかった。もちろん、これにはS&Pが1か月も前に格下げの予告をし、何度となくフランスの格下げ観測が流れるなどしたことで、市場はかなり織り込んでいた面もあろう。それは実際に格下げが発表されたことで、材料出尽くし感としてむしろ信用不安を緩和させる方向に影響した可能性もある。

 ただし、今回の各下げでポルトガルがBBB-からBBと投機的水準に格下げされたことで、ポルトガルの国債はその後も下落基調となっており、まったく影響が出なかった訳でもない。

 それでも19日のスペインの国債入札は目標の45億ユーロに対し66.1億ユーロを調達し、フランスの国債入札でも、79.7億ユーロとほぼ目標上限の金額を調達できたように、国債需給の面においても不安感は後退しつつある。

 これについてはECBが昨年12月8日の理事会で流動性を供給するため期間36か月の長期リファイナンス・オペ(LTRO)を新設したことが大きな役割を果たした。12月のLTROによる4892億ユーロの資金供給により、銀行の資金繰りが楽になり、さらにその資金はいずれ国債に向かうであろうとの期待もあり、それがユーロ圏の国債市場を支えた面もある。

 日本の不良債権問題を振り返っても、日銀による量的緩和政策、そして政府による公的資金の導入により、金融システム不安が徐々に解消していった。このため2003年の足利銀行の経営破綻が明るみに出た際は、これで金融システム問題がさらに悪化するというより、これでもう金融機関の悪化には歯止めが掛かるとの印象が強まり、その後は不良債権問題は市場で悪材料視されなくなっていった。このあたりと今回のユーロ圏を取り巻く地合が似てきてはいまいか。

 要するに相場のセンチメントが変化すると、同じ材料に対しての反応が異なってくる。それが現在の欧米市場でも感じられる動きであり、あきらかに地合が変化しているものと思われる。

 もちろんこれでユーロ圏の信用不安が一気に解消されるとみるのは楽観的すぎるであろう。ギリシャの債務に対する協議も気になる。格付け会社からはギリシャのデフォルトの可能性も指摘されている。さらにユーロ圏の銀行に対しては、今後の保有資産の圧縮や公的資本の注入等の可能性もある。ただし、ユーロ圏の国債価格の下落が止まり、むしろ上昇してくればこれらの状況は緩和されることも確かであろう。

 過度な楽観視も禁物ながら、市場の地合の変化も読み取ることも重要であろう。ユーロ圏の信用不安が後退すれば、今後はあらためて市場は新たな材料を模索する。それはいまのところ米国を主体とした景気動向に向かいつつあるように思われる。


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by nihonkokusai | 2012-01-21 10:37 | 国債 | Comments(0)

日本の米国債保有額が1兆ドル超えに

 米財務省が18日に発表した米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES、http://www.ustreas.gov/tic/mfh.txt)によると、日本の米国債(短期債含む)は、1兆389億ドルとなり1兆ドルを超えた。10月の9790億ドルに比べて599億ドルもの増加となった。

 国別でのトップは引き続き中国で、11月は1兆1326億ドルとなっていたが、前月の1兆1341億ドルからは小幅減少となった。

 上位10か国は次の通り(単位、10億ドル)。中国(China, Mainland)1132.6 、日本(Japan)1038.9、英国(United Kingdom) 429.4、石油輸出国(Oil Exporters) 232.0、ブラジル(Brazil)206.4、カリブ海の金融センター(Carib Bnkng Ctrs)185.3、台湾(Taiwan)149.6、スイス(Switzerland)113.9、香港(Hong Kong)105.3、ロシア(Russia)89.7。

 10月に比べて英国やカリブ海の金融センター、石油輸出国などが残高を増加させており、ユーロ圏諸国の信用不安により、安全資産として米国債が買われたとみられ、これに対して減少させた国としてはスイスが前月の131.7から113.9に大きく減少させたのが目立つ。

