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「S&Pによるジャンク等級へのギリシャの格下げによる影響」

 格付会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、ポルトガルの長期ソブリン発行体格付けを従来の、A+からA-に2段階引き下げた。S&Pは、高水準の債務に対処していくポルトガルの能力への懸念を表明(ロイター)。また、見通しは、将来の追加格下げの可能性を示すネガティブとした。

 ポルトガルの格下げを発表した数分後に、今度はギリシャの格付けを従来のBBB+からBB+まで、一気に3段階引き下げたとS&Pは発表。この格付はジャンク(投資不適格)等級となり、見通しもポルトガル同様にネガティブとした。これにより、新たなギリシャの格付けは、アゼルバイジャンやエジプト、ルーマニアなどと同水準となる。 ギリシャの格下げは、高水準の債務問題に対処していくために必要な改革実施能力への懸念が理由(ロイター)。

 これを受けて27日のギリシャの2年物国債利回りは18%を超えて、10年債利回りは10%を上回った。これに対して、ドイツ連邦債に対しては質への逃避買いが膨らみ、2年物の利回りは40年間で最低となる0.761%に低下し、10年物のギリシャ国債とドイツ連邦債の利回り格差は、7%以上に拡がった(ロイター)。

 ここにきてギリシャ国債の下げがかなり厳しいものとなっていたが、もちろんこの背景にはギリシャの財政悪化があるが、こういった格下げも懸念されていた可能性がある。

 これを受けて米国市場では米国債にもドイツ連邦債と同様に質への逃避による買いが入り、10年債利回りは前日比0.11%低い3.69%、2年債利回りは0.10%低下の0.95%となった。

 米株式市場はほぼ全面安の展開となりダウ平均は前日比213.04ドル安の10991.99ドルに。また、外為市場ではリスク回避の動きから低金利の円が買われ、ユーロ円は122円80銭近辺、ドル円は93円20銭近辺に。

 民主党の小沢幹事長が起訴相当との検察審の議決を受け、政局の不透明感が強まった。この報道による昨日の市場の反応はやや鈍かったものの、今朝の朝刊一面トップを飾ったこともあり、5月政局があらためて意識され、これも株式市場売り要因に。

 本日の東京株式市場は米株の急落、円高、国内政局などの材料から大きく下落してのスタートに。日経平均先物は前日比310円安の10900円で寄り付いた。

 米債高や株安を受けて、本日の債券市場では朝方に10年306回債は債券先物の寄り前に前日比-0.025%の1.280%で出合いとなり1.3%割れに。長期金利の1.3%割れは3月2日以来となる。

 また、債券先物の建て玉は昨日の速報ベースで前日比2737億円増加の7兆7941億円に増加した。4月13日の6兆2332億円から増加し続けている。手元のデータでは中心限月としては2008年9月以来の高水準。ギリシャの国債の下落などから、海外投資家があらためて買いポジションを積み上げた可能性がある。

 とりあえず、日本円や日本国債は安全資産として買われているようではあるが、そこまで信認してもらって大丈夫なのであろうかという疑問も少し残る。5月政局の可能性も強まったが、仮に鳩山辞任とならなければ麻生前首相のように先送りするほど内閣支持率は下がり続け、民主党にとって最悪のタイミングで参院選を迎える結果とならなくもない。菅財務相は財政再建に前向きの姿勢を示しているが政局次第ではこの財政再建の行方もどうなるのかわからない。

 ギリシャの財政問題はポルトガルに飛び火し、さらにスペインなどに広がる恐れもある。ユーロ圏でのソブリンショックが、世界の金融市場に影響を与え始めていることも気掛かり。日本国債も決して対岸の火と見ているわけにもいかない。
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by nihonkokusai | 2010-04-28 10:45 | Comments(0)

「ギリシャ国債」

 26日にドイツのメルケル独首相はギリシャ支援について、ドイツはギリシャが前提条件に見合えば支援すると発言し、対ギリシャ支援の条件として、財政再建に向けた同国の取り組み強化を求めた(ロイター)。

 ストラスカーンIMF専務理事も、ギリシャ協議は5月まで継続する、との見解を示すなど、ギリシャの財政問題について、依然として不透明感が残ることが嫌気され、26日のギリシャ国債はさらに売り込まれた。

