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「概算要求での来年度の国債費は過去最大の24.1兆円に」

財務省は2011年度予算の一般会計概算要求を発表し、そのうち国債費(国債の元金返済や利払いに充てる経費)が24兆1321億円となり要求段階で過去最大となった。2009年度決算剰余金1兆6247億円の繰入れや(決算上の剰余金の2分の1に相当する額の国債整理基金特別会計への繰入れ)、国債発行増に伴う利払い負担の増加(公債利子等で約1兆円)などで、2010年度当初予算に比べ3兆4831億円増となる。この前提となる国債発行のうち新規国債は2010年度と同額の44兆3030億円で仮置。想定金利は10年債で2.4%(2010年度の要求段階では2.5%)。
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by nihonkokusai | 2010-08-31 09:52 | 国債 | Comments(0)

「あまりに中途半端なタイミングでの追加緩和」

日銀は本日、臨時の金融政策決定会合を開催し追加緩和策を決定した。政策金利は変更せずに、新型オペの総供給額を、現行の20兆円から30兆円に増額し、新たに貸出期間6月の新型オペ10兆円を新設する。

今回の追加緩和は新型オペの拡充(量もしくは期間)と見られていことで、想定の範囲内となったが、結果としては期間と量ともに増額させ、緩和効果をアピールか。しかし、市場ではさらなる緩和策を期待していたのか、この結果発表後に日経平均は上げ幅を縮小させ、外為市場ではやや円が買われた。

日銀は今回の追加緩和の理由として声明文では、「米国経済を中心に、先行きを巡る不確実性がこれまで以上に高まっており、為替相場や株価は不安定な動きを続けている。こうしたもとで、日本銀行としては、わが国の経済・物価見通しの下振れリスクに、より注意していくことが必要と判断した。」としている。

今回の追加緩和策については、全員一致とはならず、須田委員が反対票を投じた。新型オペを通じた資金供給を大幅に拡大することについて反対と声明文はあり、今回の追加緩和そのものに反対票を投じたものとみられる。政策金利の据え置きについては全員一致となっている。

4月7日に新型オペの増額を決定した際には、須田委員および野田委員が反対していた。今回の新型オペの拡充策について、このとき反対していた野田委員は今回は賛成票を投じている。野田委員は4月とはやや考え方を異にしていたのであろうか。

日銀は今回も昨年12月1日の臨時の金融政策決定会合のときと同様に、政治的に追い込まれての追加策との印象が強い。白川総裁が訪米中で、この際にはバーナンキ議長やトリシェ総裁などとの貴重な対話の機会でもあったにも関わらず、予定を1日に早めて急遽帰国したことを踏まえても、民主党の代表選をも睨んでの円高・株安対策へのアピールら日銀も歩調をあわせざるを得なかったと考えざるを得ない。

今度の緩和策については効果がまったくないわけではない。短期金利の中でもやや長めの期間の金利を低下させてくるとみられる。ただし、この追加緩和策は市場もある程度織り込み済みであったことで、たとえばこれで債券の中期ゾーンがさらに買い進まれるということも考えづらい。

株式市場や外為市場では、やや思惑的な動きも出やすいことで一時的に失望感も出てこようが、為替介入の可能性もあり、また明日発表される追加の経済対策の内容も見極める必要があるため、株式市場での失望売りなどは限定的となろう。

債券市場では長期金利が一時の0.9%割れからすでに1.1%台にまで跳ね上がるなど、過去2度の長期金利1%割れ後の債券急落と同じような様相となっており、米債の動向次第では債券のミニバブルの崩壊の可能性が強まりつつあり、日銀による追加緩和よりも足元の国債の需給動向が意識されやすい。

今回の日銀の追加緩和で注目すべきは、また政治の力が働いて日銀が動かざるを得なくなったことであろう。あらためて政治や市場で追い込まれて動く日銀との印象を与えたことについては、日銀への信認という意味からはマイナス要因となると思われる。通常の決定会合まで動かないとしていたのならば、その信念は貫くべきではなかったのか。もしくは追加緩和に追い込まれるとみたら、即座に行動を起こすことも必要ではなかったのか。今回の追加緩和の決定はあまりにタイミングが中途半端であり、菅総理と日銀総裁の会談、政府の追加経済対策発表というタイミングでしか見ることができないものとなってしまったことが、たいへん残念である。
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by nihonkokusai | 2010-08-30 13:55 | 日銀 | Comments(0)