 日経新聞(ネット版)によると、日本の米国債保有の1兆ドル超えは、統計がさかのぼれる2000年以降はじめてとなるそうである。この要因としては、昨年10月末の大規模介入によるドル資金が米国債に振り向けられたためとの見方がある。また、単月の売買動向をみても、11月の日本は301億ドルと大幅買い越しとなった。

 財務省が12月7日に発表した11月末の外貨準備高は1兆3047億ドルと過去最高を記録していたが、これは大規模介入を反映してか、前月からの増加額が948億ドルと過去最大となっていた。11月末の外貨準備の計上項目の中の証券は前月から636億ドル増、そして預金が320億ドル増加していた。ちなみに、1月11日に発表された12月末の外貨準備高は1兆2958億ドルと11月末に比べてやや減少していた。


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by nihonkokusai | 2012-01-20 09:52 | 国債 | Comments(0)

格付け会社と距離を置きだした市場、地合の変化も

 S&Pのユーロ圏9か国とEFSFの格下げは、織り込み済みであったとはいえ、これまでのユーロ圏の国債の格下げ時と明らかに反応が違った。えっ、格下げもするのか、といったケースがこれまで多かったものが、今回はまだ格下げしないのか、やっとしたか、との印象であった。これはユーロ圏の信用不安そのものの空気というか流れが変わった証拠なのかもしれない。

 日本の不良債権問題のときも、2003年の足利銀行の経営破綻が明るみに出た際は、これで金融システム問題がさらに悪化するというより、これでもう金融機関の悪化には歯止めが掛かるとの印象が強まり、その後は不良債権問題は市場で悪材料視されなくなっていった。つまり、地合が変化していたのである。欧州でも同様な雰囲気になりつつあるのであろうか。

 ギリシャの債務協議は難航が予想され、ギリシャのデフォルトの可能性を指摘する声もあるが、それを避けようとの努力も行われていることも確かである。ユーロ圏の銀行に対しての懸念も残るが、少なくともイタリアなどの国債利回りの上昇には少し飽きた印象がある。昨日のフランスやスペインの国債入札も順調であった。ただし、ポルトガルの国債はまだ売られてはいたが。

 そもそもなんでイタリアの国債が売られなければならなかったのか、しっかりした説明ができるであろうか。ギリシャは本当の財政赤字を隠し、アイルランドは金融の問題が政府財政に影響を及ぼした。しかし、ポルトガルやスペイン、イタリアあたりは、とばっちりを食らっただけではなかろうか。たしかに政治上の問題もあったかもしれないが、格付け会社の格下げに市場が煽られた側面もあったとみられる。

 これらの国の債務状態は確かに良くはない。しかし、債務状態でみるならば、もっと売られてもよい国債もあったのではなかろうか。

 格付け会社と市場が距離を置きだしたように見えるということは、欧州の信用不安の問題は、少し違った局面に入りつつあるということなのかもしれない。そのきっかけとしてECBによる3年物の資金供給も大きな役割を果たしたように思えるが、ECBのドラギ総裁は、2012年はユーロ圏にとってはるかに良い年になるとの見通しを示したそうである。


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by nihonkokusai | 2012-01-20 08:21 | 国債 | Comments(0)

11月の対外対内証券投資より

 財務省は1月12日に11月の国際収支(速報)を発表した。これによると経常収支は、1385億円の黒字となり、予想以上の縮小となった。前年同月比では85.5%減となる。これは貿易赤字の増加が影響しており、タイの洪水などの影響もあり電子部品や自動車などの輸出が減る一方、原発事故による影響から液化天然ガスなどの輸入が増えたことで、貿易赤字は5851億円となった。サービス収支も1151億円の赤字となっていたが、所得収支は9340億円の黒字となり、経常収支の黒字は維持した。2011年は通年でも貿易赤字になる見込みとなっており、そうなれば1980年以来31年ぶりの貿易赤字となる。