 ギリシャ10年物国債の利回りは10%程度まで上昇し、2年物利回りは一時先週末比3.4%近く上昇し、14%をつけた。10年物のギリシャ国債とドイツ連邦債との利回り格差は6.8%に拡大し、1998年2月の水準に並ぶなど、まさにフリーフォール状態が続いている。

 また、10年物のポルトガル国債とドイツ連邦債の利回り格差も、ユーロ導入以来の最高水準となる2.3%に拡大するなど、ギリシャ同様に財政問題に懸念が残る他の国々の国債相場にも影響を与えている。

 ここにきてのギリシャ国債の動きは、板が薄い中にあり、投げが投げを呼ぶような状況にあるとみられ、ある意味、相場にとっては末期的な状態に近い。ギリシャ国債へのデフォルト懸念も出ているが、もしそうなればユーロシステムそのものの存続にまで影響が及びかねない。それは極力回避されるとみられる。

 しかし、救済への期待感よりも、デフォルトを意識した悲観論の方が勝ってしまっている以上は、なかなかこの下げにブレーキはかけられない。むしろ無理にブレーキをかけず、淡々と救済に向けての動きを固め、ギリシャ国債への信頼感を取り戻せば、いずれ下げ止まる。まさに白川日銀総裁の言うところの自信の循環(cycle of confidence)」とも呼べるところの自信の喪失状態にあり、、再生に向けた努力が始まることで自信と言うか信頼は取り戻せよう。ただし、それにはもう少し時間も必要かもしれない。
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by nihonkokusai | 2010-04-27 14:06 | 債券市場 | Comments(0)

エコノミック・クラブNYにおける白川日銀総裁講演より

 白川日銀総裁は、22日にニューヨークのエコノミック・クラブで講演し、この中で金融危機が繰り返し起きる要因として、非常に長い時間の中で発生する「自信の循環(cycle of confidence)」とも呼べるものが決定的な役割を果たしていることを強調した。

 この自信の循環とは、成功が自信につながり、それがやがて自信過剰に、あるいは傲慢にさえ変質し、自己満足感も高まる。そして、自信過剰のもとで生成されたバブルが崩壊すると、今度は自信喪失へと変わり、その後、再生に向けた努力が始まるという一連の循環であると白川総裁は指摘している。

 人間は、自らが時として自信過剰になり、行動が行き過ぎることを知っています。だからこそ、我々は、行き過ぎた行動にブレーキを掛けるメカニズムを予め構築しているとただし、今回の危機では民間部門の装置も公的部門の装置もうまく作動せず、これらの装置が機能しなかったことは、重要な問題を提起しているとした。

 自信過剰が、バブルを生み出す必須要因であるということは、低金利の持続予想は、これだけでバブルを生み出すことはない。しかし、それ無しには、バブルが発生しないこともまた事実と。そして当時、バブルの兆候に不安を感じつつも、中央銀行は、何故、低金利を続けたのだろうかということに対して次の理由を挙げた。

 物価安定の達成に成功したことによって、中央銀行は金融政策運営に対する民間部門の信認を獲得するようになり、その結果、民間主体の予想物価上昇率は低い目標物価上昇率に固定されるようなったこと。

 第2として、政治的、経済的、社会的な力学がセントラル・バンカーに影響を及ぼすようになり、物価上昇率以外の要素を勘案した金融政策を行うことが次第に難しくなっていった点を挙げている。

 中央銀行の独立性が必要であるという論理は、1990年代以降、着実に定着し、中央銀行の独立性は、同時に説明責任の要請を高め、国民が容易に判別できる基準が求められるようになる。そうした要請に最も上手く応えたのがインフレーション・ターゲティングの枠組みであると。

 ただし、インフレーション・ターゲティングのもとでは、物価上昇率の目標値と実績値あるいは予想物価上昇率との関係に議論が集中しがちとなり、その結果、物価以外の形で表れる不均衡への対処を理由に金融政策を変更しようとすれば、それを根拠立てて説明するためのコストは、中央銀行の立場からすると非常に高くなると。

 エコノミストの関心は、専ら需給ギャップと物価上昇率の関係に集中することで、金融面の不均衡への関心は限定的なものになる。また、財やサービスの価格変動という形では把握しにくい要素に対しては、関心が薄れるようになる。

 日本のバブル崩壊により、日本経済に深刻な問題を引き起こした主因は、一般物価の下落というより、圧倒的に資産価格の下落である。日本では、主要都市の不動産価格がピーク対比70~80%も下落したが、消費者物価指数の下落は1997年から2004年にかけて累積で3%である。それにもかかわらず、日本の経験は誤って解釈されたと。

