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「日銀の新貸出制度」

日銀は金融政策決定会合で「成長基盤強化を支援するための資金供給」についての概要を発表した。貸付総額の上限3兆円とし、貸付先毎の貸付額の上限は1500億円、貸付実行日毎の貸付総額の上限は1兆円、そして成長基盤強化に向けた取り組み方針に基づいて貸付先が行う期間1年以上の融資または投資についての新規実行額相当額とする。また、受付期間を平成24年3月31日以前とした。また、この資金を使っての融資先としては研究開発、起業、事業再編など18分野を提示したが、具体的な制限等は出していない。

今回の日銀の新貸出は金融政策からはやや逸脱したものと言わざるを得ない。金額の上限も3兆円ということで金融緩和策ではなく、あくまで政府の経済成長戦略と呼応したものである。金融機関経由ではあるが特定分野への融資を促進することを中央銀行が行うことは極めて異例である。ただし、政府のデフレ対策に日銀も協力する姿勢を示す必要もあり、そのための施策にも限度があり、今回の政策が取られることとなったとみられる。

これにより多少なり景気に働きかけが可能となれば、金融市場への影響もあるかもしれないが、その効果については現状、不透明であり、市場への影響は限られたものとなろう。

今回の新貸出制度がすでに日銀の本来の業務から逸脱してきているとの指摘もある。すでに緩和策には限度もあり、やや手を変えての政策ともとれるが、今後の政策については注意を払う必要もありそうである。
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by nihonkokusai | 2010-06-16 14:36 | 日銀 | Comments(0)

「国債への注目度」

格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日に、ギリシャの国債の格付けを「A3」から4ノッチ引き下げ、投機的(ジャンク)等級となる「Ba1」としたと発表した(ロイター)。すでに4月にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャの格付けをジャンク級に引き下げており、ムーディーズの今回の格下げによる市場への影響は限定的なものとなろう。欧州の財政リスクについては、かなり市場でも意識されてきたことで、新たな材料が出なければ当面は小康状態となる可能性が高いと見ている。

さて、国内では菅新政権による財政再建への取り組みが注目されている。菅政権になっての内閣支持率の急回復の背景には、バラマキ型から財政再建重視への姿勢の変化に国民が安心感を覚えたことも大きいのではなかろうか。小泉政権発足の際にも新規国債の発行額を30兆円に抑えるというものかあったが、菅新首相も2011年度は新規国債の発行額を今年度と同じ44兆円以下とする方針を打ち出している。

2011年度から3年間の予算編成の枠組みを示す「中期財政フレーム」についても、国債の利払い費を除く一般会計の歳出額が、地方交付税交付金を含めて今年度並みの71兆円以下を、3年間続けるとの方針がその骨格となるようである(朝日新聞)。

ただし、税収の大幅に伸びが期待できない中、子供手当ての満額支給などに加え社会保障費の自然増により6兆円規模の歳出増が予想されている。さらに税外収入では今年度のように5兆円規模とみられる埋蔵金は期待できない。子供手当ての満額支給などは再検討されるようだが、新規国債の発行額を今年度当初予算の44.3兆円に抑えることはかなり困難を伴うことも確かである。

そしてこの先10年程度の財政再建の指針を示す「財政運営戦略」では、財政状況の健全度を示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を「5年後に半減、10年後に黒字化」と明記する方針とも伝えられた。

財政再建に向けては消費税の引き上げなど税制の抜本改革も必要となる。増税をしながらも景気の底上げを図るという第三の道が果たしてうまく機能できるのかどうかは不透明である。しかし、現時点では財政再建と景気回復の両方に目配りする施策が求められることも確か。新政権は国民による国債への注目度を意識したことで、支持率を回復させたとも言える、その信頼を裏切らずに今後も掲げた政策を進めることができるのかどうか。その可能性についても参院選挙で問われるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2010-06-15 10:47 | 国債 | Comments(0)

「帰ってきた、はやぶさ」

2003年5月に打ち明けられた探査機「はやぶさ」が地球に帰還した。奇跡の帰還としか言い様がない。小惑星への着陸に成功させたのちその再び帰還させるという技術に加え、まさに満身創痍の「はやぶさ」を根気よくコントロールさせたJAXAの技術も含め、日本の宇宙開発における技術力の高さを見せつけてくれた。そして、日本のカプセルを放出し、自らは地球の大気で燃え尽きた姿は、まるで物語の世界のようにも思えた。