 今後の日本国債の動向を見る上でも、経常収支の黒字幅の縮小傾向は気になるものの、これがすぐに国債への需給に反映されることは考えづらい。警戒する必要はあるが、現状は債券相場そのものへの影響は限定的となっている。

 国際収支の発表には、付表として対外・対内直接投資、対外・対内証券投資も発表されている。このうち11月の対外・対内証券投資を確認してみたい。

 この中で主要国・地域ソブリン債への対外証券投資を見てみると、米国のソブリン債への投資は、ネットで1兆3887億円の減少となっている。9月は1兆8812億円、10月も9143億円の増加となっていたが、11月の米債の相場上昇を受けて利益確定売りが入ったものとみられる。

 ユーロ圏の国債についてみてみると、ドイツのソブリン債への投資はネットで11月は1641億円の増加となっている。9月も2388億円の増加となっていたが、10月には6849億円減少していた。11月23日にドイツの国債入札で大幅な札割れが生じたが、とりあえずこれによる影響は限定的であったようである。

 そしてフランスへのソブリン債の投資を見ると、ネットで11月は4880億円の減少となった。9月は134億円増、10月は678億円増となっていたが、フランスの格下げ観測も出てきたことで、本邦投資家はフランス国債のポジションを減少させてきたとみられる。

 そしてイタリアへのソブリン債の投資についてはネットで11月は5102億円の減少に。9月は1389億円減、10月も1208億円減となっていたが、11月はさらに売却を急いだように見受けられる。

 これに対して、日本の債券に対する対内証券投資を見てみると、11月はネットで2兆2967億円の資金流入、つまり海外からの買いが入った。このうち短期債が2兆9405億円の増加となっていた。リスク回避の資金が短期債に流入したとみられる。9月も1兆3833億円増と短期債主体に流入増となっていたが、10月は2兆8710億円と反対に短期債主体に減少していた。

 対内証券投資の地域別内訳を見ると、目立つのが英国からの短期債への7兆5965億円もの増加である。これは9月も3兆7965億円、10月も5兆1453億円の買い越しとなるなど、非常に大きな割合を占めている。

 ちなみに10月に短期債が流出超となったのは、米国が1兆9504億円の減少となり、またフランスが1兆8512億円、ルクセンブルグが1兆597億円といった売り越しになっていた影響が大きかった。ただし、11月もフランスは日本の短期債を1兆482億円、ルクセンブルグも1兆5462億円のそれぞれ減少となっていたが、それ以上に英国からの日本の短期債への投資が大きかったとも言える。

 英国からの日本の短期債への資金流入は、ロンドンを経由してのヘッジファンド、中東オイルマネーやアジアマネーなどとみられ、リスク回避の動きによるものであろう。ただし、それは短期債主体であり、中長期債についてはそのような動きは見えず、11月はむしろネットで6438億円の減少となっていた。

「国際収支(発表日別)」財務省のサイトより
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/release_date.htm


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by nihonkokusai | 2012-01-19 10:17 | 国債 | Comments(0)

EFSFのサイトには日本語の説明書がアップされている

 13日に格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)は、ユーロ圏9か国の格付けを一斉に引き下げ、フランスとオーストリアの格付けも1段階引き下げられた。これにより、フランスとオーストリアは最上位格付けを失った。

 そして16日にはまた欧州金融安定ファシリティー(EFSF)も格下げされた。S&PはEFSFの発行体格付けをAAAからAA+に1段階引き下げ、見通しはデベロッピングとした。そしてEFSFの長期債券格付けもAA+に引き下げている。

 これを受けてEFSFのレグリングCEOは、EFSFの実質融資能力を4400億ユーロに維持する方針を表明し、 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長も、EFSFの支援能力を低下させるものではないと指摘した。

 ここであらためてEFSFに関して確認しようとしたところ、興味深い資料が用意されていた。EFSFのサイト中の「Investor relations」のページを見ると、「Download our investor presentation (Japanese version)」がアップされていたのである。