 デフレの危険が大きくクローズアップされた裏側で、金利の果たす動学的資源配分機能は軽視されがに。そして正にその時期に、信用やレバレッジの増加、期間ミスマッチの拡大という、その後の危機の種が蒔かれたと白川総裁は指摘したのである。

 インフレーション・ターゲティングを採用すれば、物価上昇率に注目が集ってしまうことで、金融面の不均衡への関心は限定的なものにならざるを得ない。デフレがクローズアップされてしまうと、信用やレバレッジの増加などのリスクが拡大しても、関心が薄れる結果、新たな危機が発生する可能性がある。つまり白川総裁は、政府などからのデフレ対策を意識してのインフレターゲットの採用要求について、海外での講演を通じて明らかに否定的な発言を行なったものとみられる。
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by nihonkokusai | 2010-04-26 13:05 | Comments(0)

「国債への信認維持の難しさをギリシャに学べ」

欧州連合(EU)統計局は、22日に2009年のギリシャの財政赤字がGDP比13.6%となったと発表、11月の見込みの12.7%よりもさらに悪化している。ギリシャの債務残高のGDP比も115.1%と、最新の財政再建見込みの113.4%から拡大した(日経新聞)。

 主なEU加盟国の財政赤字と政府債務残高は以下のとおり(日経新聞より) アイルランドの財政赤字は14.3(昨年11月時点の見込み12.5)、政府債務残高のGDP比64.0。ギリシャ13.6(12.7)、115.1。スペイン11.2(11.2)、53.2。ポルトガル9.4(8.0)76.8、フランス7.5(8.3)77.6、イタリア5.3(5.3)115.8、ドイツ3.3(3.4)73.2。英国11.5(12.1)68.1、ポーランド7.1(6.4)51.0。

 格付会社ムーディーズは、22日にギリシャのソブリン格付けをA2からA3へと1ノッチ引き下げた。ムーディーズは、ギリシャの債務は借り入れコストが従来予想よりも高い水準でしか安定しない著しいリスクがあると指摘。ギリシャが示している財政赤字削減計画の完全な実施が確認されなければ、格付けは再度引き下げられる見通しとも(以上、ロイター)。

 これらを受けて22日のギリシャ国債利回りは急上昇し、2年物の利回りは10%台をつけ過去最高水準に。10年物も9.13%に上昇し、ドイツ連邦債10年物との利回り格差は6%台に拡大し、12年ぶりの高水準を更新した。

 今回のギリシャの財政問題は今後、日本でも同様のことが起きないとは限らず、その動向はしっかりチェックしておく必要がある。いったん市場からの信認が得られなくなると、それを取り戻すことは非常に困難であり、信認があるうちに早め早めに手を打つ必要がある。
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by nihonkokusai | 2010-04-23 10:39 | Comments(0)

9月の貿易黒字は9489億円

 財務省が22日に発表した2010年3月の貿易統計によると、輸出は対前年同月比43.5%増となり4か月連続の増加、輸入も対前年同月比20.7%と3か月連続での増加となった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の黒字は9489億円の黒字となった。貿易黒字は12か月連続。輸出は自動車、半導体等電子部品等が増加し、輸入は原粗油、非鉄金属等が増加した。

地域別にみると
対米国では輸出が29.5%増と3か月連続の増加、輸入が2.6%増と3か月連続の増加
対EUでは輸出が26.7%増と3か月連続の増加、輸入は13.3%増と2か連続の増加
対アジアは輸出が52.9%増と5か月連続の増加、輸入は16.5%増と3か月連続の増加
対中国では輸出が47.7%増と5か月連続の増加、輸入は5.5%と2か月連続の増加

 同時に発表された2009年度分については、輸出は自動車、鉄鋼等が減少し、対前年比17.1%の減少、輸入は原粗油、液化天然ガス等が減少し、25.2%の減少となった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の黒字は5兆2332億円となり、前年度が7648億円の赤字となっていたことで、2年ぶりに黒字を回復した。
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by nihonkokusai | 2010-04-22 09:55 | 景気物価動向 | Comments(0)