はやぶさが宇宙で航行を続ける間に、日本の首相は小泉さんから、安倍さん、福田さん、麻生さん、そして政権も変わって鳩山さんから、帰還時には菅さんと6人も変わっている。また、世界的には中国やインドなどがめざましい経済成長を遂げ、またリーマンショックやソブリンショックもあり金融市場は大混乱となった。しかし、遠い宇宙から見ればそんなこと些細なことなのかもしれない。

なにはともあれ、はやぶさの快挙を讃えたい。そして、この技術は日本経済の今後にも重要なものとなるはずである。日本の技術力に世界にアピールした「はやぶさ」の意思は次に引き継ぐべきものであり、簡単に仕分けされてしまうようなものではないはずである。
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by nihonkokusai | 2010-06-14 17:28 | 趣味関心 | Comments(0)

引き続き欧米市場動向など外部要因次第の動きに

  6月8日に菅新政権が発足した。新官房長官には前国家戦略担当相の仙谷由人氏を起用し、新財務相には野田佳彦前財務副大臣が昇格した。この顔ぶれを見れば、新政権は財政再建に向けて取り組む姿勢を強めるであろうとみられる。これは債券相場にとり支援材料となろう。ただし、菅氏からはこれまでデフレを強く意識した発言も目立つため、日銀に対する政府の影響力がさらに強まることも予想され、これはむしろ警戒する必要がある。

  その日銀の金融政策決定会合が14日から15日にかけて開催される。金融政策は現状維持となろう。成長基盤強化を支援するための資金供給の具体的な内容が発表される可能性があるが、相場への影響は限定的か。

 当面の債券相場は引き続き海外要因次第となりそうである。特に欧州諸国の財政に対しての懸念が強まったり後退したりすることで、一喜一憂するような相場展開が続いている。総じて日本の国債には安全資産としての買いが入りやすくなり、10年債利回りは1.2%を割込む場面もあった。しかし、1.2%近辺では高値警戒感も強いことも確認された。

 債券先物の中心限月も移行したことで今後は戻り売りが優勢となり、大きく売り込まれた日経平均が再び1万円台を回復するなどすれば、債券相場は調整局面入りしてくる可能性もある。ただし、押し目では投資家の買いもひかえていることで深押しすることは考えづらい。
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by nihonkokusai | 2010-06-11 15:41 | 債券市場 | Comments(0)

最終売買日を控え先物の建玉動向に注目

 債券先物の6月限は明日10日に最終売買日を迎える。6月限は中心限月としては一時8兆円台と久しぶりに高い建玉となっていただけに、限月移行に向けての動きも注目されたが、限月間スプレッド取引もあることで、ロールオーバーもスムーズに進んでいるようである。

 欧州の財政懸念が払拭できないことで、日本国債にも買いが入りやすくなっており、先物は141円台に乗せて中心限月としては2008年3月以来の水準をつけてきている。これは中心限月移行を意識しての買戻しよりも、株安などによる影響の方が強かったとみられる。ただし、さすがに高値警戒もあり、10年債利回りも1.2%近くでは戻り売りも控えていることで、上値も重くなっている。

 中心限月が9月限に移行したあとの債券先物の建玉の動向に注意してみたい。9月限も6月限同様に建玉が高水準を維持してくるようならば、過去の建玉推移と先物の価格推移の動向を見る限りにおいて、さらに上値を試してくる可能性もありうる。反対に建玉が減少傾向となれば、いったん相場がピークアウトしてくる可能性もある。ここからの方向性がなかなか掴みづらいだけに、先物の建玉がひとつの目安になりうるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2010-06-09 11:01 | Comments(0)

菅新首相誕生による債券相場への影響

 鳩山首相の辞任により、6月4日に民主党代表選挙が実施され菅財務相が後任に選出された。そして、6月8日に菅新政権が発足した。新官房長官には前国家戦略担当相の仙谷由人氏を起用し、新財務相には野田佳彦前財務副大臣が昇格した。

 これだけの顔ぶれを見れば、新政権は財政再建に向けて取り組む姿勢を強めるであろうことが読み取れる。そもそも菅新首相は、 財務相として5月11日に来年度予算編成方針に関して、「新規国債発行を今年度の44兆3000億円を超えないよう全力を挙げて努力する必要がある」と表明している。これはギリシャの財政問題に端を発し欧州諸国の財政問題がクローズアップされ、金融市場が大きく動揺した結果でもある。