「日本語の説明書」が置いてあるEFSFサイトのページアドレス
http://www.efsf.europa.eu/investor_relations/index.htm

 なぜか欧州機関のサイトに、英語以外で日本語バージョンだけがアップされているのである。これはなかなか興味深いが、この理由は日本政府の動きにあろう。

 日本政府は今年1月6日の入札まで、過去6回行われたEFSF債の入札全てに参加し、合計で35.35億ユーロを購入している。これまでのEFSF債発行額210億ユーロの17%に相当する。つまり、日本政府向けに用意されたとみられるプレゼン資料が、そのまま日本語バージョンの説明書としてサイトにアップされたとみられる。

 EFSFに関しては上記の説明書がまさに公式のものであり、詳しいことはこちらを確認していただきたいが、簡単にEFSFについて説明したい。

 EFSFとは「European Financial Stability Facility」の略で、日本語では「欧州金融安定ファシリティー」と呼ばれている。

 欧州金融安定基金は、2010年5月のギリシャ危機を踏まえて、EU(欧州連合)の加盟国によって合意されたユーロ圏諸国の資金支援を目的とした基金である。ルクセンブルクに本部を置き、株式会社として登録されている。ただし、今後は恒久的な危機対応の機関として、今年7月に欧州版のIMFともいえる「ESM(欧州安定メカニズム)」がEFSFの業務を引き継ぐ予定となっている。

 EFSFは、ユーロ圏各国の政府保証を裏づけに債券を発行し、それによって得た資金により支援を行なっている。この際に発行される債券、EFSF債は主要格付け会社からトリプルAの格付けを取得していたが、今回、S&Pは格付けをAA+に1段階引き下げた。

 EFSFの債券発行には、ECBへの払込資本金の割合に応じて決められたユーロ圏諸国の保証を受けている。EFSF債がAAAの格付を得るためには、EFSF全体の保証枠のうち、AAA国の拠出分が融資可能額となる。当初の保証枠の4400億ユーロでは2500億ユーロしか利用できなかったため、保証枠を7800億ユーロ程度に拡大させたことで、4400億ユーロまで融資可能額を引き上げた。

 このため、もしフランスなどの格付けがAAAを失えば、4400億ユーロの融資可能額が引き下げられ、その分、ドイツなどAAA国の負担が増加する懸念が出ることになる。しかし、現在のところ格付け会社一社だけの格下げでは、融資可能額には影響は及ばないとの認識のようである。昨日実施されたEFSF債で初の6か月物入札も順調な結果となっている。


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by nihonkokusai | 2012-01-18 08:25 | 国債 | Comments(0)

ユーロ圏9か国やEFSFの格下げによる日本国債への影響

 格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)は13日に、ユーロ圏9か国の格付けを一斉に引き下げた。フランス、オーストリア、マルタ、スロバキア、スロベニアの5か国がそれぞれ1段階引き下げられた。また、ポルトガル、イタリア、スペイン、キプロスの4か国は2段階の引き下げとなった。また、欧州16か国のうち、その他7か国の格付けも再確認し、ドイツとスロバキアを除くすべての格付け見通しを「ネガティブ」としている。

 今回の格下げでフランスとオーストリアは最上位格付けを失った。また、フィンランドとルクセンブルク、オランダの格付け見通しは「ネガティブ」となっており、ユーロ圏で安定的とされているのはドイツだけとなる。

 先月にS&Pはフランスを含めたユーロ圏各国の国債の格付けを引き下げる方向で見直すと発表しており、今回の格下げ発表は時間の問題とはみられていた。ただし、ここにきてスペインなどの国債入札が順調であったことでユーロ圏の信用不安がやや後退しつつあっただけに、13日のユーロ圏の債券市場ではイタリアの国債利回りが大きく上昇し、外為市場ではユーロが下落するなどの影響があった。