「2009年度の公社債投資家別売買高」

20日に日本証券業協会は3月の公社債投資家別売買高を発表した。これを元にして2009年度(2008年4月から2009年3月)合計の投資家別売買高を算出してみた。

都市銀行 12兆7836億円
地方銀行 7兆470億円
信託銀行 16兆7870億円
農林系金融機関 3兆8759億円
第二地銀協加盟行 1兆2597億円
信用金庫 8兆6690億円
その他金融機関3兆2451億円
生保・損保 7兆4057億円
投資信託 1兆6439億円
官公庁共済組合 3849億円
事業法人 1兆7560億円
その他法人 2兆8271億円
外国人 -2兆8019億円
個人 -1042億円
その他 -41兆8807億円
債券ディーラー 1兆3057億円

 最大の買い越しは信託銀行の16兆7870億円、次に都市銀行の12兆7836億円、信用金庫の8兆6690億円と続き金融機関が国債主体に債券投資を積極化させていた。農林系金融機関も3兆8759億円、第二地銀協加盟行も1兆2597億円、その他金融機関3兆2451億円の買い越しとなった。

 また、生保・損保も7兆4057億円の買い越しになっていたが、運用超長期債主体に行なわれたものとみられる。投資信託の1兆6439億円、そして事業法人も1兆7560億円と余資運用を行なっていたようである。

 これに対して外国人投資家は、2兆8019億円の売り越しとなっていた。日銀の資金循環統計によると海外投資家による国債保有残高は、2009年9月末現在では海外投資家は39兆4403億円で5.8%のシェアがあったが、2009年12月末現在で35兆6664億円で5.2%に落ち込んでいる。

 国債の安定消化のためには、その投資家層の裾の拡大のため、海外や個人の国債保有比率を上げることが重要である。しかし、個人は低金利を嫌い、海外は財政悪化リスクを意識している。また海外投資家は日本の低い利回りも嫌気している可能性がある。
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by nihonkokusai | 2010-04-21 14:14 | Comments(0)

「財政健全化2案」

 21日の日経新聞の朝刊は現在、政府・与党が検討している財政健全化法案の原案に関して報じている。現在のところ自民党政権時に目標としていた国・地方のプライマリーバランスを採用する案と、欧州連合(EU)が使っている国・地方の財政赤字の国内総生産(GDP)比率を目安とした2案を提示したようである。

 新法の名称は「成長・社会保障・財政健全化基本法案」。菅副総理・財務相が今国会の提出に意欲を示しているそうだが、今国会での扱いは流動的か。

 プライマリーバランスについては「2015年度に赤字幅を半減し、2020年度に黒字化する」というもの。2010年度の国・地方のプライマリーバランスにおける赤字幅は33.5兆円もあるが、2015年度までにそれを半減するとの目標となる。

 国・地方の財政赤字のGDP比については「2015年度までに赤字幅を約6%以下、2020年度までに3%以下に抑える」との内容で、赤字幅が約44.8兆円で、GDP比9.4%と推計される2010年度を基準とすると2020年度までに改善させる財政赤字の幅は約30兆円となる(日経新聞)。

 とりあえず目標とする数字は示されるようである。プライマリーバランスもしくは財政赤字の対GDPというのも想定されていたものである。自民党政権からの差別化を計るため財政赤字の対GDPを使うのかと思っていたが、プライマリーバランス均衡化の重要性も意識しているものと思われる。

 ただし、消費税増税を含めた税制の抜本改革の必要性はにじますが、具体的な消費税率引き上げの時期や上げ幅については、鳩山首相が在任中は上げないと明言しているだけに首相の交代等がなければ、具体的な表記も難しいものとなる。ここにきての民主党政権の支持率などを見る限り、5月政局の可能性は否定できないが。

 いずれにしても財政健全化の数字目標は出されるようである。しかし、それに向けての具体策が示されない限りは、財政再建に向けての政府の本気度は計れない。すでに海外投資家は日本国債投資を減らしている。国内投資家は引き続き余剰資金を抱えた金融機関主体に国債購入をむしろ増加している。しかし、今後も年間50兆円規模の新規国債発行がいつまで継続できるとの保証は全くない。経常黒字国だからと安心しきっていると、気が付けば長期金利の急騰に見舞われている可能性がある。それを抑えるには早期の健全化努力が必要なはずなのだが。
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by nihonkokusai | 2010-04-21 10:35 | Comments(0)