「20年入札や米債安に見る債券相場の変化の兆し」

24日に実施された20年国債の入札は、利率は1.6%と2003年6月以来の水準に引き下げられたが、最低落札価格は事前予想を上回り、テールも8銭と前回の5銭よりは伸びたが無難な結果となった。ただし、応札倍率は2.86倍と前回の4.46倍を下回っていたことからも、この入札では一部の大口落札者はいたものの、多くの業者は珍しく引き気味であったようである。つまりそれだけ投資家の押し目買い意欲が感じられない状況になりつつあったともいえよう。

それが明らかとなったのが、27日の相場である。昼に菅総理は急激な円高について、「必要なときには断固たる措置を取る」と述べたことが伝わり、これにより円安・株高が進行し、債券市場では20年国債を中心に急落の展開となった。

この債券急落の背景には、小沢氏の民主党代表選出馬にともなう財政拡大懸念があったとみられるが、すでに何かしらのきっかけで相場が崩れやすくなっていた状況にあった可能性がある。27日の相場を見ると、10年債利回りは前場の0.930%から後場に入り一時前日比+0.080%の1.015%まで上昇し1%台を回復した。さらに20年債利回りは一時、同+0.140%の1.705%にまで上昇した。しかし、30年債は後場は日本相互証券では出合いはなかった。これを見る限り、相場急落には20年国債が崩れたことがきっかけのようにも見える。このあたり、2003年6月のやはり結果は順調ではあった20年国債入札をきっかけとした相場下落に似ている。

さらに注目すべきは、米国債の動きである。28日の日経新聞一面にはワイオミングでの国際シンポジウムでのバーナンキ米連邦準備理事会議長の講演を受けて「米、追加緩和を検討」との記事が踊っていた。しかし、先週末の米国債券市場では、この講演の内容からは当初一部で期待されていたようなFRBによる新規の債券買い入れが迫っていることを示す内容とはならなかったことにより、米債への売り圧力が強まっていた。米10年債の利回りは利回りは前日の2.48%から2.65%と過去3カ月間で最大の下落となった。また、米30年債の利回りも、前日の3.51%から3.70%に大きく上昇した。

20年国債入札をひとつのきっかけとした27日の債券相場の下げ方や、この米債の下落の仕方を見る限り、2003年6月と同様のことが起こりつつあると判断するのは、まだ早計かもしれないが、その兆候があることは確かであろう。

日銀の追加緩和の報はあったが、本日30日の債券先物は142円39銭と先週末比16銭安と売られてのスタートとなっている。今後の債券相場の動向についてはなり注意して見ておく必要がある。
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by nihonkokusai | 2010-08-30 09:09 | 債券市場 | Comments(0)

「日銀は本日、臨時の金融政策決定会合を開催」

米国出張中の日銀の白川総裁は予定を1日に早めて急遽帰国し(日経)、本日9時から臨時の金融政策決定会合を開催し、追加緩和策を協議すると報じられた。政府は明日31日に経済対策の基本方針を決めることで、政府・日銀が一体となって円高・株安の反転や景気の下支えに取り組む姿勢を打ち出す(日経)そうである。

先週末の27日に、菅総理は急激な円高について、「必要なときには断固たる措置を取る」と述べ、為替介入の可能性を示唆した。また、米国から帰国後に白川日銀総裁と首相官邸で会談することを明らかにし、追加的な金融緩和策を求める考えも示した。

日銀の動きは昨年12月に比べると思いのほか鈍く、市場では8月18日から20日にかけて毎日のように臨時の決定会合開催の噂が駆け巡ったものの、開催されることはなかった。白川総裁も予定通りに米国に出張したことで、9月の通常の会合で追加緩和を協議するのかと思われた。

また、外為市場では24日のロンドン、ニューヨーク市場でドル円は一時83円58銭をつけるなど円高が進行したが、その後はやや円高の動きは落ち着いてはており、27日の菅総理の発言によりドル円は85円台を回復していた。日銀総裁が予定を早めて、帰国する必要があるほど週末に緊迫感が走っていたわけではない。

今回の日銀の臨時の金融政策決定会合開催は、この様子を見る限り政府の意向が強く働いていることが伺える。特に民主党の代表選に小沢氏が出馬を決定したことで、菅総理は円高と景気への対策をアピールする狙いがあったものとみられ、それに日銀もお付き合いさせられたということであろう。