 また欧州金融安定ファシリティー(EFSF)も格下げされた。16日にS&Pは、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の発行体格付けをAAAからAA+に1段階引き下げ、見通しはデベロッピングとした。そしてEFSFの長期債券格付けもAA+に引き下げている。13日のS&Pによる格下げで、フランスとオーストリアは最上位格付けを失っており、今回のS&PによるEFSFは、ある程度想定されていた。これを受けて、EFSFのレグリングCEOは、EFSFの実質融資能力を4400億ユーロに維持する方針を表明している。

 今後は欧州の銀行そのものも格下げされる可能性もあり、20日提出期限の欧州金融機関の自己資本調達計画の動向を含めて注意する必要がある。

 しかし、この格下げで再びユーロを取り巻く地合が急速に悪化するようなことは考えにくい。少なくともフランスの格下げの心の準備は出来ていたはずである。ただし、ここにきてややユーロ圏の信用不安が和らいだのは、ECBによる資金供給によるものとみられ、根本的な解決がはかられているわけではない。ギリシャを含めて先行きの不透明感も強いことも確かである。

 ただし、一時に比べて欧州の信用不安は和らいでいるように感じる。ユーロ崩壊という最悪のリスクも残るが、ユーロ圏諸国の政治家は最大限の努力を行ってきていることも確かである。それに対して格付け会社は悲観的な見通しから格下げを行っているが、格下げそのものが不安を拡大させている面もあり、ソブリン格付けを無視はできないが、それはあくまで格付け会社の意見であることを市場も認識する必要もあろう。

 16日の日本の債券市場は、S&Pによるユーロ圏9か国の格下げもあり、債券先物は買いが先行し直近の高値をつけてきているが、10年債の0.9%近辺では高値警戒も強まるとみられ、今後は現物債などは上値が重くなると予想される。質への逃避による海外投資家による日本国債の購入も短期債中心であり、欧州の問題は超長期債などへの需給にはそれほど影響は与えないものとみられる。

 ユーロの情勢も気になるが、それとともに米国の景気動向なども、チェックしておく必要もある。米国市場では欧州の信用不安よりも国内景気の動向に焦点を移しつつあるように思えるためである。11日に発表された米国の地区連銀経済報告(ベージュブック)では、12月末にかけて大半の地域で経済活動が拡大したとされるなど、米国では景気回復への期待も出てきている。特に今週は注目すべき経済指標の発表も多い。17日に1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に12月の鉱工業生産・設備稼働率、19日に12月の消費者物価指数、12月の住宅着工件数・建設許可件数、そして1月のフィラデルフィア連銀景況指数が発表予定となっている。

 米国の経済指標により景気回復が示されるとなれば、米債の上値が抑えられ、それが円債の上値を重くさせる可能性もある。ただし、最近の円債は米債の動向に影響を受けづらくなっているようにも見受けられる。その意味では米国市場より東京市場のほうが欧州動向を気にしているとも言えようか。

 国内については政治の動向にも注意する必要がある。内閣改造により岡田克也元民主党代表が社会保障と税の一体改革と行政改革の担当相を兼務する副総理に任命されたように、野田政権は税と社会保障の一体改革に向けた動きをさらに強めているが、野党の動向次第では解散総選挙の可能性も出てきている。今年は米仏露などを含めて、世界的に選挙の年であるが、そこに日本も加わる可能性もある。今後、もし財政再建に向けた動きが選挙等を通じてブレーキが掛かるようなことになれば、それは債券相場の上値を重くさせる要因ともなりうる。


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by nihonkokusai | 2012-01-17 09:48 | 国債 | Comments(0)

今年は注目の国際会議が日本で開催、金融に関わる国際会議とは

 今年は金融に関わる注目の国際会議が日本で開催されますが、今回はこの金融に関わる国際会議についてまとめたみました。

 先進国の首脳が集まり、幅広く国際問題について議論する会議が「主要国首脳会議(サミット)」です。G8と呼ばれる8か国が参加します。この会議は1975年以来、毎年一回開催され、首脳のほか財務大臣及び外務大臣がメンバーです。1998年からは、財務大臣会合及び外務大臣会合が、首脳会合の前に別途開催されるようになりました。その財務大臣会合には、G8の財務大臣に加え、欧州委員会代表、EU議長国、IMF専務理事、世界銀行総裁などが参加しています。