「GSショックによる債券市場への影響」

 米証券取引委員会(SEC)は、ゴールドマン・サックスをサブプライム住宅ローン関連金融商品の販売で、投資家を欺いたとして提訴した。

 ゴールドマンが組成し、販売したサブプライム住宅ローン債券を原資産とする債務担保証券(CDO)は、サブプライム逆張り王として知られる大手ヘッジファンドのポールソン&カンパニーが、そのCDOのポートフォリオの中身の選別などの組成に大きく関わっていた。この際にポールソン氏は、CDOの価格下落に賭けるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約を結んでおり、結果はご承知のとおり。米SECはこの金融商品を販売する際にポールソン氏の関与を示さず、重要情報を開示しなかったとして、ゴールドマン・サックスを提訴したのである。

 これを受けて4月16日の米国株式市場では、政府による金融規制強化に繋がるとの見方から金融株主体に下落し、ダウ平均株価は前日比125.91ドル安の11018.66ドルと大幅に下落し、ナスダックも同34.43ポイント安の2481.26で引けた。

 リスク回避の動きにより、米債は買われ10年債利回りは前日比0.07%低下の3.76%となり、米2年債利回りも前日比0.06%低下の0.95%と節目とみられた1%を割り込んだ。

 ニューヨーク外為市場では、リスク回避による円買いに加え、中国による元切り上げが近いのではないかとの観測も加わり、ドル円は、一時92円を割り込んだ。ポルトガルの財政懸念やギリシャの発行するドル建て債への需要懸念なども加わり、ユーロ円は124円40銭近辺でニューヨークを引けたかその後123円台をつけた。

 これらを受けて週明け4月19日の東京市場では日経平均株価は11000円の大台を大きく割り込んだ。また、債券先物は3月17日以来の139円台を回復し139円36銭まで買い進まれた。現物10年306回債は先週末比-0.035%の1.305%が買われ、5年88回債は同-0.020%の0.490%と3月17日以来の0.5%割れとなった。

 しかし、19日の米国市場ではリスク回避の動きが一服しダウは73ドル高、米10年債利回りは先週末比0.04%高い3.80%に上昇したが、果たしてGSショックは一過性のものに終わるのであろうか。

 確かにGSショックがなくとも19日の東京株式市場は下落し債券は買われていた可能性がある。日経平均の11000円台が次第に重くなり調整が入りそうな動きをすでにしていたためである。GSショックによりその下げが加速され、むしろ調整局面は早めに終了する可能性もある。

 債券相場はGSショックにより若干の水準訂正が起きたが、10年債利回りでの1.3%は割り込まず、心理的な壁と意識されそうである。5年債利回りも0.5%割れでは戻り売りも入った。

 そしてここにきて気になる動きとして、債券先物の建て玉増加がある。債券先物中心限月である6月限の建て玉は2009年8月27日以来の7兆円台乗せとなり、直近ではかなり高い水準にあるため、今後の波乱要因ともなりうる。

 GSショックにより若干の地合の変化はあったが、国内景気は回復基調を続けるなど日本のファンダメンタルズに変化はない。ただし、GSショックを受けて先物などのポジションが予想外に膨れ上がった可能性もあり、その揺り戻しなどに注意も必要か。
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by nihonkokusai | 2010-04-20 10:47 | 債券市場 | Comments(0)

「低迷続ける個人向け国債の販売」

 4月15日発行の「2010年春の個人向け国債」の販売額は5年固定金利型と10年変動金利型を合わせて1903億円となり、一回あたりの販売額としては前回の2412億円を下回り、過去最低を更新した。

 5年固定金利型の販売額は1427億円と前回の1866億円を下回り、2006年1月の発行開始以来の最低水準となった。10年変動金利型も476億円と低迷した。

 今回の5年固定金利型の利率は年率税引き前で0.48%となり、前回の0.44%は上回ったものの、5年固定金利型の利率としては過去最低水準に近い。

 また10年変動金利型の初期利子は0.53%となり、今回も前回同様に5年固定型の利率を上回った。これを受けて10年変動金利型の販売額の落ち込みはさほど大きくはなかったが、販売額そのものは低迷している。

 長期金利の低位安定が続き、これはこれで国債価格が安定していることになるが、個人向け国債の販売については利回り重視であることで販売額が回復していない。

 国債投資家層の裾野拡大のためには、この個人投資家と海外投資家の保有額拡大が必要であろう。しかし、日銀の資金循環統計から見た国債の投資家別の保有状況からは、2009年12月末現在、海外が35兆6664億円で5.2%、家計が35兆0250億円で5.1%に過ぎない。2009年9月末現在では海外が39兆4403億円で5.8%、家計が35兆4713億円で5.2%となっており、特に海外投資家は日本国債の残高を減少させている。