このため、日銀としても積極的な追加緩和策というよりも、すでに予想されていた新型オペの拡充策を軸に協議するとみられる。また、成長基盤強化に向けた貸出制度の救急枠(現行3兆円)の拡充も検討される可能性はある。いずれにしても短期金融市場などでは、9月の通常での会合での追加緩和の可能性を織り込んでいたとみられ、債券市場などへの影響も限定的なものとなると予想される。

白川総裁は2時30分に記者会見を予定しており、臨時会合で議論が白熱するような状況にはなく、すんなりと予想される追加緩和策が時間通りに決定されるとみられる。
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by nihonkokusai | 2010-08-30 08:42 | 日銀 | Comments(1)

「債券相場は目先、調整入りした可能性も」

午前中にアップした「債券相場は目先、調整入りする可能性も」は来週の予想を書いたものであったが、どうやらその懸念がすでに強まった感がある。27日の債券相場は後場に入り下げ足を早めた。

現物債は長期債、超長期債主体に急落の展開となり、10年債利回りは一時前日比+0.080%の1.015%まで上昇し、1%台を回復した。また、20年債利回りは一時、同+0.140%の1.705%となるなど急落の展開となった。これを受けて債券先物も一時前日比46銭安の142円36銭まで下落した。

売り手はこれまでの最大の買い手の銀行勢のようである。菅首相の円高対策の表明により株式市場が上昇したためとの見方もあるかもしれないが、あまりその円高対策には期待は持てない。それ以上に懸念すべきは小沢氏の民主党代表選への出馬であろう。

報道などによればいまのところ代表選の行方は五分五分との見方ではあるが、選挙に長けた小沢氏であり、小沢グループと鳩山グループだけでも数の上では優位に立っているとみられる。国民感情からは金まみれの小沢氏で良いのかとの議論もあろうが、政権与党の立て直しには菅氏よりも小沢氏が適しているともみられるだけに、恐いものの一度任せてみても良いかとの意識に今後変化してくる可能性もある。

債券相場に取っては、小沢氏が有利となれば、財政再建に傾いていた菅氏から、再び財政拡大路線への変更となることが当然予想される。民主党の当初のマニフェストの内容が実行されるとなれば、財源は国債の増発とならざるを得ない。ただし、これにより国債市場が小沢氏に警鐘を鳴らすようなことになれば、仮に小沢首相が誕生しても闇雲に国債を増発させるようなことはないかもしれない。しかし、債券市場では今後、ここにきてほとんど意識されていなかった財政悪化リスクが再び顕在化してくることは確かであろう。

過去2度に渡り長期金利が1%割れとなった際には、その後債券相場の急落を迎えた。今回も長期金利は1%を一時割り込んだが、どうやら今後の債券急落の可能性もありそうである。今年に入っての債券相場は4月あたりからほぼ一本調子の上昇となり、調整らしい調整がなかった。ここで調整し、その後いったん戻りがあって、その後本格的に調整が入ってくる可能性もある。ただし、それには米債も調整局面入りしないと難しいともみられ、今後の米債の動きにも注意したい。

足元の相場としては、菅首相は日銀総裁が帰国後に会談するとも伝えられ、日銀による追加緩和の可能性もあり、中期債などは比較的しっかりしてくる可能性はあるが、イールドカーブそのものはスティープ化圧力が加わりそうである。
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by nihonkokusai | 2010-08-27 18:29 | 債券市場 | Comments(1)

「債券相場は目先、調整入りする可能性も」

日銀の白川総裁が26日から5日間の日程で米国出張となっており、白川総裁の帰国後にも臨時の会合を開き追加緩和の可能性があるのではないかとの思惑も燻っている。しかし、昨年12月時ほど切羽詰った様子もなく、9月6日から7日にかけての定例の金融政策決定会合であらためて議論される可能性が高いと見ている。また、政府は追加の経済対策を月内にも取りまとめ予定となっているため、こちらの動向にも注意したい。ただし、これについては新たな国債の増発などは考えにくい。

注目すべきは民主党代表選の行方となろう。菅氏と小沢氏の一騎打ちとなり、その結果次第では債券市場にも大きな影響を与える可能性がある。特に小沢氏が勝利した場合には、当初の民主党マニフェストに沿った政策が打ち出され、その財源のために国債に増発圧力が加わる可能性がある。