 少々紛らわしいですが、経済問題を専門的に議論する国際会議は、一般にG7(先進7か国財務相・中央銀行総裁会議)と呼ばれます。G7は、G8からロシアを除いた7か国が構成メンバーです。ユーロの発足に伴い、世界経済及び為替に関する議論については、ユーログループに属する3か国(独、仏、伊)の中央銀行総裁の代わりに欧州中央銀行(ECB)総裁が出席し、加えてユーログループ議長も出席しています。

 G7は原則として年3回開催され、世界の経済政策の動向に関しての意見交換、国際通貨システムに関する議論、さらに新興市場国等の経済金融情勢などを含めて、幅広い政策課題について議論が行われています。

この先進7ヶ国・1地域に主要国首脳会議(G8)参加国のロシアと新興経済国11ヶ国が加わり、1999年より20ヶ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20 Finance Ministers and Central Bank Governors)を開催しています。この会議には、国際通貨基金、世界銀行などの国際機関も参加しています。

 2008年飽きのリーマン・ショックなどによる世界金融危機の深刻化を受けて、20ヶ国・地域首脳会合(G20サミット)も開催されています。正式名称は「金融・世界経済に関する首脳会合」(Summit on Financial Markets and the World Economy)ですが、金融サミットとも呼ばれています。

 また、BIS(国際決済銀行)の(中央銀行)総裁会議という中央銀行の総裁が集まる会議も、隔月の奇数月に開催されています。以前は毎月開催されていたため月例総裁会議と呼ばれていましたが、2000年以降は中央銀行総裁会議と呼ばれています。

 G7等はIMF・世銀総会の機会を利用して開催されることも多いのですが、2012年10月のIMFと世銀の年次総会は48年ぶりに日本で開催されます。

 IMF世界銀行年次総会は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行、それぞれの最高意思決定機関である総務会が、毎年秋に合同で開催する会議であり、年次総会は通常、2年続けてワシントンDCのIMF及び世界銀行の本部で開催され、3年に一度加盟国で開催されます。

 2009年はトルコのイスタンブールで開催され、約1万3千人が参加しました。日本での開催は1964年以来、今回で2度目となり、また2012年は日本がIMF・世銀に加盟して60年目の節目にあたります。

 総会では世界中の財務大臣・中央銀行総裁等が集い、主要会議のほか数多くの二国間会談や通例、G7、G20、G24、G10等の会議、各種イベントが開催されます。また、大臣や政府幹部だけではなく、金融関係者、報道関係者等々が集まり、セミナーやシンポジウムが開催され、期間中は大小約200の会議・イベントが開催される予定で、参加人数は公式参加者で1万人、非公式の参加者を含めれば2万人とも言われる、世界最大規模の国際会議となります。


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by nihonkokusai | 2012-01-15 09:35 | 国際情勢 | Comments(0)

S&Pによるユーロ圏9か国の格下げの影響

 格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)は13日に、ユーロ圏9か国の格付けを一斉に引き下げた。それぞれの変更された格付けを確認してみたい。

フランス、AAA/Watch Neg →  AA+/Negative
オーストリア、AAA/Watch Neg →  AA+/Negative
スロベニア、AA-/Watch Neg →  A+/Negative
スロバキア、A+/Watch Neg →  A/Stable
スペイン、AA-/Watch Neg →  A/Negative
マルタ、A/Watch Neg →  A-/Negative
イタリア、A/Watch Neg →  BBB+/Negative
キプロス、BBB/Watch Neg →  BB+/Negative
ポルトガル、BBB-/Watch Neg →  BB/Negative