 2月5日の主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議で菅財務相は、日本の国債発行残高の多さを金メダルの水準と紹介し、2010年度予算成立後、直ちに財政再建に取り組む方針を示すなどしていた。欧州の財政問題が日本に飛び火してくる可能性はいまのところはないとは言え、日本の債務残高を考えれば、いずれ身動きできなくなる可能性も意識した発言であったと見られる。

 新首相自身が財政規律を重んじる姿勢を示し、首相の補佐役となる新官房長官の仙石氏も、2月11日の記者会見で「日本の国内総生産はギリシャと比べものにならないぐらい大きい。もしものことがあったときに他国とか国際通貨基金(IMF)の手助けは期待できない大きさということも認識しておかなくてはならない」とも指摘するなど、以前より財政規律を重んじる姿勢を示している。

 野田新財務相も、以前に「財政規律は死守しなければならない」との発言もあり、菅直人新政権は財政規律重視の姿勢を強めてくるとみられる。菅氏は財務相就任以前は消費税増税を封印していたが、その後は増税しても景気は良くなるとの発言もあり、むしろ財政再建に向けて消費税引き上げも今後は視野に入る可能性がある。

 菅新政権は、財政規律に軸足を置くことが想定されることで、これ今後の国債需給の懸念をやや緩和させてくると思われる。債券相場にとってこれは大きな支援材料となりうる。ただし、参院選を控え本格的な財政債券に向けての施策が取れるかどうかは未知数であり、今後の動向を見守る必要はある。

 さらに、菅氏からはこれまでデフレを強く意識した発言も目立つため、日銀に対する政府の影響力がさらに強まることも予想され、これはむしろ警戒する必要がある。ただし、債券相場にとっては超低金利政策が長く継続される可能性が強まるだけに、これも支援要因ではあるのだが。
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by nihonkokusai | 2010-06-08 17:59 | Comments(0)

菅首相と債券相場

 鳩山首相の辞任により、4日に民主党代表選挙が実施され菅財務相が後任に選出された。この日の午後に衆院本会議で菅財務相が第94代首相に指名された。これまでの菅財務相からは、2011年度の新規国債の発行額を今年度の44.3兆円以下に抑制する考えを示すなど、財政規律を守る姿勢を示しており、これは債券相場にとってはプラスの材料となる。しかし、消費税の増税を含めて、どこまで財政再建に切り込めるのかは未知数である。後任の財務相人事などを含めた内閣人事の状況をまず確認したい。

 ここにきての債券相場は株高などから売られる場面もあったが、現物債への投資家の押し目買いなどにより、下値も限られ比較的堅調地合いが続いている。特に中期ゾーンには銀行などからの押し目買いが入っていると見られ5年88回債利回りは0.385%と2003年8月以来の水準まで買い進まれた。菅首相の誕生により、日銀に対しては政府からの緩和圧力がさらに強まるのではないかとの見方などもあったとみられる。また、6月の国債償還などもあり、国債の需給もタイトとなり、今後さらに現物債が買い進まれる可能性もある。中期ゾーンから長期ゾーンにかけても買い進まれ、10年債利回りは1.2%の前半を試す場面もありそうである。
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by nihonkokusai | 2010-06-05 10:35 | Comments(0)

母が死去

昨日、6月3日に母が死去いたしました。通夜は6月6日(日)18時より、告別式は6月7日(月)11時よりそれぞれ土浦市営斎場にて執り行なわれます。
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by nihonkokusai | 2010-06-05 10:35 | Comments(0)

「退職のお知らせ」

 5月31日を持ちまして株式会社フィスコ社を退社いたしました。このため「牛さん熊さんの本日の債券」の配信も5月31日を持ちまして休止させていただきました。10年以上に渡り続けてきたコンテンツだけに休止はたいへん残念です。

 当面は求職活動となるため、債券ディーリングルームや牛熊ブログの更新もやや滞りがちになる可能性があるかと思いますが、その点、ご了承いただけると助かります。

 また、就職先等、心当たりある方はぜひご連絡をいただけるとうれしいです。
 連絡先は、メールアドレス、admin@fp.st23.arena.ne.jp、もしくは携帯、090-6042-3327、にお願いできればと思います。

よろしくお願いいたします。

久保田博幸
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by nihonkokusai | 2010-06-02 08:41 | 自己紹介 | Comments(7)
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