ここにきての日本の長期金利低下は円高株安や米国債の上昇に大きく影響を受けており、財政への懸念は無視されてきていた。しかし、来年度予算編成も睨んで、あらためて財政悪化が意識され、売り材料視される局面もありそうである。

9月1日には10年国債の入札が実施される。利率は2003年8月以来の1%以下に引き下げられる可能性があり、こちらの動向にも注意が必要となろう。過去にも入札が相場の転機となったことも多い。

引き続き米債や株式市場などを睨んだしっかりした展開となりそうだが、債券相場は4月以降、ほぼ一本調子の上昇となっていたこともあり、ここにきて改めて政局の動向が注目され、久しぶりに調整局面入りする可能性もある。
予想レンジ 0.90%~1.10%
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by nihonkokusai | 2010-08-27 11:45 | 債券市場 | Comments(0)

「過去の長期金利の1%割れ(その4)」

最初に1%割れとなったのは1998年9月1日、その9日後の金融政策決定会合で日銀は3年ぶりの追加緩和を行った。また、次に長期金利が1%割れれとなったのが、手元の記録によると2002年10月31日で、その前日にやはり日銀は追加緩和策を実施している。今回は2010年8月4日に1%割れとなったが、やはり日銀は追加緩和を実施する可能性が現時点(8月26日)では高まりつつある。

しかし、それぞれ過去の2回の場面では多少、期間を置いてではあるが「運用部ショック」と「VARショック」と呼ばれた債券相場の急落を迎えていたことには注意する必要があろう。バブルはその時点では気がついてはいても、大勢の流れにはついか行くしかなく、そのピーク時には皆が皆、安心して債券を買い込んでしまっている。それまで売る人がいないような状況にあったのが、いつの間にかさらに買う人がいなくなってしまうのである。

今度も債券相場の急落があったとしても、過去と同様に一時的なもので終わる可能性はある。あくまでこれは国債の需給の崩れであり、信用を失ったことによる急落ではないためである。相場には上げ下げはつきものであり、その一貫としてみなされるであろう。しかし、ギリシャ・ショックは信用力そのものへの懸念から引き起こされた。もしも、日本国債への信用が失われるようなことをきっかけとした国債価格の急落であったならば、それは相場の域を超え、日本初のあらたな金融危機を迎えることになる。このあたりのことを意識して、今後の債券相場の動向を見ておく必要があろう。
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by nihonkokusai | 2010-08-26 12:41 | 債券市場 | Comments(0)

「過去の長期金利の1%割れ(その3)」

次に長期金利が1%割れとなったのが、手元の記録によると2002年10月31日である。当時の様子を私のコラムや著作の原稿から追ってみた。

2001年4月以降、それまで売っていた都銀が買いに転じ、じりじりと債券相場は反発した。デフレが長期化するといった見通しから、期間の長い債券が買われだしたのである。9月13日には10年国債の金利は1%ちょうどまで低下した。

ところが、9月18日に日銀が銀行保有の株式を購入すると発表したことで、日銀の資産劣化が懸念され、債券先物はストップ安となった。また、その翌々日の20日の10年国債入札において、10年国債としては初めての札割れが発生し、10年国債の金利は1.3%台まで利回りが上昇したのである。

しかし、デフレといったファンダメンタルズに変化はなく再び債券相場は反発した。10月30日に日銀は金融政策決定会合において、政府の総合デフレ対策に呼応して追加緩和策を決定した。国債の買い切りの額を月1兆円から1兆2千億円に増額。また、日銀の当座預金残高目標値を15~20兆円に引き上げた。また、手形買い入れ期間を従来の6か月以内から1年以内に延長した。政府の総合デフレ対策は、当初の竹中案からはやや後退したものとなったことに加え、日銀が追加緩和を実施することで、短期金利が低下し、長期金利も低下。その結果、31日に10年国債の利回りは、1998年以来の1%割れとなったのである。

2003年5月のりそな銀行に対する資本注入によって、政府は大手銀行は潰さないといった意識も強まり、その結果、株式市場では銀行株などが買われ、海外投資家の買いなどにより、日経平均株価は2003年4月の7607.88円がバブル崩壊後の安値となり、米国や中国などの経済成長などを背景に、日本の景気も徐々に回復し始め、その後上昇基調を強めた。

2002年6月までは債券相場は1日あたりの値幅も限られながらも、じりじりと高値を更新し続けた。JGB先物は限月移行があったため中心限月の高値は10日の145円09銭となったが、現物債は11日に30年で0.960%、20年で0.745%、そして10年0.430%とそれぞれ過去最低利回りを記録した。