参考、S&Pの格付け記号(高い順)
(投資適格)AAA、AA+、AA、AA-、A+、A、 A-、BBB+、BBB、BBB-、(投機的)BB+、BB、BB-、B+、B、B-、CCC+、CCC、CCC-、CC、C、D

 上記のようにフランス、オーストリア、マルタ、スロバキア、スロベニアの5か国がそれぞれ1段階引き下げられた。また、ポルトガル、イタリア、スペイン、キプロスの4か国は2段階の引き下げとなった。また、欧州16か国のうち、その他7か国の格付けも再確認し、ドイツとスロバキアを除くすべての格付け見通しを「ネガティブ」としている。

 ちなみにS&Pのサイトから、現時点での最上位格付け(AAA)の国をピックアップしてみると、英国、オーストラリア、オランダ、カナダ、シンガポール、スイス、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、香港、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクとなった。

 今回の格下げでフランスとオーストリアは最上位格付けを失った。また、フィンランドとルクセンブルク、オランダの格付け見通しは「ネガティブ」となっており、ユーロ圏で安定的とされているのはドイツだけとなる。フランスの格下げにより世界の国債などの公共債に占めるトリプルAの割合はさらに減少し、S&Pの中でのトリプルAの国債はレッドデータブック入り(絶滅危惧種?)となりそうである。

 先月にS&Pはフランスを含めたユーロ圏各国の国債の格付けを引き下げる方向で見直すと発表しており、今回の格下げ発表は時間の問題とはみられていたが、ここにきてスペインなどの国債入札が順調であったことなどから、ユーロ圏の信用不安がやや後退しつつあっただけに、13日のユーロ圏の債券市場ではフランスやイタリアの国債利回りが大きく上昇し、外為市場ではユーロが下落した。

 今回の格下げにより、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)も格下げされる懸念があるとともに、欧州の銀行なども格下げされる可能性もあり、それによる影響なども考慮しておく必要もある。また、4月のフランス大統領選挙にも影響が及ぶのではないかとの観測も出ているようである。しかし、ある程度、想定されていた格下げでもあっただけに、これによるショックは一時的なものとなる可能性もあり、今後のユーロ圏の金融市場の動向に注意しておきたい。


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by nihonkokusai | 2012-01-14 11:45 | 国債 | Comments(0)

個人向け復興国債、販売好調の要因

 財務省が1月10日に発表した個人向け復興国債の応募額によると、昨年12月5日から30日まで募集を行った個人向け復興国債の応募額は、7454億円となり、前回3銘柄を募集した9月の応募額の約2倍となった。

 個人向け国債については3年固定利付きが毎月、5年固定利付きと10年変動利付きのものが3か月毎に発行されている。12月の募集分からは条件に変わりはないが、発行根拠法が復興財源確保法となることで、名称も個人向けの復興国債として発行される。ちなみに12月募集されたものの発行日は1月16日である。

 12月に募集されたものの募集額の内訳は、変動10年タイプが4051億円(9月募集分は2276億円)、固定5年タイプが2369億円(同、1100億円)、固定3年タイプが1034億円(同、537億円)と、それぞれ9月募集分に比べてほぼ倍増している。

 12月の個人向け復興国債の販売好調の要因としては、復興を何らかのかたちで支援したいという個人が予想以上に多かったことが、まず挙げられよう。名称は「個人向け国債」から「個人向け復興国債」と変わったが、安住財務相からの感謝状が贈呈されること以外に商品性そのものは変わっていなかった。利率設定も9月募集分とほとんど変わらず、震災から少し時間も経過している中にあり、これほど募集が増えることは私自身は予想していなかった。しかし、震災復興への思いは予想以上に強く、それが個人向け復興国債の募集増という結果に現れたものと思われる。

 また、販売する証券会社などにとっても復興支援というアピールも出来る上に、株式市場の低迷や欧州の信用危機の影響などによる投資信託などの販売落ち込みもあり、個人の資金を集めるため積極的に個人向け復興債の販売を行ったことも募集額が増加した要因のひとつと思われる。