 海外向けIR活動や個人向け国債の発行など財務省の国債販売努力により、全体に占める海外と家計の比率は伸びてきていたが、ここにきてブレーキがかかっている。その背景には銀行などの国債保有が伸びている面もあろう。しかし、今後の国債需給を考えれば海外や家計の比率を伸ばす必要がある。

 次回の個人向け国債の発行は7月となるが、この7月から3年固定金利型の発行がスタートする。

 個人投資家は国債投資に対して、なるべく期間の短いものを求める傾向があるため、3年固定金利型の販売額に期待したい。しかし、現在の利回り水準からは3年固定金利型利率が0.2%台となるため、この水準で果たしてどれだけ売れるかは疑問である。

 景気回復やデフレの解消などに伴う良い金利上昇により、多少でも個人向け国債の利率が上昇し、販売額が増加してくれると良いのだが、いまのところそういった動きにもなく、当面は個人向け国債の販売額は伸び悩みとなりそうである。今年度の個人向け国債の販売額は、国債発行計画によると2兆円となっている。
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by nihonkokusai | 2010-04-20 10:46 | 国債 | Comments(0)

「GSショックで地合い変化」

 米国でのGSショックによりまた少し、相場を取り巻く景色が変わってきた。米証券取引委員会(SEC)は、ゴールドマン・サックスをサブプライム住宅ローン関連金融商品の販売で、投資家を欺いたとして提訴した。

 ゴールドマンが組成し、販売したサブプライム住宅ローン債券を原資産とする債務担保証券(CDO)は、サブプライム逆張り王として知られる大手ヘッジファンドのポールソン&カンパニーが、そのCDOのポートフォリオの中身の選別などの組成に大きく関わっていた。この際にポールソン氏は、CDOの価格下落に賭けるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約を結んでおり、結果はご承知のとおり。米SECはこの金融商品を販売する際にポールソン氏の関与を示さず、重要情報を開示しなかったとして、ゴールドマン・サックスを提訴したのである。

 これを受けて、先週末16日のの米国株式市場では、政府による金融規制強化に繋がるとの見方から、金融株主体に下落し、ダウ平均株価は前日比125.91ドル安の11018.66ドルと大幅に下落し、ナスダックも同34.43ポイント安の2481.26で引けた。

 リスク回避の動きにより、米債は買われ10年債利回りは前日比0.07%低下の3.76%となり、米2年債利回りも前日比0.06%低下の0.95%と節目とみられた1%を割り込んだ。

 ニューヨーク外為市場では、リスク回避による円買いに加え、中国による元切り上げが近いのではないかとの観測も加わり、ドル円は、一時92円を割り込み91円90銭をつけた。ポルトガルの財政懸念やギリシャの発行するドル建て債への需要懸念なども加わり、ドルや円に対しユーロは売られ、ユーロ円は124円40銭近辺でニューヨークを引けていた。その後、ユーロ円は123円台をつけている。原油や金も大きく下落し、原油先物は前日比2.27ドル安の83.24ドル、金先物は同23.4ドル安の1136.9ドルに。

 先週末の日本の債券市場では、日経平均株価は、円高やアジア株の下落などから下げ幅を拡大したことなどから、債券先物は直近高値の138円92銭を抜いて、前日比28銭高の138円99銭まで買われ、139円に接近した。円高・株安そして債券高の流れが、GSショックで加速され、日経平均は11000円を割り込み、債券先物は139円台に乗せてきた。

 中国では元の切り上げ観測も出ており、また欧州ではギリシャの発行するドル建て債への需要懸念などギリシャの財政問題が引き続き注目を集めている。また、ポルトガルの財政についても懸念が出るなど不透明感は強い。イスランドの火山噴火による火山灰は航空だけでなく、欧州圏を主体とした経済全般への影響も懸念される。

 このように不透明要因が重なり、再びリスク回避の動きが強まっている。米景気回復への期待からリスク志向の動きが出ていた反動によるものもあろうが、相場については足元の地合いが変化しているとみられ、目先は債券先物など買い戻し圧力が強まりそうである。
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by nihonkokusai | 2010-04-19 09:48 | 債券市場 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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