この相場上昇過程において、目立ったのがメガバンクの一角や地銀を含めた銀行主体の債券買いであった。銀行などがポジションのリスク管理に使っているバリュー・アット・リスク(VAR)の仕組み上、変動値幅が少ないことでそのリスク許容度がかなり広がりをみせていた。株価の低迷にともなって債券での収益拡大の狙いもあり、必要以上にポジションを積み上げ、異常なほどの超低金利を演出した。

しかし、これもいわゆる債券バブルに近いものとなり、6月17日に日経平均株価が9000円台を回復し、この日実施された20年国債の利率が1%割れのクーポンとなり、大手投資家などが超長期国債の購入を手控えたことをきっかけにして、債券相場が急落したのである。のちに「VARショック」と呼ばれた債券相場の急落である。2003年6月から8月にかけ、長期金利は0.430%から1.550%にまで急上昇したのである。

この債券相場の急落の背景としては、株価の上昇とそれを裏付けるような好調な経済指標が出てきたことで、景況感の変化によるものも当然大きかった。しかし、下げを加速させたのもVARであった。債券急落に伴い変動幅が今度は異常に大きくなり、銀行のリスク許容度が急速に低下。必要以上に売りを出さざるを得なくなったことで、下げが加速されたのである。
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by nihonkokusai | 2010-08-26 12:41 | 債券市場 | Comments(0)

「過去の長期金利の1%割れ(その2)」

世界的な金融システム不安の台頭により、日銀は1998年9月9日の金融政策決定会合において、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%に引き下げるという金融緩和策を決定した。この3年ぶりの金融緩和を受けて10年国債の金利は0.7%にまで低下し、債券先物は10月7日に139円56銭とそれまでの最高値をつけた。

1998年の小渕政権成立後、次々に経済政策が打ち出された。1998年11月16日に発表された緊急経済対策の財源として、12兆円を上回る国債が第三次補正予算にて手当てされた。翌17日には、米国格付け機関ムーディーズが、日本国債の格下げを発表した。公的部門の債務膨張も、格下げの大きな理由であった。国債の増発と海外格付け機関による国債の格下げは、債券市場参加者による国債への信頼性を次第に低下させていった。

1998年の年末に、1999年度の国債発行計画が発表され、そのなかで大蔵省資金運用部の引き受けが減少し、国債の市中消化額が急増することが明らかされた。また、大蔵省資金運用部による国債買い切りオペの中止も発表された。

経済対策に伴う国債増発が影響し、1999年の1月から長期国債は、月々1兆8千億円と、一気に4千億円も増額される見通しも出された。日銀の速水総裁は、日銀による大量の国債保有に対して「自然な姿ではない」とのコメントを出したことなどから、日銀も自ら大量に保有する国債について危惧を表明した。

債券市場にとって需給悪化を主体とする悪材料が重なったことで、12月22日にJGB先物はストップ安をつけるなど債券相場は急落。これはのちに「運用部ショック」と呼ばれたのである。1999年2月に長期金利は2.440%まで上昇したが、これが直近での長期金利の最高利回りとなった。
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by nihonkokusai | 2010-08-26 12:40 | 債券市場 | Comments(0)

「2年国債の利率が5年ぶりの0.1%に」

本日入札される2年国債の利率は、0.1%に引き下げられ、2005年8月に入札された235回債以来の0.1%となった。日銀の量的緩和政策が解除されたのが2006年3月であり、まさに量的緩和を行って際の利率に低下したこととなる。しかも政策金利の0.1%に並んだことになる。

すでに長期金利も1%を割り込み、一時0.9%も割込むような状況にある。米国債も2年債利回りは0.5%を割って史上最低利回りを更新している。日銀の追加緩和の可能性も指摘されている中にあり、2年国債の利率0.1%に違和感はない。しかし、それでも政策金利に並ぶということは、来るところまで来たのかという感もある。

日銀の追加緩和については総裁が米国出張から帰国してからとの見方となっているようだが、新型オペの拡充の可能性が高い。しかし、政策金利自体の引き下げの可能性もありうるのではなかろうか。個人的には量的緩和政策への転換も視野に入れる必要があると思ってはいるが。
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by nihonkokusai | 2010-08-26 11:26 | 債券市場 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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