 来年度に発行を予定している復興債2.7兆円のうち2.5兆円を個人向けに販売する計画となっているが、販売額が今後も好調となれば、全ての発行枠を個人向けにすることも財務省は検討すると報じられた。また、販売予定額からの上振れ分は、その分、国債市中消化額などを縮小させることも可能となる。

 そして、今後の個人向け復興国債の販売額に影響を与えそうなものに、3月から発行予定の新型の個人向け復興国債がある。これは変動10年タイプと同様の変動金利型の10年債であるが、当初3年間の金利は年0.05%と通常の変動金利型よりかなり低いが、4年目からは通常型と同じ金利になる。 その代わり、購入から3年間に中途換金しなければ復興記念の金貨や銀貨をもらえる。1口1000万円以上を購入した投資家は金貨(額面1万円)、100万円以上は銀貨(同1000円)を受け取る。

 プレミアム付きの復興金貨や銀貨に対して注目が集まる可能性もあり、さらに復興支援という目的も兼ね備えている新型の個人向け復興債であるだけに、かなりの募集額も期待できるのではないかと思われる。こちらの動向にも今後、注目して行きたい。


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by nihonkokusai | 2012-01-14 09:47 | 国債 | Comments(0)

あなただけに教える、儲かるシステム売買?

 私は、債券先物の東証上場1年後の1986年から2000年代にかけて長きに渡り債券先物や国債現物のディーラーであった。その経験を生かして、ここであなただけに債券先物を使って儲かる方法をお教えしよう(ただし、最後の注意書きは必読)。

 それはたいへん簡単な法則を使って債券先物を売買するのである。これは、他の方には絶対に教えないでいただきたい。ほかの人がこの売買手法を知ってしまうと、あっという間に広がって規則性が成り立たなくなってしまうためである。

 その手法は意外に簡単なものである。複雑なものよりも単純な方が意外に儲かる、これ鉄則である。

 それではさっそく、その手法をお教えしよう。

 債券先物中心限月で、前日、引け値が寄付に比べて下がっていたら、当日の債券先物は寄付で売って、それを引けで買い戻すのである。それだけである。債券先物の中心限月は、特に大きな材料が出ない限り、前日の地合を引き継ぎやすい。この売買手法はその特性を利用したものである。

 試しに2011年の1月から12月まで、この手法で売買を行うと、1円79銭もの利益が発生した。1枚立てていれば、粗利益は179万円になる。ちなみに、いま債券先物の1枚あたりの証拠金は50万円程度である。この手法を使えば、あなたも確実に儲けることができる・・・なんてこと、あるわけない!。

『注意書き !!』

 だまされてはいけない。これで儲かるなんて実は誰も保証できない。

 ただし、この手法で2011年に1円79銭の利益が発生するのは、試算すると確かである。実はここにシステム売買のカラクリがある。過去のデータを利用すれば、いくらでも儲かったシステム売買は作り出せるのである。

 「儲かる」システムではなく、「儲かった」システムであることに注意してほしい。

 今回、いかにもありそうな売買手法に見えたかもしれないが、これはあくまで昨年のデータを使い、プラスが発生するようにエクセルの関数を使って作り出したものである。問題は「これから」同じ事をやって、儲かる保証は一切ないことである。

 パソコンの普及とともに、債券ディーリングが盛んとなっていた1990年代に、ロータス123(昔あった表計算ソフト)などを使い、いろいろな移動平均線など組み合わせるなど、多くの債券ディーラーはシミュレートを試みていた。しかし、錬金術と同様に儲かるシステムなど作り出したものはいなかったのである。それは私の14年以上のディーラー経験から断言できる。

 そんなことはないと言うのならば、それはご自由に、ただし相場は自己責任で、と言うほかはない。相場に規則性などない。だからこそ儲かるシステム手法など存在しないのである。


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by nihonkokusai | 2012-01-13 11:12 | 債券市場 | Comments(0)
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